【2022年を振り返ってみても、良かったことは山ばかりでした(山エッセイ)】
年末ですね。毎年、名目だけの仕事納めが終わったあと大晦日まで仕事をするのであまり年末感が無いのですが。
手帳に日々のことを書き記しています。それを一年に一度読み返すのがここ数年の年末ルーティーンなのですが、今年の手帳を読み返してみるとロクな目に遭っていません。
足を怪我する、背中を怪我する、尾てい骨にヒビが入りました。折り畳み自転車が壊れスマートウォッチが壊れ、カメラとパソコンも壊れました。一年ぶりにプレステ4で遊ぼうと思ったらそれも壊れていました。挙げていけばきりが無いのですが身体を壊したとかモノが壊れたとか、そんな記録ばかり残っています。
文芸サークルの方は、今年は3回イベントに参加しました。サークル「ペンシルビバップ」の宣伝をnoteで始めましたが効果はいまひとつ。2月のコミティアでは頒布部数0冊という新記録を樹立。5月の文学フリマで知人が買いに来てくれたのが救いでした。今年最後の11月の文学フリマでは、イベント自体の参加者は過去最高だったらしいですがあまり手には取られずに終わります。
仕事のほうも新しい資格を取ったり転職を考えたのですが断念。ボーナスは会社の業績が悪化したので大幅に削られたりと公私に渡ってうまくいかないものです。
が、山は別です。
2022年を振り返った時によかったこと、うまくいったことは山登りくらいでした。一年を気持ち良く終わりたいので、今年登った山を十座ほど振り返ってみたいと思います。
【①ヤビツ峠から塔ノ岳まで縦走。-6℃の寒さに死にかける】
ヤビツ峠の標高は761メートル。高尾山よりも200メートルも高い峠は十分に山の気候で、その日の気温は-6℃。どんよりとした曇り空からはちらほら雪が舞い風も吹いています。体感の気温で言えば-10℃は下回っていたと思います。手袋をした指先は感覚がなく、登山靴の下のつま先でさえ痺れていました。
歩き続けているうちに体は暖まりますが、汗が凍って帽子のツバで氷柱ができるほどの寒さです。立ち止まっていたら凍死するぞと言い聞かせて少しも休まずに歩き通しました。無事に下山できたので良しとします。
【②地元の山、仏果山と高取山から見た絶景】
仏果山は747メートル、高取山は705メートル。どちらも登山口から一時間もあれば山頂へ登れます。山頂には展望台が設置されていて、展望台に登れば宮ケ瀬湖の美しい姿を一望できます。
標高が三倍ある山だって、こんなに美しい景色が見られるとは限りません。山の評価は高さでは決められず、結局のところ歩いてみなければわからないのです。ただし両山ともヤマビルの猛攻を受けるので冬以外に登ろうなんて考えちゃ駄目です。
【③里山の絶景、弘法山から見た富士山】
秦野市にある弘法山は標高235メートルで、車で行けば10分で登山が完了するような山です。しかし、ここから眺める富士山は神奈川の景勝50選にも選ばれているほどです。
この日は大山まで縦走するつもりで早朝から弘法山公園に登りました。秦野市街の向こう側にでかでかと富士山がたたずむ姿は圧巻です。
【④津久井湖城山の桜】
桜を見に行きたい。山にも登りたい。そんな欲求を両方ともかなえてくれたのが、相模原市にある津久井城山です。一時間もかからずに山頂に登れて、手軽に景色と桜が楽しめます。
【⑤地獄の沼津アルプス】
今までで一番きつい登山でした。
沼津アルプスは標高200メートル足らずの低い山を縦走して歩くのですが、ひたすら急坂を上り下りします。しかも里山なので気温は平地とほとんど変わらず、熱中症警戒アラートが出ていたのでおそらく35℃程度の気温の中を延々と昇降運動を繰り返します。
