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詩のようなもの📖

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詩的な文章集
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#エッセイ

うみ

うみ

海を見ていると、私がどこかへ消えてしまいそうになる瞬間がある。

呼吸することも忘れて、まるで生きていることを手放してしまうような、そんな瞬間に出会う。

青黒い海のうねりに吸い込まれるように。

私たちは海から生まれてきたのだから、故郷にかえりたいという想いがどこかにあるのかもしれない。

小さい頃の私は、海はどこか別の世界につながっているのだと信じていた。

私が海を通して見ていたのはどんな世

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世界

世界

目に見えない世界を私は信じている。

特定の宗教を信仰しているわけではないけれど、生き物の本能として「在る」と思う。

人間という一(いち)生命体が認識できる世界は、きっと、とてもとても小さなもの。

目に見えない世界とつながるとき、私の世界は少しだけ大きくなる。

そんな気がする。

澄んだ小川の流れのような、純粋でなめらかな世界に出会っていくかのように。

目に見えない世界とつながるときは、私

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