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イングランド2部リーグとは

イングランドフットボールといえばプレミアリーグなのは勿論ですが、フットボールという枠組みの中で下も上も関係ありませんし、逆にこういった下部リーグや、育成、はたまた女子フットボールの発展と厚みがイングランドフットボールの強さを支えているのではないでしょうか。
と、自分の中で薄々と感じていたので、イングランドリーグ2部に相当するチャンピオンシップ、ブリストルシティVSブラックプールの試合を観に行きました。ホームで迎えるブリストルはリーグの中位に位置していますが、FAカップでは5回戦でマンチェスターシティに敗れるところまで勝ち進み、全戦していました。
対するブラックプールはリーグの下位に位置し残留争い真っ只中。
正直、お互いのチームのことを全く知らない状態で観に行きました。


Ashton Gate Stadium

ブリストルの本拠地アストンゲートは、ブリストルベアーズというラグビーチームのホームスタジアムでもあります。早速明日はラグビーの試合が開催されるみたいです。


2部リーグという漠然としたイメージから、歴史があって昔ながらのスタジアムなのではないかと勝手に予想していましたが、実際はかなりモダンなスタジアム。チケットも購入して届いたメールに添付してあったQRコードをかざすだけで、快適に入場できました。ちなみに、会員になる手間もなく購入の際もスムーズでした。

スタジアム内の様子
スタジアム内の様子

プレミアリーグの試合同様に、試合が始まるまでビールを外で楽しんでいる人が多かったです。フットボールとビールは文化ですね。


試合は開始早々にブラックプールの選手が怪我によって交代を余儀なくされ、ブラックプールにとっては厳しい試合の入りとなってしまいました。やはり、ブリストルシティが押し込む展開が続き、ブラックプールはカウンター1発狙いという感じで前半は進みます。ゴール前と最後のクロスの精度を欠き、スコアレスで前半を折り返しました。
ブラックプールもカウンターでキーパーと1対1の絶好のチャンスが1つありましたが決めきれず。

ブリストルシティの先制した場面

後半も同じような展開が続きます。押し込む時間が続く中、スーパーミドルでブリストルが先制をします。波に乗ったブリストルはホームサポーターの声援もあって、追加点。試合は2対0でブリストルの勝利。



この1試合だけを観てチャンピオンシップについて語るのは粗末かもしれませんが正直に、プレミアリーグとのレベルの差は大きいように感じました。(プレミアリーグが異次元なだけで麻痺しているのだと思います。)

個々のレベルの差は勿論ありますし、全体的なミスの数も多く、フィジカルチックなプレーが際立っていた印象でイングランドっぽさを強く感じました。特に、ゴール前の質(冷静さと技術)が大きな差かなと… 僕のイメージですけど、2部リーグに所属していますから当然個人のステップアップを目的としている選手ばかりだと思います。その気持ちの表れからか、勢いや、一か八かで行ってしまう場面や完結しようとする場面が目立ちました。この気持ちの表れが良くも悪くも試合に影響していたと思います。流れや勢いを止めたり、辞める判断ができる選手が少なかった印象でした。

しかし、ブリストルシティの7番Scott選手は独特なリズムと落ち着きが見られて、1人だけ違ったものを持っていました。このような環境だから際立つというのもあるかもしれませんが、まだ若いのに冷静さも兼ね備え、ゲームをコントロールしていました。とても楽しそうに、簡単そうにプレーしているように見えました。追加点は彼がこぼれ球を冷静にトラップして綺麗に決めたものでしたし、 100%を出してプレーしていないのではないかと思わされるほどの、冷静さがありました。

また、彼は足裏を多く使っていたことも、変わっているなと思えた理由の一つです。ドリブルの際だけでなく、トラップでも足裏を使っていたので少し驚き。本当若くていい選手なのでこれからが楽しみです。


ファン、サポーターの熱気はプレミアリーグとなんら変わりはないです。ところどころ空席はありましたが、ホームサポーターは多く集まっていましたし、声のあげ方やタイミング、煽り煽られ等は素晴らしかったです。
個人的に、ブリストルシティのチャントがリズミカルなものばかりで聞いてて楽しかったです。笑


週末にはフットボールがある日常がどのカテゴリーでもどの地域にも根付いているように思えた1日でした。


最後に余談として。
2部リーグの選手たちより、日本のJ 1リーグの選手の方が技術的な上手さは勝っているのではないかと見受けられました。止める蹴るとかの技術なんて間違いなく日本の選手の方が上手いです。
ただ、体の使い方やコーディネーション、体の向きとか、プレーのスムーズさは彼らのが勝っているように見えました。スピード感もこちらのが早いですし、コンタクトも強い。今日、1番前の席で彼らの身体を見て下半身の強さ、太さ然り、上半身の厚みは桁違い。ラグビーじゃないよね?と思ってしまうほどです。骨格や遺伝の関係もありますが、ヤングエイジ時代から、イングランド特有のゆるい天然芝のピッチでプレーすることが足腰を強くさせているのではないかと思います。その環境下でもスムーズなボール捌きやコントロールをできるようになるための技術と、身体のコーディネーションの部分、感覚的な部分も長けていると感じました。こちらの選手を見ていると、止める蹴るは果たして必要なのでしょうかと思ってしまいます。実際ボールが止まるシーンなんて滅多にないですしね。

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