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東京探索記 2 麻布台ヒルズから六本木へ夜の旅

「夜の旅」と書くと大げさですが、11月24日の開業初日、麻布台ヒルズを見た後に六本木までぶらぶらと散歩しました。
と言ってもそこには一応テーマを持ち、夜の坂・夜の階段と麻布台ヒルズ森JPタワー、にこだわってみました。

目の前に見える東京タワー
外苑東通りを渡る途中の東京タワー

まずは外苑東通りの森JPタワー表玄関を出発。
飯倉交差点寄りに戻ったところの交差点を横断するとその先は左手がロシア大使館、そして谷底の暗闇へ向かっていくのが狸穴坂(まみあなざか)です。

大きな黒い口を開けているようにみえる狸穴坂
下りていくと左手の擁壁がどんどん高さを増していきます

ロシア大使館前はウクライナ侵攻のこともあり、警察による警戒がさらに厳重であちこちに警官が立っています。この場所は戦前から戦後の冷戦終結まではソ連大使館。その背後には東京アメリカンクラブ、外苑東通り側の向かいにはJPタワーの前身、麻布郵便局。戦前は逓信省、つまり通信、電波を管掌する組織の施設でした。主義の異なる大国とそれに挟まれた小国が諜報合戦をしていた、そして今もしているホットな場所です。
かつてはその世界では狸穴(まみあな)といえば、ソ連大使館を表していたとか。狸の穴、狸の化かしあい。ぴったりの場所でもあったのですね。

坂を下りたところから振り返ります

と、どうでもいいことを話して、さて坂をおります。狸穴、読みはマミアナ。マミは地形を表す古語でママ、ケミ、などと同じく崖をさしているといわれています。
つまり狸穴とは崖下の地表がむき出しになった土地に小動物が横穴を掘って棲みつくような土地を表しています。そして崖下なので、日当たりも悪くじめっとしている印象。特に夏の昼間に歩くとその感じが伝わってきます。


鼠坂下からの眺め
鼠坂上から。
ぼけてしまっていますが、ガクンと地面が下がり、谷になっています

さて、下りたら上る。ということで隣の坂を上ります。ここは鼠坂(ねずみざか)。あれ、またしても小動物。やっぱり崖下をねぐらとしていたのかな?
鼠坂は狸穴坂とちょうど並行している位置なのでやはり急峻な坂道、そして鼠の通り道というわけではないですが、狸穴坂に比べると狭い細道坂です。もちろん四輪車は通れないので、地元の人たちが通行路としたり、犬の散歩コースに使っているようです。

鼠坂を上り切ったら、今度は脇の坂道を上ります。ここは植木坂。坂の上か途中に植木職人が住んでいたからとか。ここは途中でおりて、次の坂へ。
これがまた動物シリーズで今度は鼬坂(いたちざか)です。タヌキ、ネズミ、そしてイタチと小動物のオンパレードですね。身体が長細いイタチをイメージしたのかどうかわかりませんが、鼬坂はまっすぐな坂道です。ここから麻布台の高層ビルを真ん前に眺めるのは気持ちがいいですよ。

まっすぐのびる鼬坂
上りきるとタワープラザの正面に

この先は少し歩いて、六本木との境ともいえる飯倉片町の交差点へ。渡った先に永坂への階段があります。ここを上って振り返る。ここではレジデンス棟の胴体部分が目の前に迫ってきます。

名もなき階段を上り振り返る

さてここからは六本木の坂や風景を。
まずは鳥居坂。あっ、ここにも生き物の名前が(笑)
六本木の台地から麻布十番へ向かって下っていく長い坂道です。
実はここにも次の再開発の影が。詳細な計画はわかりませんが、この台地には東洋英和女学院、国際文化会館、日本銀行鳥居坂分館などの歴史ある施設があります。どれも今となれば代わりのきかない貴重なものばかり、気になります。

国際文化会館の向こうにちらりと見える六本木ヒルズの頭
六本木の真ん中にまだ煉瓦塀が残っています

六本木駅のほうへ向かって歩くとみえてくるのが、ロアビルの横長の背中、そして真っ赤なHard Rock CAFE。街中に戻ってきたな、という感じが出てきました。

夜も鮮やかに真っ赤なHard Rock CAFEと六本木ヒルズ
値下げの幡も真っ赤(笑)

今夜の散歩のゴールは六本木駅。
その前に立ち寄るのは六本木でも有名であろう緑色の階段。閻魔坂と瀬里奈をつなぐ階段です。レッドカーペットならぬグリーンカーペット。静かな夜の雰囲気がいいですね。

階段の上で振り返ります。ここからも森JPタワーが見えます。こうしてみるとずいぶん遠くに来ましたね。
さて今夜はこのへんで。

雲一つない夜空に屹立する麻布台ヒルズのタワー



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