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随想好日第三十九話『色は匂えど 散りぬるを……』

ここでの紹介先へお運び頂けている皆様には心より厚く御礼申し上げます。
わたしが紹介させて頂いているクリエーターさんたちも、皆さん同様に素敵な人達ばかりです。どうか、丁寧に可愛がってさし上げてくださいますよう。世一  拝

有難いことです。紹介させて頂いたクリエーターのお二人をはじめ、ステキな方たちからのコメントで賑やかになってきました。新たな繋がりも生まれているご様子。冥利に尽きるとはこのことでしょう。
てかね、感謝するのはわたしの方。二カ月半でここまで書かせて頂けるようになったのは、ここの皆さんのお蔭だからね。純粋に。折に触れ、素晴らしい人たちを紹介できるのは無上の喜び。そういう処でしょnote。 世一

以下初稿

色は匂えど 散りぬるを わが世誰ぞ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて 浅き夢見じ 酔いもせず

 さて、お二人ともにここnoteの中におかれても確かな活躍をしておられる御仁達。支持層も厚い。ここにお運び頂ける皆さんの中にもわたしよりも遥か以前から注目しておられるクリエーターさんもいらっしゃるだろう。
 わたしにするのなら、やっとご紹介させて頂けるタイミングに至ったと些か顔を赤らめ興奮しつつキーボードを打っている次第。お付き合い頂ければ有りがたい。ご存知のようにお二人とも『色彩』のプロであられる。

 個人の詳細はお運び頂ける読者ご自身の目で確かめて頂けるのが確かであり、門外漢が云々することはここでは控えることとしたい。小説などを書かれるクリエーターを紹介する場合は、さほどその紹介の内容に青くなったり顔色を無くしたりすることは無いのだが、実業とかかわりの深い御仁を紹介する場合はそうはいかぬのである。生半可な聞き覚えを書かれることは迷惑にも通じる。重ねて申し上げるが、ご自身の目で理解を深めて欲しい。

冒頭の『いろはうた』については説明の必要はないだろう。
中でも「いろはにほへと」は、色は匂えど~として生きすがらの内に身についておられると思う。
どうやら"色は匂ふ"のである。
なんと美しいのだろうか。色・彩・艶…… 最後の「いろ」など匂い立つようでありなんとも好きな"いろ"である。
 その昔「春色は……」から始まる歌があったと記憶するのだが、はてその続きが思い出せない。桜色だったか?
こういうものにも匂いがつきまとう。

それともう一つ伝統色・和色には音色が付き従うのである。文学・文藝にその触手を伸ばすものにとっては五感を揺さぶる言葉を探す道こそが旅路。
色、寒暖、匂い、味わい、音色…… わたしは色にも音色があることを体感した。


 丁度今わたしが書いている新作に、小説『薫風』という作品がある。
 俳句や短歌をはじめとする歌の世界では、初夏、夏の季語として使われるようだが、わたしが書く小説の中では春先をして使わせてもらっている。
 さて、その中。どうしても"色の表現"が必要になり、随分と悩んでいた。具体的に申し上げると、"茶畑"を顕すための色の表現である。
 昨日、シンクロ二シティーが起こる。有難いことに、求めるとそれにピッタリと嵌るものが与えられる。寸分の狂いもなく、わたしの持つ美的感性に見事なまで合致をみる言葉が降りてきた。
 それはさながら神の言葉にすら思えるのだ。

 八彩氏が作中においてオマケで書かれた「常盤色」がそれ。なんと美しくも含蓄ある色合いだろうか。茶畑で新芽が出始めたときの色は正に「常盤色」に例えて相応しい。
 遅霜や、遅雪の被害が齎される春の走り。八十八夜を迎えるまで、五十日を切る頃合い。茶畑に新たな命が芽吹く。力強く、永遠不滅、永久不変なる命の紡ぎ。

その後、後押しをするように降りてきたのが若林氏の作品。「おはなし色を作ってみよう」という作品である。
詳しくは書かぬ。興味がある御仁はご自身で読んでみて欲しい。

お二人から頂戴したヒントをもち、お陰様で我が作品のイントロ部分の雰囲気の方向性はキリッと決まった。

画を触媒とした小説を書こうとするわたしなどにおいては、色は重要なファクトの一つとなる。雰囲気や方向性は画の持つ色彩が重要な因子だ。

その昔、そう……絵画史におけるゴチック期以降、聖母マリアが描かれる際には「青」が重用された。ダ・ヴィンチの岩窟の聖母、エルグレコの無原罪懐胎(御宿り)。聖母マリアが描かれる時には青が多用されて来た。
 ところが、紀元前においての青は違った意味を持っていた。
青は蛮族を顕す色として忌み嫌われていたのである。

いまを遡ること五年以上前。わたしは「青」の勉強をしようと考え、本を探した。Amazonでみつけた関連書籍の高額さには随分驚かされたものである。手が出なかった。いやいや、この本に、こんなにかけてはいられない。これにこんなにかけるのであれば、アビ・ブァールブルク学派関連書籍数冊買いたいと。専門書籍の高額さには随分と肝を冷やすのである。

さて、色の勉強をしたい。
彩の表現を学びたい。参考がほしい……そう考えるクリエーターの皆さん。
ここに紹介したお二人の言葉を参考としていただくのはもちろんのこと、気軽に探すことのできるものをみつけたので紹介して締めくくりに寄せたい。

美しい日本の言葉で彩られた色の数々。
小説や詩、短歌、俳句をはじめ創作シーンを色鮮やかに彩る一助となるのではないだろうか。知っておられる御仁はスルーしてチョウダイ。

ここでご紹介させて頂いたお二人には心より厚く御礼申し上げます。
有り難うございます。残念ながら、春のコンペ用の作品の為、ここで発表は出来ませんが、いつの日か常盤色やおはなし色に彩られた作品が読んで頂けることを願いながら精進したいと存じます。

世一


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