発達障害グレーゾーン特有の悩み-普通の人にも障害者にもなれない

※毒吐きのようなものです。注意。

この間、通っているメンタルクリニックの医師から「君くらいだと手帳とか年金は出ないよ。でもそれは良い方に受け取ってほしい」と言われてから、いろいろなことがぐるぐるしている。
(障害者)手帳が出るか出ないかで、結構身の振り方って変わるんだなと。

ネットを見回しても発達グレーゾーンの話は子供の話題がほとんどで、数少ない大人の場合でも就労はできている状態で困っている人が多いようだった。
ので、いち発達グレーゾーンの就労に蹴つまづいてる人間が何に困っているかを記しておく。

※語感がいいので主語でかく書いてますが個人の雑感です。
自分はそうだというだけで発達グレーゾーンの人が必ずしも全員そうだという話ではありません。

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医師「失敗を恐れずに頑張ってみれば良い」

手帳は出ないよと言われたあと、医師からは上のようなことを言われた。
つまるところ、普通のバイトは無理でもA型事業所くらいはトライして見たら?と言われてしまったわけだ。

A型事業所というのは、就労継続支援A型のことで、おおむね週5日4時間ほどの勤務を前提とした、雇用型の福祉作業所のことだ。
作業所チックな内容のところから、わりとガチで一般企業ライクな仕事(ITとか事務とか)をやってるところから、いろいろある。

多分、ポジティブな意味で言ってくれたのだとは思う。
思う………んだけど、当時結構厳しめなA型事業所の見学に行って打ちのめされたばかりの自分には「君は普通の人に近いんだから甘えてないでもっと頑張れ」と言われているようにしか聞こえなかった。

打ちのめされたというか、単に自分には合わなかっただけなのかもしれない。
でもA型事業所の見学自体が初めてだったので、「Aは厳しいって聞いてたけどほかもこんな感じなら到底無理だ、理念も合わなさそうだし行きたくない」とベッコベコにやる気が萎えているタイミングで、下手に励まされてさらに凹んだ。

あれか?
医師にはもしかして元気そうに見えているのか?
週4日2時間の超短いのですら朝どころか昼出なのに起き上がれなくて度々休んでるんですけど……全然元気じゃないんですけど……

事業所スタッフ「B型はどう?ランクを落とすという意味ではなくて…」

かたや、事業所のスタッフ。
こちらには、就労継続支援B型をおすすめされた。
就労移行支援は、一生で2年間の期間の定めがあるため、無駄に休みまくるくらいなら期間の制限のない就労継続支援B型へ一度移動して、体調を整えてからまた就労移行に移るのもありだという話である。

就労継続支援B型は、いわゆる作業所と言われて大抵の人が思い浮かべるやつのことである。
非雇用型なので時給諸々は最低賃金以下であり、とりあえず日中活動に慣れたい人、障害のある程度重い人などが主な利用層である。

このことからもわかる通り、B型へ行く=ランク落ちのイメージがどうしても拭えない部分はある。

ランク落ちとかそういうのではないといくら口で言われても、「過去には頑張ればできた自分からしたらもっと頑張れそうなのに低レベルそうなところを勧められる」というのは、かなり忸怩たる思いがある。

(もちろん、頑張って普通の人に合わせようとした結果、無理だったので今の現状があるわけだけど)

B型事業所がぴったりと自分にあっていて、生き生きと暮らせている人にケチを付けるつもりはない。
それはその人の体力・技能レベルに合っているのだから幸せなことだろう。

発達グレーゾーンで、とくに大卒くらいまではあまり表立って問題も起きなかったような人…それでいて「普通のしごと」を続けられる体力のない自分のような人間は、福祉の網の目の中に収まりどころがない。

A型事業所は成長できそうだけど通うのが体力的にキツイ。
B型事業所は自分のレベルに合わない気がする(成長が見込めるか不明)。

もちろん地道にいろんな事業所を探せばいいのだろうけれど、事業所の見学の準備や当日のあれこれで毎回疲弊するため、毎日のように見て回るわけにもいかない。
だいいちそんな能動性と積極性があったら大卒の時点でどこかしらに潜り込めてそうなものだし。

