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azitarouの小説作品集

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わたしが執筆した小説作品です。実際パルプ。おまえを打ち抜く覚悟がある。
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記事一覧

おかみ様の遣わすもの (フルバージョン) #パルプアドベントカレンダー2023

 朝起きたらスマホが充電できていなかった。ケーブルを差し直しても再起動してもダメだった。…

azitarou
4か月前
32

おかみ様の遣わすもの

 朝起きたらスマホが充電できていなかった。  ケーブルを差し直しても再起動してもダメだっ…

azitarou
6か月前
55

2022年に書いた作品のライナーノーツ

 今年は仕事でデカい案件があったりお家を建てたりしていたのでマジで忙しく、創作活動は全然…

azitarou
1年前
6

クリスマス・キャロルには遅すぎる #パルプアドベントカレンダー2022

LEVEL 1  意識を取り戻した広瀬をまず出迎えたのは、磨き上げられた革靴のつま先だった。 …

azitarou
1年前
26

「真実と正義の来訪者」

(以上、取調室の録画データより地球外知的生命体と遭遇したとみられる男の供述の文字起こしを…

azitarou
1年前
20

電子パルプマガジン「無数の銃弾」のすすめ

 今年も電子パルプマガジン「無数の銃弾」の発刊の季節になりました。創刊号からはや2年、冊…

azitarou
1年前
13

エルデンリングの手記:モーンの城にて

この記事にはエルデンリングの序盤ストーリーのネタバレがあります。  雨が降っている。  黄金樹が照らす柔らかな明かりを受けた平原の景色はリムグレイヴの数少ない良いところだが、陰気な雲に覆われたことでその光は褪せ、雨に濡れた体から体温とともに生気すら薄れてくるような心地になる。  いや、生気など元より持ち合わせていない。この世界に降り立ったその瞬間から、生と死は息がかかるほど近い距離で俺を睨み続けている。今この瞬間にも、お互いが己の側へと引き寄せんと手を伸ばしていることだろう

今夜、接近遭遇に染まる。【第五種接近遭遇 ver.】 #パルプアドベントカレンダー2021

 早乙女彰は最後まで口を割らなかった。生徒指導室に報告するぞ、と半ば脅してみたが、意に介…

azitarou
2年前
15

ベランダバーベキュー #風景画杯

 車のドアを開けた途端、グラタンを焼いた後のオーブンレンジのような灼熱がなだれ込んできた…

azitarou
2年前
25

『無数の銃弾: VOL.3』発売のお知らせ&業務連絡

パルプ小説合同誌が発売されます私も参加しているパルプ小説合同誌『無数の銃弾: VOL.3』が6月…

azitarou
2年前
9

旋光のスティグマ #パルプアドベントカレンダー2020

「見つけたぞ、リュウガおじさん……いや、但馬リュウガ!」  異形の残骸が散らばる部屋に、…

azitarou
3年前
33

浮世草・追補「人と獣の境界」

これはゲーム『Ghost of Tsushima』の二次創作小説です。序盤~中盤のネタバレが含まれていま…

azitarou
3年前
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パルプマガジン『無数の銃弾: 創刊号』をみんな読もう!

ドスドスドス!!こんばんわ!azitarouだよ! みんな、『無数の銃弾: 創刊号』もう読んだ!? …

azitarou
4年前
23

パブリック・ギャングスタ

空き缶を蹴り飛ばし、大通りに出る。 アジア。南米。中東。黒人。人種の坩堝を男が分断していく。露店の品物を崩し、往来を乱す。売り物を踏まれた男が怒鳴り、向かいの女は悲鳴を上げる。子供が顔を上げ、老人が目で追う。男が割った人海を、泳ぐように掻い潜る。前方に警官の姿。 「取り押さえろ!」 俺の声に反応し慌てて向き直るも、男は走る勢いのままタックルを仕掛けた。もみ合う二人から視線を逸らさず、一気に距離を詰める。男が警官を引き剥がす。右手に銃。警官のホルスターは空だ。つんのめるよ