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ねえ、あの日思った事を書くね。

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2024年5月19日

僕はこの日、iluxion(イルシオン)という北海道で活動するアイドルグループの、東京遠征ライブを見に行った。
場所は渋谷RINGという会場だった。
今まで何度かiluxionのライブを見に行った事があったが、この日は今までと決定的に違う事が一つだけあった。
それは、僕の推しメンだった子が、もうステージ上にはいなかったという事だ。


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このグループには少し前まで、リトルトゥースのアイドルがいた。
「リトルトゥース」とは、オードリーのオールナイトニッポンのリスナーの事を指す。
ちなみに僕は、オードリーのオールナイトニッポンへ毎週メールを投稿している。
そんな僕の事を、彼女は番組を通して知ってくれていた。
初めて彼女に会いに行った時、「えーーーーー!!!」と大きな声を出して驚いてくれた。
「ラジオを聴いてて名前を知っていたから、私のツイッターをフォローしてくれた時、すごくビックリしたし嬉しかった!」とも言ってくれた。
それが僕は本当に嬉しかった。
まさか遠く離れた北海道の地に、自分の事を知ってくれていて、会えた事をこんなにも喜んでくれる人がいるだなんて思ってもいなかった。

僕は東京に住んでいて、彼女は北海道に住んでいたから、そう頻繁に会える仲ではなかったけど、会えた日には「いつもラジオで読まれてるの気づいてるよ!」と声をかけてくれた。
その言葉が励みになって、僕は投稿が頑張れていた。

彼女の動画メッセージサービスを購入した事があった。
彼女は北海道に住んでいるはずなのに、その動画の中には東京で撮影された映像が入っていた。
ちょうどその頃、オードリーの東京ドームライブに向けて、ドーム周辺には番組の看板が展示されたり、謎解きイベントなどが開催されていた。
僕を喜ばせようとしてくれたのか、彼女はわざわざ東京ドームまで行き、オードリーのオールナイトニッポンのフォトスポットの前で動画を回してくれた。

その動画の中で「オードリーが出会わせてくれたうちらの縁を、これからも大事にしていきましょう!」と彼女は言ってくれた。
僕も全く同じ事を思っていた。
東京と北海道という普通に生活していたら絶対出会わなっかったであろう二人が、オードリーを通して奇跡的に出会えたのだから、これからもその縁をずっと大切にしたいと思っていた。

しかしある日突然、彼女は僕の前から姿を消した。

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何があったのかは分からないけど、彼女が突然グループを去ってしまったのはとても悲しかった。

でも、二人の関係性は今も変わっていないと僕は思っている。
僕は相変わらずオードリーのラジオを聞いてるし、きっと彼女もどこかでオードリーのラジオを聴いているだろう。
そう、二人の間にはリトルトゥースの絆が変わらずあるのだ。
番組でメールが読まれれば、その瞬間だけは僕の事を思い出してくれるのかな?なんて思ったりもする。
だから、これからもずっと僕は投稿を頑張ろうと思う。
今だってメールが読まれた時は、彼女の事をよく思い出す。
「〇〇ちゃん、今メール読まれたの気づいてくれたかな?笑ってくれてるかな?」と思う夜も多々ある。
とにかく僕にとって、彼女はとても大きな存在のアイドルだった。
そして今も大きな存在のまま、僕の心の中で生き続けている。

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彼女がiluxionからいなくなってしまったが、僕はiluxionのファンを辞めようとは、これっぽっちも思わなかった。
なぜなら、iluxionを知ったきっかけは彼女だったが、iluxionを好きになったきっかけは当時の4人のライブが胸に刺さったからだ。
だからメンバーが一人欠けて3人になってしまったけど、僕はiluxionの事が好きなままだった。

でも、推しメンがグループを去ってしまったから、きっと他のメンバーたちは、僕がiluxionのファンを辞めたと思っているかもしれないなと考えたりもした。
本当は直接ライブに行って、iluxionの事が今も変わらず好きだという気持ちをメンバーに伝えたかった。
でもそれはなかなか難しかった。
東京と北海道という距離がそれを邪魔した。
気軽に会いに行ける関係ではないのが、とてももどかしかった。


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iluxionには、月嶋あやというメンバーがいる。
いなくなってしまった推しとはまた違った魅力のある子で、僕は彼女の事も「すごくいいアイドルだな」と、ずっと注目していた。