かといって、すべてほっぽり出して一芸に賭けるほどの何かがあるわけでもない。
おまけに自分の場合は、性別違和の問題やパートナーが戸籍上同性という別のややこしい事情もあったりする。

福祉色の強いB型事業所であれば比較的このあたりの問題は気にされにくいだろうという楽観がある反面、
あくまで福祉の世界で施しを受ける身でいないといけないほど自分は酷い状態なのか?とも葛藤している。

(福祉=施しと書くとお叱りを受けそうだけど体感的なものなのでそのまま書きました)

アンビバレンツな悩みを抱える発達グレーゾーンの人間

つまるところ、
障害者として扱われると凹むのに、
障害者として扱われないとそれはそれでがっくりと肩を落とす。

それが、手帳は出ないけれど明確に困りごとのある「発達障害の傾向あり」の人間の相反する心情だ。

「頑張ろうかな…」と思っては「頑張れ」と言われて「もうゴールさせて…無理…」となり、
「頑張らなくていいよ」「もっと簡単なところから」と言われると「自分はそんな低レベルじゃない!もっとできる!」と過去の(無理に普通に合わせていた)自分を引き合いに出して自分は健常なのだと言い張る。

もしかしたら、自分は俗にいう障害受容ができていないのかもしれないね。
それでさえ、手帳は出ないと言われてしまうと本当に障害なのか?甘えているだけなのか?とも思ったりする。

でも、甘えてるだけだとしても頑張れない以上、6割の力でなんとかなる普通の人たちと同じ水準ではどうやったって戦えない。
そもそも戦うのが面倒だ。それよりは寝ていたい。そんなにガツガツしてまで生きたいと思えない。

最近はお金もないからいろんな興味すら薄らぎつつあるし、ネガティブループにハマるよりはマシと、ゲームをしても前ほど楽しいとは感じなくなってしまっている。

(そもそも、発達障害の「障害」のワード自体が誤訳とも言われているし、たんなる脳の発達傾向のタイプ違いなだけであるという論もあり、私はこちらを支持している)

カウンセラー「現実の落とし所を見つけて行きたいですね」

かかりつけのメンタルクリニックでカウンセリングも受けているのだけど、そこで上のような悩みをぶちまけたら、カウンセラーに言われた言葉がこれだった。

落とし所、つまり妥協点を見つけろという。
こういう、「いいからお前も大人になれよ…」的妥協が嫌いな私は、一瞬このカウンセラーにものすごくヘイトを溜めてしまった。

結局、グレーゾーンの人の悩みというのはどうも理解されにくい。
「普通の人」からは理解されにくい発想の持ち主の悩みだから当然といえば当然か。

しかも相手にそれが伝わらないことが、はんぶんくらいは「普通の人」であるグレーゾーンにはわかってしまう。
相手の意図がわかるけれど、どうしてもそれはしたくない・できない場合に、なんだかいけないものを見ておきながらあえて見えていないフリをしているような気がして居心地が悪いのだ。

それで悩んでいる人や当事者の方に怒られるのを承知で言うと、白痴でありたかった。間抜けでありたかった。
ほんとうのアスペルガーの人や自閉症の人は、他人の心がわからないとよく書かれているが、中途半端に見えるくらいならいっそまったく見えないほうがマシだったとさえ思える。

発達グレーゾーンの困難さは、この中途半端さにあると思っている。

方向性をそろそろ決めてほしいと事業所に言われ、父の定年も迫り、役所から障害者サービス受給者証の更新手続き書類も届く中、どうしたいのか、どうしたらいいのか、先はまだ見えないままだ。

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ブログもどうぞ

ブログでも発達障害グレーゾーンにオススメのアプリやライフハック、就労移行支援事業所について書いています。


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