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【山梨県立文学館】イベント「ZINEフェスティバル2024」を見に行く

はじめに

 山梨県立文学館にて「ZINEフェスティバル2024~ZINEから広がる、つながる~」(2024.7.21)が開催されました。
 ZINEとは自由なテーマ、自由な表現で作った小冊子のこと。こちらのZINEフェスティバルでは、大学生、高校生、地元アーティストなど、山梨の人たちが自慢のZINEを持ち寄り出展しています。気になったZINEについて作者さんから直接お話も聞ける有意義な機会でした。
 トップ画像は、駿台甲府高校美術デザイン科の生徒が作ったZINEです。

イベントを知らせる当日の看板

ZINEフェスティバル2024

 こちらのZINEフェスティバルは2022年より開催されていて今年で3回目となります。
 1回目は、山梨県立文学館の特設展「文芸雑誌から ZINE へ」(2022.7.16~8.28)の関連イベントとして行われ、その後、毎年夏に行われているイベントです。
 特設展「文芸雑誌から ZINE へ」の模様は、こちらをご覧ください。

「ZINEフェスティバル2024」

 会場は山梨県立文学館の研修室です。公開の10時30分前に到着すると、エントランスに大勢の人が集まっています。 

文学館エントランスより会場へ

 時間になって会場されると一斉に人が入って思い思いに見て回っています。

客足が落ち着いてきた頃の会場の様子
閲覧用(壁側)や配布用が並ぶ
"ZINE"を知っていますか
ZINEの歴史
自由に表現するメディア
定番の作り方を紹介

閲覧用

 まず閲覧用にあるZINEを見て回ります。
 まずこちらのボードには「地域×音楽」が並びます。とくに「音読」シリーズがと並びます。

「音読」シリーズ
「地域×音楽」なZINE

 浜松未来総合専門学校があります。グラフィックデザイン科1年生の作品です。

浜松未来総合専門学校

 続いては「地域×自然」として土地の自然を感じる全国のZINEです。

「地域×自然」なZINE

 「大学生が作るフリーペーパー」のコーナーです。企画、撮影、編集と学生自ら作ったZINEたちです。

「大学生が作るフリーペーパー」

 こちらは「地域×伝統」として、各地の伝統工芸や祭りを紹介した全国のZINEが並びます。

「地域×伝統」なZINE

 こちらは、劇場、美術館、街の中など、身の回りにあふれている「地域×アート」なZINEを集めています。

「地域×アート」なZINE

 こちらは、多彩な「たべもの」のZINEを集めています。

「たべもの」なZINE

 さらに、テーブル上の閲覧用をずらっと。

家庭系
家庭系
日常系でしょうか
アート系でしょうか
街系でしょうか
こちらも街系でしょうか
アート系
食べものと重機系?
山梨県内高校の文芸誌
いろいろあります
分類できません
気になったのが「総天然色怪獣図鑑」カードつき

 中側のテーブルにも閲覧用が並びます。

中側のテーブルの概観
地域系でしょうか、縄文ZINEも
田舎暮らしっぽいです
気になった「妖怪読本」

配布用

 配布用が別テーブルにありますが、閲覧用と重複していますので、適当に撮影したカットです。

配布用
「おむすび」「kakeru」
「あいらし」
「山野人」

 さらに奥側のテーブルにも配布用がありますが割愛いたします。

駿台甲府高校美術デザイン科

 出展団体のブースを覗いてみました。駿台甲府高校は美術デザイン科の生徒さん30人の作品です。デザインを学んでいる生徒たちだけあってクオリティはたいへん高いです。
 1点ものでも持ち帰り可能とのことで、毎年のようにお目当ての方がオープンと同時に押し寄せるのだとか。また、生徒の家族などが多く来られているのもこちらのブースの特徴です。

さすが美術デザイン科、色彩が鮮やか
「宮崎駿の世界」
「日本幻獣辞典・第一巻」和綴じになっています
これもZINE?
家業の居酒屋メニューを新たにデザイン

白根高校

 駿台甲府高校の隣で肩身が狭そうに作品が置かれていたのは、県立白根高校です。関係者が居られなかったので画像のみ。2年生と3年生で美術を選択している生徒の作品。
 配布しているZINE「文字と絵」は、「絵の真中に文字が隠れている」というテーマの作品を21点をまとめたもの。

「文字と絵」

笛吹高校美術部

 続いて、2回目の出展となる県立笛吹高校美術部です。
 部員の自由なイラスト、漫画、詩のZINEを展示・配布してます。

 個人的には「新選組~日野などの聖地の説明~」が新選組のファンを唸らせるアイテムです。女子生徒が手書き文字で作っていますが、日野、会津、勝沼を巡っていて、作者の推しが、井上源三郎というのも渋い。筆者もつい作者と話が弾んでしまいました。いや恐れ入りました。来年は函館編に期待しています。

笛吹高校美術部のZINE

韮崎高校文芸同好会

 続いて、初参加の県立韮崎高校です。
 男子生徒に話を伺うと、部でなく同好会として7名で活動しているとのこと。機関誌「テロメア」とは細胞のひとつで、つなぐ、つむぐという意味を込めて数期前の先輩の命名で受け継がれているといいます。
 ほかに「リレー小説」もやっていて順番が後になるほど話をまとめなければならず大変だと語ってくれました。
 「テロメア」を頂いて帰りました。「巻頭言」から「後記」までしっかり作り込まれています。伝統校の「文芸部」らしさを感じました。

「テロメア」などを紹介
「テロメア」と「リレー小説」
モノクロコピーが配布用

都留文科大学

 続いて、都留文科大学です。
 話は伺えませんでしたが、文学部国文学科のゼミを中心に製作、配布されています。さすがクオリティが高いです。

さすが国文学科のZINE

山梨県立大学

 大学が続きます。山梨県立大学はゼミで出展されているようです。「こんな夢を見た」シリーズ、「山梨×空」、「時と空」、「甘草フィールドワーク」など、町を歩いたり、身近な題材からのテーマが多い印象です。

山梨県立大学のZINE

 この中で異彩を放つのが「歌詞から見るクイーンの世界」です。

デザインも引きつける要素

つまみ細工工作家、工作作家、けしごむハンコ作家

 続いて、山梨で活動する作家さんたちになります。

ZINE+実物作品というパターン

 つまみ細工作家飯島薫氏の作品つきのZINEです。

つまみ細工つきのZINE

 工作作家の俊之介氏(8才)、すごい出来栄えです。ZINEの内容はこれまでに作った戦車間作品集です。どんな子が作ったのか会いたかったです。

ZINEにするのも、戦車を作るのもすごい

 隣は、けしごむハンコ作家のアオヤギルミ氏です。かわいらしいイラストとハンコです。

アオヤギルミ氏のブース

 ZINEは南アルプス市立若草小学校4年生たちに教えに行ったときの子どもたちの力作集です。

若草小学校4年生たちの力作

おわりに

 滞在時間の関係から丹念に見ていくことができませんでしたが、たくさんのZINEに出会いました。
 時間があっても全部を見ていくことは不可能なので、バックナンバー的な展示よりも、出展ブースや新作と思われるZINEに注力すればよいかもしれません。


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