僕は彼女のnoteがとても好きだ。
彼女のnoteからは「アイドルとしての信念」が溢れ出ている。
彼女はiluxion唯一のオリジナルメンバーで、結成当初からグループを守り続けている。
メンバーが抜けてしまったのは、実は今回が初めてではなかった。
彼女以外のメンバーが全員いなくなってしまった時期だってあった。
でも彼女は、iluxionを諦めなかった。
彼女は一人になってもiluxionを守り続けた。
そんな彼女の「言葉」には、力強さと説得力がある。

彼女は疾走感のある文章を書く人で、普段のアイドル活動でも前へ前へ走っている印象を受けるが、文章の中でも前へ前へ突っ走っている。
「わたし頑張るから、みんなもついてきてね!」というメッセージが散りばめられたような、とにかく前へ突き進むようなスピード感のある独特の文章を書く人で、その臨場感溢れる文章構成に、僕は毎回引き込まれている。
言葉選びのセンスも良くて、とにかく人の心に突き刺さる言葉が彼女のnoteにはたくさん詰まっている。
僕は彼女のnoteを読んで、何度も心を揺さぶられた。
こんなに胸が熱くなるような文章を書くアイドルは、他にいないと思う。

そして、何より彼女のnoteの一番好きな所は、読者に対して1対1で語りかけるような文章を書くところだ。
普通のnoteだと、筆者と読者の対比構造は「1対大勢」になるのが普通だ。
しかし彼女のnoteは、その対比が「1対1」なのである。
よく「テレビ」と「ラジオ」の違いの話をする時、テレビは大勢の視聴者に向けた大衆的な放送だが、ラジオはリスナーと1対1で向き合ってくれるメディアだというような表現がされる。
あやちゃんのnoteは、まさにラジオみたいな感じだ。
元々ファン思いの人だから、どんなファンとも1対1で真剣に向き合っていると思うが、それが文章にも現れている。
だから彼女のnoteを読むと、自分に語りかけてくれているような気持ちになる。
それは、他のどのアイドルのnoteにもない、彼女にしか出せない「色」なのだと思う。

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推しがグループを去って数日後。
「推しがいなくなっても、僕はファンを辞めてないよ」という意思表示をしたかったので、通販であやちゃんのチェキを買おうか迷っていた。
iluxionは通販で3枚チェキを購入すると、そのうち一枚をデコレーションしてくれ、裏面にメッセージを書いてくれる。
あやちゃんは本当にマメな人で、チェキの裏面にびっしりメッセージを書いてくれる。
それは文字通り本当にびっしり。
実物を見たら多分みんなびっくりすると思う。
文字が小さすぎて読めないぐらい、本当にびっしり書いてくれる。

だから逆にチェキを買うのをためらってしまった。
今僕がチェキを買ったら、絶対にコメントに困るだろうなと思った。
僕と推しの関係性を彼女は知っていたから、どうしたって僕がチェキを買ったらその話に触れざるを得ないだろうなと思った。
脱退直後だったし、今はその話をしたくないかもしれないし、変に気を遣わせるのも嫌だったから、僕はチェキを買うのを控えた。

そしていつか東京遠征に来てくれた時に、直接ライブに行って「これからもずっとiluxionのファンだよ!」と自分の口で、彼女の目を見て伝えようと思った。
それが一番ベストな選択肢だと思った。
それからiluxionのスケジュールをチェックする日々が続いた。
僕には、東京で彼女を待っている事しかできなかった。


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それからしばらく経ったある日、iluxionの東京遠征が遂に決まった。
会場は渋谷RINGだった。
この会場は、僕とあやちゃんが初めてチェキを撮った思い出の場所でもある。
初めてチェキを撮った時、彼女はすでに僕の事を知ってくれていた。
話を聞くと、推しがいろいろ僕の事を説明してくれていたらしい。
当時iluxionは4人組で、ホテルなどに泊まる時に2組に別れていたそうだが、推しとあやちゃんは同じ部屋になる事が多かったそうだ。
「〇〇と部屋が一緒になる事が多いんだけどね、ブーメランチャンネルさんの事を、あの人はオードリのラジオでたくさん読まれてて、本当にすごい人なんだよ!って私にも教えてくれたよ!」と、その時に言ってくれた。
自分の知らない所で、推しが僕の話をしてくれていただなんて思ってもいなかったから、すごく嬉しかった。
この初対面の時に、僕はあやちゃんのnoteが好きな事を直接伝えた。
彼女がすごく喜んでくれたので、こっちの方まで嬉しくなったのを覚えている。

