ぼっちデビュー

とある日、どうしても見たい映画があったので友達と約束していたが数時間前にドタキャンされた。

どうしても見たい映画だったし、せっかく母に子供たちをお願いし夜の外出できる数少ない機会だったので日を改めようという考えには及ばずそのままぼっち映画デビューすることを決心。

以前までなら映画、食事などありとあらゆることが一人で行うことが億劫でこんな状況だったら諦めていたが、一人で夜車を走らせレイトショーに向かった。

夜あまり出歩かない私は内心ドキドキしていた。車を止め映画館まで脇目も振らず速足で何かに追われているのか?と思うような気迫がでていたのかもしれないぐらい。

映画が始まり映画の世界に没頭。一人で来たことなど忘れていた。あっという間にエンドロール。

あれっ??意外と楽しい。待ち合わせの面倒くささもなく見たい映画をサクッと見れちゃった。

充足感を感じた私は調子に乗ってしまい3ヶ月後の好きなアーティストのライブのチケットを購入。

自分の好きなアーティストを周りが共感することを聞いたことがなかったけど、行きたいなと常々思っていたので映画のような気軽な気持ちでポチっとしたのだ。

ライブ当日は大雨でなぜチケット購入してしまったのだろうと一人で映画を観に行って楽しんだことも忘れて後悔していたが行ってしまえば一人で誰よりも楽しんでいた気がする。

それに意外と自分が知らなかっただけで一人で来ている人もいるのだということを知った。

久しぶりの満足感が体中に広がった。好きかどうかわからない友達を必死で誘い誘ったら楽しんでもらいたいとライブよりも友達を気にしてしまった途端に窮屈になってた気がする。誰にも気を遣わず思いっきり自分らしく過ごせた。

帰りのバスの中で雨を見ながら友達にドタキャンされなければここまで行動することも出来なかったなぁ…とぼんやり思った。

一人でもやりたいと思ったことを行動にうつすことも大切なんだとライブの余韻に浸りながらいつもよりバスの揺れが心地良く感じた帰り道となった。


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