小豆書房-福井県池田町の小さな本屋-

小さなカフェのある本屋です 13:00-19:00(日曜は10:00-18:00)木金…

小豆書房-福井県池田町の小さな本屋-

小さなカフェのある本屋です 13:00-19:00(日曜は10:00-18:00)木金定休 約1年半の出張営業→実店舗化

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雨の日も雪の日も、せこせこと店を開けて10か月が経った

雨の日も雪の日も、せこせこと店を開けて10か月が経った。 お客さまの途絶えない一日もあれば、静かに過ぎる時間もある。 そもそもが人の気配の少ない過疎の町だ。お客さまのいない時間は、ふっ…と別世界に迷い込んだか、と錯覚しそうになる。 そんな時にふらりとやって来てくださるお客さまは、遠く窓の外に目をやり、時がとまったみたい、とつぶやく。 ここには想像力や思考力を回復させる力がある、と思う。 たったひとりで会社を作ってから1年未満で迎えた最初の決算では、ぎりぎり黒字を達成する

    • 何かを目指さなくてもいいのかもしれない

      時々足を運ぶ小さな珈琲店。 初めて伺った時、ミルクを使わなかったからか、2回目には「ミルク無しでしたよね」と聞かれ、その次からはやりとりすることなくミルク無しになった。 いつも同じ注文なので、こちらが注文する前に「○○でいいですか?」と聞いてくださる。 その他の会話は一切ない。 どこから来たのか、普段は何をしているのか、結婚しているとかいないとか、子どもがいるとかいないとか。 いいお天気ですね、という当たり障りのない会話すら、しない。 それが私にはとても気楽で、つい足を運

      • 何を置くか、より、何を置かないか

        「本がお好きなんですか?」 「ここの本は全部読まれたのですか?」 と並んで、よくある質問。 「店の本はどうやって選んでいるのですか」 私は、書店員や司書や本に関係するあらゆる職業をひとつも経験することなく、いきなり本屋を始めた。一から十までとは言わないですが、一から八、九くらいまで、自己流です。 同じようなお店は周りになかったし、なかったから作ろうと思ったわけだし… 小豆書房は古本からスタートし、開店から2年経った現在は、古本と新刊の両方を扱っている(新刊は絞って入れてい

        • あらゆる楽器の中で、ピアノが最も完璧に近い楽器だと思っていた

          あらゆる楽器の中で、ピアノが最も完璧に近い楽器だ、と思っていた。 完璧っていうのがまずもってよく分からないけど、まぁ、単音しか出せない楽器と比べると、ピアノは和音を、しかも両手で、広い音域で出せるぞ、という感じ。 たしかにピアノは素晴らしい楽器だ。 でも、出来ないことも色々ある。最近になって気付いた。例えば、持続性のあるビブラートができない(数回ならできるらしい)。途中から音の大きさを変えることができない。 ドとド♯の間や、ド♯とレの間の音は、出せない。 ドからド♯へ繋

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        • ピアノ日記
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          5本

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          「疲れない店」についてのあれこれ

          先日この投稿の中で、疲れる店にはしたくない、と書いた。 これの補足。 私は、疲れることは必ずしも悪いことだとは思わない。 疲れるということは、心が動かされるということだ。それだけ、刺激があるということだ。 小説でも、絵本でも、映画や舞台でも、ものすごく心が揺さぶられる作品に出会うことがある。 人の心を動かすって、すごい。色々と持っていかれる。 ずっとこの余韻から抜け出せないかもしれない。自分がここにはいないような、心もとない気分。 現実から創作の世界に逃げ込むときとは

          「疲れない店」についてのあれこれ

          2年が経って

          オープンからのこの2年はとにかく、もっとこうした方がいいな、が、常にあって、ずっと改善とチューニングを繰り返してきた。たぶんこれからもそう。 ひとつひとつ書き残しておけば良かったな、とも思うけど、その最中はそんな余裕もなく。喉元を過ぎればもう詳細には思い出せないことも多く、ちょっともったいない。 そんな反省のもと、今このnoteを書いている。 この2年を振り返って一番に思うのは、やはり、たくさんのお客さまに支えていただいてやってこられたということ。 そっと扉を開けてくださ