そんなあやちゃんと初めて喋った渋谷RINGで、推しのいなくなったiluxionを僕は初めて見る事になる。


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2024年5月19日
渋谷RING

iluxionのライブがスタートした。
SEが鳴り響き、一人ずつメンバーがステージに登場した。
分かってはいたが、もうそこには僕の推しメンの姿はなかった。
理解はしていたが、その現実を受け入れるのに少し時間がかかってしまった。

一曲目は、マジックアワーだった。
もういるはずのない推しの姿を探してしまっている自分がいた。
どこを探したっているはずがないのに、あの子の事を探してしまった。

二曲目は、ボーダーラインだった。
この曲は、推しが煽りを入れたり、曲の大事な部分の歌割りを任されていたりして、推しがとても目立つ曲でもあった。
でも、もう推しの煽りもなかったし、歌割りも変わっていて、すごく複雑な気持ちになって「あ、本当にいなくなっちゃったんだ。」と現実を突きつけられた。
そして、この後自分がどんな感情になるのか分からなくなってしまった。

でも、はっきり覚えているのだが、3曲目にやったセツナユートピアで僕の気持ちはガラッと変わった。
もうとにかく3人の熱気のこもったライブが、推しの事を忘れさせてくれた。
その後、フェアリーテイル、Sympathyと繋いだのだが、ライブが終わった頃には「やっぱり僕は、iluxionのライブが好きなんだな」と改めて思った。
推し不在のステージを見て、最初こそ動揺してしまったが、そんな僕の心を鷲掴みにし、ステージに夢中にさせてくれたのが「現在進行形のiluxionの3人」だった。


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ライブ終了後。
物販であやちゃんの元へ行った。
するとあやちゃんが「ねえ〜!もう会えないと思ってたよ!」と言いながら迎えいれてくれた。
「〇〇がいなくなっちゃったじゃん。だからもう来てくれないと思ってたから、客席にいたの見つけてビックリしたよ!」と言ってくれた。
僕は「iluxionが好きだから、これからもずっと会いに来るよ!今日のライブも本当に良かったよ!」と伝えた。
久しぶりの再会を楽しんだ僕は、最後にもう一度しっかりiluxionが好きだという事と、これからもiluxionに通い続けるという事を伝えておきたかった。

僕が「これからも、引き続きiluxionに通うね!」と言ったら、あやちゃんが「引き続き」を「引きずってる」と聞き間違え、「え?まだ引きずってるの?」と聞いてきた。
僕がすかさず「引きずってるじゃなく、引き続きね!もし引きずってても、わざわざ特典会で他のメンバーに言いに来ないわ!」と突っ込んで、二人で大爆笑したのを覚えている。
これが最後の会話になって、二人ともめちゃくちゃ笑顔でバイバイできた。


最初は、推しのいないステージを見て正直ちょっと引きずっていた自分がいたけど、もう大丈夫。
なぜなら、僕の好きなiluxionのライブが、変わらずそこにあったから。

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あれから彼女とは一度も会っていないし、次にいつ会えるのかも分からない。
多分僕たちはこれからも、この距離感でずっと付き合っていく事になる。
でも僕の頭の中には、常に「iluxion」があるし「月嶋あや」がいる事を忘れないでほしい。
なぜこんなにも彼女の事が気になるかというと、僕は彼女がこれからどんなキャリアを積んで行って、どんな形でアイドルをやり遂げるのかに、すごく興味がある。
彼女がアイドルを辞める最後の瞬間まで、目を離したくないのだ。
点ではなく線で見たいアイドル、それが月嶋あやなのだ。

月嶋あやを一言で表せと言われたら、僕は「主人公」と答える。
ステージに立った彼女からは、主人公のオーラが出ている。
身長も高くてスラッとしていて、その佇まいが本当に絵になる。
立っているだけで、かっこいいのだ。
そしてパフォーマンスもバッチリタイプで、ダンスがめちゃくちゃ上手いし、歌ってる時の表情がとにかくいい。
その真っすぐな瞳で客席を照らしながら、明るい未来へ突き進むようなライブをする。
ライブ中の彼女のその目が、僕はとても好きなのだ。
そんなアイドルの世界を駆け抜ける主人公の彼女が、これから先どんな未来を描いていくのかに、とても興味がある。
月嶋あやというアイドルの、長編ドラマを見ているような感覚だ。

彼女はnoteで、アイドル活動を通して、悩んだり、苦しんだり、葛藤したりした事を書く時もある。
でも最後は、前向きな言葉で締めくくって、ファンのみんなに「ついてきてね!」というような無言のメッセージを送っているような気がする。
そんな文章を読むと思わず応援したくなるし、彼女についていきたくなる。
彼女は人を惹きつけるライブをするだけでなく、人を惹きつける文章も書ける人なのだ。