滝のような汗などと表現しますがまさしく滝のように汗が流れ続けて、速乾性の高い登山用のウェアですら吸収しきれず、絞れるほどでした。熱中症なのか脱水症状なのか、帰りには体調を崩しました。夏に行こうとは二度と思いませんが、楽しい思い出ではあります。
【⑥霧の高水三山】
奥多摩の、高水三山(高水山、岩茸石山-イワタケイシヤマ-、惣岳山の3つの山の総称)あたりでは何度も熊が目撃されています。この日も登山の直前に調べたら、標識の近くで熊の爪研ぎの跡が見つかったとか、あまり嬉しくない情報がたくさんありました。
熊は基本的に人を恐れるので鈴を鳴らしていれば近寄って来ません。ただ視界の悪い中ばったりと出くわしてしまった時には身を守るために戦いを挑んでくるのだとか。つまり熊の目撃が多い山域で霧の中なんてのは、熊事故のリスクが非常に高いというわけです。何事もなくて良かった。
【⑦曇りの乾徳山】
山梨にある山です。ここは景色もキレイですが、特徴的なのは山頂目前であらわれる鎖場です。垂直に近い20メートルの大岩を、設置された鎖を頼りに登っていきます。
2023年は槍ヶ岳に挑戦したいという野心があったので、鎖場の練習も兼ねて登りに行きました。事故もなく怖い思いもせず楽しい登山でしたが、基本はソロ登山なのでこういうところで油断して大怪我したら冗談じゃ済まないな、と感じました。
【⑧絶景の塔ノ岳】
塔ノ岳の属する丹沢山塊は相模湾からの海風を受けるせいか曇り空のことが多く、真冬でもない限り快晴というのはあまりなかったのですが、この日は天気に恵まれました。記憶にある限り過去一番の快晴です。
もう何十回と登っているのですが、何度登っても飽きない山道、見飽きない景色という魅力が塔ノ岳にはあります。
【⑨日帰りで表尾根縦走に挑戦】
健脚に憧れて、神奈川県の最高峰・蛭ヶ岳を目指して11時間歩きました。
蛭ヶ岳~丹沢山~塔ノ岳の縦走という一泊二日が一般的なコースを日帰りで歩き通すことで、自分にそれだけ体力が付いたのだと自信になりましたが、後日同じコースを歩いた時には全然スピードが出ず、歩いている途中に頭痛までして下山する頃にはすっかりグロッキーに。調子の乗ってはいけませんね。景色は最高にキレイでした。
【⑩ずっと目標にしていた富士山】
今年、最も楽しかった出来事のひとつです。
ろくなことのない一年でしたが、この富士山行きだけは文句なしに最高の思い出です。
山登りを趣味にする前から、一生に一度くらいは登ってみたいと考えていましたし、2020年はコロナ、2021年は天気に恵まれずに挑戦できていなかった山なので。
登り始めた直後は曇り空で景色も何も見えませんでしたが、山小屋で休む頃にはすっかり晴れて雲海の上の景色が。翌朝もご来光の様子がはっきりと見えました。
山頂は曇りがちではありましたが、高山病にもならず体調は万全で、日本一の高さを堪能できました。
2022年も色々なことがありましたが、何とか無事に終わりそうです。来年も山にばかり登ると思っています。
2023年の目標は槍ヶ岳に登ること。あとは文芸サークルも、もう少し多くの方に手に取って読んでもらえるように努力したいと思います。
思い出したかのように宣伝しますが、文芸サークル「ペンシルビバップ」の小説・詩・短歌・エッセイの入った作品集「石」をBOOTHというサイトで通販しています。ダウンロード版もあります。ぜひ年末年始のお供にお楽しみください。
▼BOOTH:ペンシルビバップのページ
ペンシルビバップ「石」 - ペンシルビバップ - BOOTH
今年、noteを読んでくれた皆様、本当にありがとうございました。
来年も地道に更新していきますので、よろしくお願いいたします。