見出し画像

【毎日エッセイ188】恋人と行った上野動物園

時々、感傷的に昔のことを思い出す。

キミと付き合っていた頃のこと。
キミと付き合っていた四年間は楽しいことばかりだった。

一緒に色々なところへ行った。二人で色々なことをした。キミはインドア派で私はアウトドア派だから、キミに合わせて家でゆっくりする日もあったし、私に合わせて二人で遠出をする人もあった。

不思議なことにインドア派のキミは社交的で、アウトドア派の私は内向的。色々と噛み合わない私たちだったけど、二人でいるとお互いの足りない部分を補い合うことができてちょうど良かった。

何より私はキミと一緒にいられたらそれで幸せだった。キミと恋人同士だった四年間は幸せだった。

私の誕生日にキミはカメラを買ってくれて、キミは父親から一眼レフを借りるから、それで一緒にカメラを始めようと言ったっけ。

上野動物園でキミが撮ったいくつかの写真が、まだパソコンの中に残っている。

キミと私が恋人同士だった四年間、結局写真を撮るためにデートをしたのは一度きり。キミはすぐにカメラに飽きてしまって、写真を撮るのは私だけになった。

私は今でも写真を撮るのが好きで、色々な場所にカメラを持って出掛けたり、撮った写真を見返したり、時々感傷的に昔のことを思い出す。

キミが上野動物園で撮った鳥の写真を、今日は見返していた。

あの四年間のことは今でも忘れない。

趣味も、やりたいことも、好きな場所も、キミと私はまるで正反対だった。

それでも四年間、一緒にいられたのは不思議だった。

何より不思議なのは、まるで正反対だった私たちが四年の交際後に結婚して今でも一緒にいることだけど。

画像1


また新しい山に登ります。