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2021年1月の記事一覧

あなたは誰ですか?

あなたは誰ですか? 私はみんなにはしーちゃんと呼ばれています 私は男です 私は173センチ…

10

花束

足が濡れていました もっと早く気づくべきだったのかもしれませんが 目の前で煌々と光るネオン…

4

少し迷っています

その美しい言葉はどこで拾ってきたのでしょう あの公園の横を流れる小川の中ですか 突如吹いた…

3

苦行の上に咲く花

苦行の上に咲く花に想いを馳せてみたのです それはそれは想像もしえぬ 色の無い花でした それ…

4

突き刺した夜の情景

その声を聞け 耳を痛めるその声を そこにこそ真実はあり、そこでしか在することなど出来ない …

6

溶けた漆黒の夜

抜けていく力に身を委ねる その先に何があるだかとか、そんな訳のわからないことはやめろだと…

3

瞼の裏に住んでいた少年

見ることが出来なかった。 それは、物理的にではない。 この目は確かに目の前に映る机と、風に靡くカーテンと、酸味がかったコーヒーと、長らく水をあげ忘れていた観葉植物と、酔っ払った勢いで勝った見たこともないキャラクターの人形と、昨夜食べ残したポテトチップスの残骸と、陽の光に照らされた白い壁を見ている。 でもそれはただ網膜に映っているに過ぎず、見ているのではない。 何一つ、見ることが出来ないのである。 本物の姿を見ることが出来ないのである。 その場合の本当が何を意味するのかはわから

自分ではオレンジって言ってたけど、おそらく紫のような気がするんだよね。 君の唇から漏れる…

4

夕日、影

連なる山々と浮かぶ雲の間に一つの沈み行く夕日が見えた。 その光景を仮に切り取ったとするの…

2

見知らぬ森に迷い込んだ羊

一匹の羊が、見知らぬ森に迷い込んだ。 首を右へ左へ小さく揺らしながら、恐る恐るその一歩を…

2

明日を待ってる

薄明かり公園の電灯の下 静かに開いた本の中に 浮かび上がった一言 それが何かは思い出せない…

4

相対的な世界に生まれたレジスタンス

男は道端に落ちていた誰かの希望を見つけた。 優しく拾い上げて、一言「ごめん」と言った。 罪…

3

忘我に沈め

何も始まっていなかった この間、終わったつもりでいた人を見たよ どこか視線は虚ろで、握る手…

1

解けた首輪とペティグリーチャム

あの日窓ガラスは水滴に溢れて 待ち遠しかった 外は雪模様 扉が空いたら カラカラと音がして 小さな命が そこにあったよ 怯えているのか 不思議がっているのか 匂いを嗅いでは一歩足を伸ばした なんとなく 気づいたのかな これから始まるこの世界 走り出した あのスタートライン 繋ぎ止めるものは何も無かったよ 加速していく風切る姿を 僕は見ていた危なっかしいその勢いが まだ忘れられなくて 調子が悪いと布団の中 何も言わずに寄り添う君 いつもは離れて行く癖にさ 今日に限っ