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雨の日も雪の日も、せこせこと店を開けて10か月が経った

雨の日も雪の日も、せこせこと店を開けて10か月が経った。

お客さまの途絶えない一日もあれば、静かに過ぎる時間もある。

そもそもが人の気配の少ない過疎の町だ。お客さまのいない時間は、ふっ…と別世界に迷い込んだか、と錯覚しそうになる。
そんな時にふらりとやって来てくださるお客さまは、遠く窓の外に目をやり、時がとまったみたい、とつぶやく。
ここには想像力や思考力を回復させる力がある、と思う。

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たったひとりで会社を作ってから1年未満で迎えた最初の決算では、ぎりぎり黒字を達成することができた。徹底的に低リスク経営でやっている。
起業支援やコロナ対策の補助金によるところも大きい。

(ちなみに、リスクを取ること=チャレンジだとは思うけど、低リスク=チャレンジしてない、は違うと思っている。ついでに、社会的インパクトや社会での存在意義も、リスクや規模の大小とは別の問題だと思う。
とは言え、2年目はもう少し色々やってみたい。)

とにかく、自分がお客としても行きたいと思える空間を作る。
よほどの事情がない限り、急な臨時休業はしない(代わりに四半期ごとに春夏秋冬休みを設定)
商売のことはよく分からないので、心掛けはこの2つのみ。

この2つは、目標(ゴール)ではなく日々の心掛けであり、何かを目指して走るというよりは、有機的に変化しながらこつこつと営む店でありたい。

山に囲まれたこの小さな町で、何屋さんかも分かりづらいこんな小さな店(古本とお菓子とごはんの店です)を利用してくださる地元の皆さまに、一番の感謝。
そして、わざわざ目的地にして訪ねてきてくださる町外からのお客さまに、それから、やりたいことをやらせてもらえる環境に、本当に本当に感謝です。
たくさんの方に応援してもらい、足を運んでいただいた。
この店がきっかけでこの町に何度も訪れてくださるようになった方や、この町に初めて来ましたという方も少なくない。

「今やっとひとりの時間ができたから」
「仕事を休んで来ちゃいました」
「今日は夜勤明けで」
「もうすぐ福井を離れるのでその前にもう一度来たくて」
そんなお客さまおひとりおひとりが、今日も穏やかな顔で過ごせていますようにと、定休日にもふと思いを寄せる。

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何かをガツンと光らせられなくても、ほんのりと光を灯す存在でありたい。
声にならない声が、この小さな町にも、広い世界中にも、無数にあるということを、知っている人でいたい。

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