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「疲れない店」についてのあれこれ

先日この投稿の中で、疲れる店にはしたくない、と書いた。

これの補足。
私は、疲れることは必ずしも悪いことだとは思わない。
疲れるということは、心が動かされるということだ。それだけ、刺激があるということだ。

小説でも、絵本でも、映画や舞台でも、ものすごく心が揺さぶられる作品に出会うことがある。
人の心を動かすって、すごい。色々と持っていかれる。

ずっとこの余韻から抜け出せないかもしれない。自分がここにはいないような、心もとない気分。

現実から創作の世界に逃げ込むときとは逆に、そういうときは、創作の世界から現実に戻ってくる、足場が欲しい。
ひとりでいたくない、でも、誰かに会うには少し時間が欲しい。そういう感じ。

日常生活も、振り返るとほとんどの時間は「何か」に気持ちが支配されているのではないだろうか。
「何か」は人によって全然違うと思うけど、
そういう「何か」と「何か」の間の足場というか、クッションというか、小豆書房はそういう場所でありたいなと思う。

「これ、どっちの(どの)棚に並べようかな」と悩む、分野を横断するような本も、気付けばよく仕入れている。
何かと何かの「間」はどこまでも無限で、どこにでも行ける。

つい、頭で考えることに一生懸命になって身体が置いてきぼりになることがあるけど、どんな環境に身を置くかは、意外と重要だ。

お休みの日、何もない日、仕事終わりのひと時、ひどく疲れた日、いいことがあった日。
ひと息おちついて、ぽっかりと空いた空白の中で、ふっと出会って連れて帰る本は、特別な一冊になってくれるんじゃないか。
ご友人やご家族と来てくださる方も、本を選ぶときには、ひとりひとりの時間になる。それってすごいことだと思う。
その時間を、わたしは大事にしたい。


…次はもう少し具体的な話を書きたいな。

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