マガジンのカバー画像

ひねくれ偏食家の、読書挑戦録

54
「流行っているものは読まない」と意地をはってきた、ひねくれ者(偏食もち)が、本を読み、世界を広げて行く過程の記録もろもろ。 他にも、読書や本に関するエッセイ・コラムを集めています
運営しているクリエイター

2021年7月の記事一覧

奥泉光『死神の棋譜』

こんなにも私は物語を求めていた。
自覚したのは、奥泉光の『死神の棋譜』の60ページを過ぎたあたりである。
本を手に取ったのは、『このミス』の最新版がきっかけだった。
美術書の出版に向け、画家とその作品についての原稿を書くことが、ここ2ヶ月の優先事項で、図書館では、700番台の美術書のコーナーをうろついては、一行でも使える箇所がないか、と本を漁っていた。
おかげで、何かの別のものを、と思った時、これ

もっとみる