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実はキツネじゃない。お稲荷さんの本当の姿とは!? 


実はキツネじゃない。お稲荷さんの本当の姿とは!?

 全国には神社が約8万社もあるといわれていますが、その中で稲荷神社は約2万社もしめており、神社の4分の1が稲荷神社なんですね。

 ちなみにコンビニ最大手であるセブンイレブンは、令和3年の時点で約2万店舗です。

 つまり、稲荷神社とセブンイレブンの数はほぼ同じで、お稲荷さんは日本人に深く根付いている神社と言えます。

 ところが、私たち日本人は、お稲荷さんのことをよく知りません。

 なぜなら「お稲荷さん=キツネの神様」と思われていますが、実は違います。

 この記事ではお稲荷さんの本当の姿について、お話していきます。

 なのでこの記事を読んでくれたら、お稲荷さんがどんな神様がわかるようになると思います。

 そして、神社へのご参拝が、より楽しくなるので、ぜひ最後まで読んでください


お稲荷さんって、どんな神様なの?

 お稲荷さんというはニックネームみたいなもので、本名は宇迦之御魂神《うかのみたまのかみ》と言いう女神様です。

 しかも、日本の最高神である天照大御神《あまてらすおおみかみ》弟で、ヤマタノオロチを倒した事で有名な須佐之男神《すさのおのかみ》の娘です。

 つまり、宇迦之御魂神は天照大御神の姪にあたる神様なので、かなり格式が高い神様といえます。

 宇迦之御魂神のご利益と言えば商売繁盛ですので、会社やお店を営んでいる経営者に人気がある神様といえます。

 しかし、稲荷神の別名は保食神《うけもちのかみ》と言って、文字とおり食べ物の神様です。

 また、稲荷という名前には『稲』という字が入っているので、稲の豊作を守る農業の神様でもあります。

 米を主食とする日本人にとって、とてもありがたい神様といえますねが、時代の変化とともに、ご利益が商売繁盛に変わっていきました。

キツネとの関係は?

 お稲荷さんである宇迦之御魂神とキツネは、深い関係があります。

 関係がりすぎて「稲荷さん=キツネの神様」と勘違いされるくらいですね。

 なんで、お稲荷さんとキツネが結びつくようになったのでしょうか?


 それは、キツネは田畑を荒らすネズミを食べてくれるからだと、言われています。

 こうしてキツネは田んぼの番人とされて、稲の豊作を守るお稲荷さんの使者と言われるようになりました。

 お稲荷さん、宇迦之御魂神、キツネの関係を

 現代社会で例えるなら、お稲荷さんは社名、宇迦之御魂神は社長、キツネは社員、と言えるかもしれません。

なぜ油揚げなの?

 お稲荷さんに奉納する物と言えば油揚げです。ではなぜ油揚げなのでしょうか? 

 キツネの好物だから? 

 それとも色が似ているから? 

 いいえ、実はどちらも違います。

 先ほども行ったように、キツネは田畑を荒らすネズミや食てくれるので、お稲荷での使いとなりました。

 そこで人々は最初、油で揚げたネズミを奉納しいたのです(ちょっと気持ち悪いですね)

 しかし仏教の殺生はよくない、という考えが広まっていくと、なんとなくネズミに似ているという理由で、代わりに油揚げを奉納するようになりました。

 つまり油揚げはネズミの代用品という事だったのですね。

もう1人のお稲荷さん

 ここまで読んでくれた人は、お稲荷さんがどんな神様か、わかってくれたかと思いますが、実はお稲荷さんと呼ばれる神様は、宇迦之御魂神の他にもいます。

 その神様は茶枳尼天《だきにてん》と言って、元々インドで信仰されていた神様です。


 茶枳尼天は元々ダーキニーと言う女神で、仏教とともに日本に伝わり、茶枳尼天と呼ばれるようになりました。

 でも、なんでインドの女神である茶枳尼天が、お稲荷さんとして祭られるようになったのでしょうか。

 それは、茶枳尼天がジャッカルにまたがった姿で描かれていたからです。

 昔の日本人は、ジャッカルを知らないので、キツネと勘違いして……

「キツネにまたがってる女神から、お稲荷さんじゃない?」

 このように思いました。

 こうして、昔の日本人はインドからやってきた茶枳尼天を、お稲荷さんとして祭るようになったのです。

茶枳尼天が祭られているところで有名なのは、愛知県豊川市の豊川稲荷です。

 稲荷という名前がついているので、神社かな? と思ったら、実は妙巌寺(みょうごんじ)という千手観音を祭るお寺です。

 元々、妙巌寺ではお寺の守護神として、お稲荷さんと呼ばれていた茶枳尼天を祭っていました。

 ところが、日本ではお稲荷さんの方が有名だったのか、メインの千手観音よりも茶枳尼天の方が前に出てきてしまい、今では豊川稲荷として人々に親しまれています。

愛知県豊川市にある妙巌寺《みょうごんじ》(豊川稲荷)は、お寺なのに鳥居が残っている珍しい寺院です。ちなみに、豊川稲荷がいなり寿司発祥の地でもあります。


 豊川稲荷だけじゃなく境内の守護神として、茶枳尼天を祭っている仏教寺院は、少なからず存在しています。

 このように、お寺の中にある神社を鎮護社といって、仏教と神道がごちゃまぜになっていた、明治以前はよくみられたそうです。

 ところが、明治政府ができると、神仏分離令という政策を出して、法律で神道と仏教をキッチリと分けたので、鎮護社は少なくなりました。

 ちなみに、豊川稲荷はお寺なのに鳥居が存在していて、神仏分離令が出る前の日本の信仰の姿を残している、珍しいお寺でもあります。


 今回はこんな感じですが、皆様の神社参拝や御朱印集めが、より楽しくなるような記事を書いていくので、興味がある方はぜひフォローお願いします。

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