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双極性障害の彼女とバセドウ病の僕 Vol.5 ~希死念慮とケンカと理解
こんばんは、おこです。
Vol.5では彼女の持つ希死念慮が初めて登場します。初めての経験で僕も戸惑い感情的になってしまいケンカも初めてしちゃいます...
もし前回のnoteを読んでいなければ一度読んでからお進みください。
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■希死念慮
バセドウ病と診断されメルカゾールという薬の内服を始める僕。
薬を飲むと38.5度あった熱はたちまち下がる。
熱が下がるだけでだいぶ楽になった。
起き上がることもできる、椅子にも座れるし、youtubeも見られる。
薬のお陰だ。
暇つぶしにyoutubeを見ていたところに彼女から電話がかかってきた。
多少良くなってきていることを報告すると彼女は喜んでくれた。
しかし、良くなる僕と対極で彼女の症状は悪化していた。
彼女と出会って2週間で病気が発覚したため、自分のせいで僕が病気になったのではないかと心配していた。
もともとなのか双極症がそうさせているのかわからないが彼女はとてもネガティブだ。
例えば、彼女のお父さん。
彼女のお父さんは病名は伏せるが難病指定されている病に今もかかっている。
彼女のお母さんは血液のガン。
お兄ちゃんは交通事故で入院。
お姉ちゃんもなにか病気になっていたらしい。
では、彼女はどうか。
当時の彼女はとくに病気にかかっていなかったため、自分が死神か何かなのでは?と疑問を持っていたそうだ。
彼女が大切に思う人は皆病気か事故み見舞われると。
せっかく出会えたのに、僕も病気で死ぬんじゃないかと思ったらしい。
そうして良くなった僕と会話をして緊張の糸が切れたのか、彼女の心の中の闇が現れた。
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”死にたい”
彼女の希死念慮と初めて出会った。
あず「私のせいで病気になった。私は死んだほうがいい人間なんだ。死にたい。生きているだけで罰当たり。神様は私を助けてくれない。死んだほうがマシ。死にたい。」
このとき僕は感情的になってしまった。
僕「どうして?一緒にいたいって言ってたのに。悲しいよ。死んでほしくない。」
Vol.1でも書いたが僕は2か月前に大きな失恋をして少し人間不信になっていた。好き好きと言っておきながら最終的にフラれたことがあったからだ。
あずも前回の人と同じなんじゃないかと疑った。
あず「生きてる意味がない。生きてたって仕方ない。苦しい。死にたい。死ぬことが楽になる唯一の方法。誰も悲しまない。」
ああ、そう。僕といて楽しいって言ってたのにやっぱり嘘だったんだ。楽しくなかったんだ。僕だけ浮かれてた。前回と同じだ。僕がいても、死にたいんだもんね。
裏切られたと思い珍しく僕も不機嫌になった。
そうしておやすみと言って電話を切った。
あず「さようなら。もう死にます。」
そうLINEを残し連絡が途絶えた。
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■ケンカ
冷静に戻った僕は彼女にLINEを送った。
しかし返事はなかった。
電話も何回もした。
どのくらいかけ続けたのかもわからない。
しかしその甲斐があってか彼女は電話にでてくれた。
そうして彼女の怒りが爆発する。
あず「うつ病の人が死にたいって言ってるのはそれだけ苦しい悩みがあるから!なんで理解してくれないの?!私はおこ君のことが大切だから病気のことも勉強した!なのにおこ君は私の病気のこと調べてくれないよね?うつ病の人に言っちゃいけないこと言ってるんだよ?周りの人が悲しむとか知らない!考えられない!そんな余裕がない!ただ今の自分がつらいから楽になりたいの!楽になるには死ぬのが一番簡単なの!そうでなきゃ苦しくて苦しくて生き地獄にいるみたいで...とにかく死にたい!死にたいって思うことに罪悪感だってある、いけないことだってこともわかってる!だけど死にたいの!なんでわかってくれないの!みんなと同じ。わかったって最初は言うけど結局最後にはわからないで去っていく。きっとおこ君もそう!だからさようなら!電話切ったのはそっちじゃん!あきれたんでしょ!死にたいって言ってる私に愛想尽かしたんでしょ!だからさようならって言ってるの!別れることはしない!でも死ぬからさようなら!」
僕にはわからなかった。
幸せと死の2つが目の前にある。この状況では誰もが幸せを選ぶと思っていた。しかし彼女は決まって死を選択する。
このとき、うつ病を軽く見ていたと実感した。
そして同時に彼女のことをもっと知ろう、彼女の病気を理解しようと考えた。
~つづく
■追伸 希死念慮
希死念慮とは死を望む気持ちのこと。
失恋をしたとき、僕も一瞬死ぬことを考えた。
車で走りながら、このまま壁に突っ込めば死ぬのかな。
このまま何も食べないでいれば死ぬのかな。
本気度合いで言えば僕のそれと彼女のそれはまったく次元の違う話になるだろう。
常に死を考えるほど彼女はつらい状況が続いている。
僕のは一時的なものだったようで、1週間~2週間で希死念慮は消えた。
ちなみに僕は精神疾患と診断されたことはない。
希死念慮が共通の概念かどうかはわからないが、彼女の場合の希死念慮をnoteにまとめてみた。
有料になるが希死念慮になるまでの思考プロセスとその対処法(彼女の場合)を記したものになる。
彼女の不安の一つにお金の問題がある。彼女は薬を飲んだあと車の運転をして事故にあっている。夜勤をしていない看護師のお給料は決して高くない。そのため親に借金をして車の修理を行ったんだとか。
僕が借金を肩代わりすることもできるが彼女は拒否する。お金を借りないというプライドが彼女の中にあるらしい。(親には借入OKで僕には借入NGというのはいかがなものか)
加えて僕らは健常者と比べて治療費として出ていくお金が多い。
それもあってがんばった内容のnoteは有料で販売させていただくことにした。申し訳ない。
よろしくお願いします。