メンバーが立て続けにいなくなった時「あのまま解散すればよかったのかな。私もやめようかなって考えてしまったのは事実です。」と彼女は過去にnoteに書いた事もあった。
今のiluxionがあるのは、決して順風満帆ではなかったはずだし、これから波瀾万丈な事が起こるかもしれないけれど、彼女ならどんな困難も乗り越えて行けると思う。
彼女を見ていると、アイドルとしての芯がしっかりある気がして、とても頼もしく見える。
もちろんファンの前では見せない苦悩とかもきっとあると思うのだが、ステージ上の彼女はポジティブ全開で、みんなを笑顔にさせてくれる。
もちろん僕も、そんな彼女に笑顔にさせてもらっている一人だ。

アイドルを推すきっかけっていろいろあると思う。
例えば、顔が好きだったり、歌が好きだったり、ダンスが好きだったり、SNSが好きだったり、特典会での対応が好きだったり、本当に十人十色で推すきっかけって違うと思う。

僕が月嶋あやを好きな最大の理由は「アイドルとしての生き様」だ。
やっぱりiluxionを守り続けている彼女の背中は、本当にかっこいい。
iluxionで戦い続けている彼女の背中は、どう考えたってかっこいい。
そんな彼女の背中を、僕はこれからもずっと追いかけ続けたいと思う。


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昔、あやちゃんのnoteを一度書いた事がある。
彼女はそのnoteを読んで、涙を流したと言ってくれた。
そしてお母さんにも見せたと言ってくれた。
文章が好きな人に、自分の文章が気に入ってもらえたのがとても嬉しかった。
そして涙まで流してもらえただなんて、こんな光栄な事はない。

先日通販であやちゃんのチェキを買ったら、裏面にびっしりメッセージを書いてくれていた。
彼女は文章を書くのが好きと言っていた。
僕も文章を書くのが好きだ。
東京と北海道で暮らしている二人だから、直接会って会話する事は出来ないけど、こうやって文章のやり取りならいつだって出来る。

あやちゃんとは、オンチェキの裏面と、noteを使った文通をしているような感覚だ。
文章を書くのが好き同士のうちらだから、こんな関係も悪くないよね?
会えないからこそ、こうやって時々あやちゃんに文章を書きたくなる時があるんだ。

だからまた何かあったらnote書くね。

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2024年・夏

僕は北海道へ遊びに行った。
北海道に来たら、どうしても行ってみたい場所があった。
その場所は「Sound lab mole」というライブハウスだ。
このライブハウスでiluxionは、木曜定期公演というライブをやっている。
言わば、彼女たちの本拠地のような場所だ。
「いつもiluxionのみんなは、ここでライブを頑張ってるんだな〜」と思いながら、会場をしばらく眺めていた。

この日は残念ながら、iluxionのライブを見る事は出来なかったが、いつかここでiluxionのライブを見てみたいなと思った。

iluxionは「様々な瞬間を共に」をコンセプトに活動しているアイドルグループだ。
だからこそ僕も、この北海道という場所で、彼女たちと同じ瞬間を共にしたいと思った。
あやちゃん、みなみちゃん、翠ちゃん、いつかここで会おう。
これからも、様々な瞬間を共にさせてね。


そして最後になるが、iluxionに出会わせてくれたあの子に、僕は本当に感謝している。
あの子がいなかったら、僕はiluxionと出会わなかった。
あなたの事も忘れてないし、これからも忘れないし、今でもずっとラジオ投稿の心の支えだよ。
元気に暮らしてますか?

あの日初めて見た、4人のiluxionのライブに僕は心を奪われた。
それはもう体中に衝撃が走るほど、かっこよかった。
だから、道は分かれてしまったかもしれないけど、これからも4人の事がずっと好きだ。


ねえ、あやちゃん。
渋谷RINGで久しぶりに再会した時にさ「iluxionの事はこれからも応援する!」って俺言ったじゃん?
そうしたら、その直後に買ったオンチェキの裏面に「iluxionのことはこれからも応援するから!って言ってくれたの忘れない!」って書いてくれたよね?
その言葉本心だから、絶対忘れないでね。
もう一回声を大にして言うけど、iluxionのライブが大好きだよ!

じゃ、またいつかライブハウスで会おう!
その時は、バチバチにかっこいいiluxionのライブをまた見せてね!
俺はiluxionに、月嶋あやに、ずっとついてくよ!

いつかここで会おう!

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