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東京探索記 14 荒木町の夜桜

今年(令和6年)は3月にはいってから寒い日が続き、桜の開花が昨年よりも遅れているようですね。
というか平年並みに戻ったというべきでしょうか。地球温暖化で年々開花が早まるばかりかというとそうでもないようで。

これはソメイヨシノの開花のことですが、それとは別に毎年満開の桜を楽しみにして観ているのが、新宿区荒木町の弁天池のほとりに咲く早咲きの桜です。
昨年は3月17日に観にいくと満開でした。ところが今年は行くのをついうっかり忘れ、さらに雨なども重なりタイミングを逃していたのですが、
22日(金)、仕事を終えて訪れてみるとちょうど満開!まだ蕾の枝もちらほらあり、数日はまだ楽しめそうなところでした。

間に合ってよかったぁ~

荒木町といえば、江戸時代は松平摂津守の屋敷。
桜の樹がある池は弁天池と呼ばれ祠も建てられているところで大名庭園内に人工的につくられた池。
江戸の頃はこの池の周りで大名や奥の方たちほかの人たちが風流を楽しんでいたのでしょう。

摂津守なので、「津の守」と呼ばれていました
池のほとりの弁財天の祠

明治になると、この地は大名庭園から解放され、この池の周りに料亭、置屋、待合などが建ち並ぶ花街へと変わっていきました。この場所が花街、つまり三業地として発展したのは、歩いてすぐの場所の陸軍施設(今の市ヶ谷防衛省)があるから。そこに勤務する軍人、軍関係者を顧客として花街は発展したわけです。

池の奥から

当時は池ももっと大きかったのですが、今は埋め立てられて小ぶりな池に。周りには料亭の代わりにマンションや住宅が建ち並んでいます。

そのように環境は変わりながらもこの桜は毎年、薄ピンク色の花を可憐に咲かせています。その花色は灯りのあたりかたで白色に見えたり、桃色に見えたりしながら楽しませてくれます。

井戸と桜
井戸と丸い月

そしてこの夜も雲一つない紺碧の空に白っぽい花が輝いていました。

左奥に見える階段。
かつて芸妓さんも上り下りしたのでしょうね

たった1本ながらもこれほど楽しませてくれる桜の樹はほかには知りません。おおげさかな?でもそれくらいお気に入りの桜です。

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