トップレベル大学受験物理[2]運動方程式
[1]章では高校物理の基礎となる微分積分、等加速度運動の軌道の求め方について、入試に出題された問題を例に解説しました。
今回は、ニュートンの運動の法則をもとに、運動方程式の立て方、物体にかかる加速度の求め方について、解説していきます。
運動方程式さえ立式できれば、慣性力を見つけるのに苦労したり、エネルギー保存や運動量保存など(次章で説明しますが)、保存則やエネルギーの見つけ方など学ぶ必要がないことが理解できるかと思います。
本記事は有料ですが、本noteで扱っている手法をマスターすれば、
高校物理の問題は怖くない!
と実感していただけるかと思います。
前章と同様、実際に大学入試に出題された問題を例に挙げ、
運動方程式の立て方をマスターしていただきたいと思います!
また本記事は有料としていますが、
記事を購入していただいた方には、
トップレベル大学受験物理シリーズで解説してほしい入試問題
を募集します。
コメント、Twitterなどから、解いてほしい問題をどんどんお送りください!
有料公開範囲になりますが、随時解説をアップいたします。
ニュートンの運動法則
高校物理で扱う古典力学では、ニュートンの運動法則をもとにしています。すべての力学の問題は、以下の3つの法則から考えることができます。
第2法則を定式化したのが以下の運動方程式です。
$$
m\ddot{x} = F
$$
ただし、$${\ddot{x}}$$は注目する物体の(一次元での)座標を時間で2階微分したもの(前章参照)であり、加速度を表します。高校の物理で扱う、古典力学では、物体の質量、物体にはたらく力、物体が存在する座標系さえ整理できれば、必ず物理現象を理解できます(必ず問題は全て解答できる!)。
第3法則は力の作用・反作用の関係を表します。物体は何かと接した瞬間に必ず力が働きます。物体に力が働くとき、必ず、その反作用の力を物体は周りに及ぼしています。
力は、主に以下のようなものが挙げられます(各力の例は問題2-1~6を参照してください)。
【問題2-1】力のつりあい(藤田保健衛生大)
人、体重計、ゴンドラにはたらく力は、上図(a)のようになる。これを各部位ごとに分解すると、(b)~(d)のようになる。人(図(b))には、体重計と接触しているので、体重計から受ける抗力$${N_1}$$、および重力$${mg}$$と縄から受ける張力$${T_1}$$がはたらく。体重計(図(c))には、人から受ける抗力$${N_1}$$(人ー体重計間の作用・反作用)、ゴンドラから受ける抗力$${N_2}$$、および重力$${m_0 g}$$がはたらくが、体重計の質量は今無視できるので、$${m_0 g=0}$$としてよい。ゴンドラ(図(d))には、体重計から受ける抗力$${N_2}$$(体重計ーゴンドラ間の作用・反作用)、および重力$${Mg}$$と各縄部位の張力がはたらく。いずれの部位も静止しているので加速度は$${0}$$。運動方程式から
$$
\begin{align*}
(b)より \\
0 &=T_1 + N_1 - mg ----- (1.1) \\
(c)より \\
0 &=N_2 -N_1 -m_0 g=N_2-N_1 -----(1.2) \\
(d)より \\
0 &=(T_2の鉛直成分) \times 2 -N_2 -Mg \\
&= T_1 -N_2 -Mg -----(1.3)
\end{align*}
$$
$${(1.2)}$$より、$${N_2=N_1}$$。よって$${(1.1)(1.3)}$$から、
$$
T_1 = \frac{(M+m)g}{2}
$$
ゴンドラ内の体重計の読みは、人から体重計へ受ける抗力$${N_1}$$(人が体重を押す力)に等しい。よって、
$$
N_1=mg - T_1 = mg - \frac{(M+m)g}{2} = \frac{(m-M)g}{2}
$$
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