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高齢者とエアコンバトル 晩夏編

同居している93歳の義母がエアコンを直ぐに消して困るという記事を夏の初めに書いた。そして、この夏中バトルを繰り返しながらもなんとなく夏が半分以上過ぎた。今の所、幸いにも熱中症で倒れるといった事はないが、やはりかなり体にダメージをくらっている気がする。体というか、脳にきている。明らかに認知症が進んでいる気がする。水分不足もある。

高齢者は喉の渇きを感じにくいし、暑さも感じにくい。たくさん水分を摂って、涼しい部屋で過ごさなくてはいけないらしい。介護施設などではその様に徹底していると思う。在宅の高齢者の場合は同居の家族が気をつけてあげなくてはいけないが、それも限界がある。なぜか電気代を気にして直ぐに切ってしまうが、説明してもダメ、リモコンを隠すとパニックになるし、毎回大騒ぎになって逆に血圧が上がりそう。一人暮らしや老夫婦の在宅高齢者も室内熱中症の危険が高い。
実際、遠方に住む父一人暮らしと電話中に室温を聞いてみると、「31度って書いてあるけど、風があれば涼しい。」と言い張る。風があっても熱風じゃん!
直ぐにエアコン付けてもらったけど、絶対に電話の後、切っていると思う。

エアコンを遠距離から遠隔操作をしたりも出来るらしいが、窓を開け放たれたらそれも終わり。
うちのばーさんも、実家のじーさんも、コントロール不能。
周りが気をつけてあげるといっても、限界がある。

実際、若いものに、エアコンつけろと言われるのはかなり鬱陶しいらしい。義母は、自分で好きな様にやるからほっといてと怒りだす。
かといって、放っておくと30度超えてもエアコン着けないし、何度も押しているうちに訳分からなくなって暖房が着いていたこともあるし、なぜかタイマーが入ってしまい冷房は効いていなかったと言うこともよくある。

だから、見守りが必要になるのだけど、これがまた、見守る側にとっては非常にストレスフル。家庭では限界がある。介護施設なら、快適温度で過ごせるとは思う。でも、まだもう少し家で過ごせそうなのに、私達もまだもう少し頑張れる気でいるのに、そんな事が理由で施設入居を決めるのも違う気がする。

おばあちゃんが熱中症で死んだら困るので、必死に何度もチェックに行き、その度に揉めていたのだが、言う事聞いてくれないので、こっちもキーっ!となっていた。
でも、夫が言った。
「もう、知らん。死んだら死んだで、しょうがないわ。」

「ん?まぁ、確かに。しかも、全然、死にそうになってないし。」

なので、まあまあ放っておく事にした。

朝起きて朝ごはんの時に生きてればよし、昼ごはんの時に生きてればよし、晩御飯の時に生きてればよし。お茶は時々湯呑みに入れておき、無理には飲ませない。
お地蔵様方式。
多分、推奨される水分摂取量には足りてない。
介護施設なら、もっと無理矢理飲ませるのかもしれない。

でも、こっちが見守らなきゃ、コントロールしなきゃと思い過ぎないようにした。こっちの身が持たないので。

見守りにも色々ある。
暖かく見守るのでもない。
生温かく見守るのでもない。
もっと冷めた見守り。
見守りというか、何だろう。
灼熱の夏が老人の命を削って行くのを、冷徹に見ているだけ。
最小限の見守りで、後は本人の生命力任せ。
そもそも、なんでこんなに長生きしちゃったんだろうとメソメソしている義母。
至れり尽くせりで、更に長生きさせるのがいいのかどうかも分からない。
シュールな毎日である。

非常に感じ悪い言い方をすると、死ぬのを待っている訳ではないんだけど、死ぬまで、まだ生きているのを付き合っているというか。いや、言い方変えたけど、同じ事なのか。
でも、結局のところ、人間は誰だって、死ぬまでの間生きている訳で、それは年寄りも若い人も変わらない。

なんか暑さのせいか考えが全くまとまりません。
やはり暑さと寒さは年寄りには、相当応える様子。
そんなに若くない私自身もこの夏にダメージを喰らっているはず。
皆様、なるべく涼しくてご自愛ください。

追記
この記事書いた後、心配になって、おばあちゃんの様子見に行ったら、宅配弁当平らげてなんでも鑑定団を字幕付きで観てた〜!
心配無用で、なんか笑った〜。