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外科手術の起源

 前回の投稿で、アーユルヴェーダに外科の分野があるということの続きで、少し解説したいと思います。

 アーユルヴェーダは薬草を使ったり、オイルマッサージが主な治療法の伝統医学というイメージが強いと思いますが、アーユルヴェーダの古代インドの聖者スシュルタは、現代医学(外科)の元祖として知られています。
 聖者スシュルタの時代は紀元前2世紀頃ですが、その時すでにインド人は現代とあまり変わらない高度な外科手術を行なっていたという記録が歴史上残っております。
 『スシュルタサンヒター』という 聖者スシュルタが記したアーユルヴェーダの古典書の中には、細かくその手術方法が記されています。

 18世紀になっても、欧米では科学、医学、外科手術などの科学的な知識は皆無でしたが、英国によるインドの植民地時代に、インド人が高度な外科手術をやっている様子を英国人が目撃し、その様子を記録した書物も残っており、それ以降インド人の外科技術が欧米に伝わることによって、ようやく欧米で現代医学が発展していきました。 ですから、今の現代医学の元祖はアーユルヴェーダ、今の現代外科手術の元祖もアーユルヴェーダ と言っても過言ではないかと私的には思います。

 上に共有させていただいた、写真の資料は1792年に英国人の医者2人が、インドのプネー市でインド人男性が鼻の手術を受けて、見事に綺麗になって回復している様子を記録した資料の一部になります。インド人によるこの手術は、当時の欧米では考えられない(見たこともない)ような優れた技術で、再現率と成功率ほぼ100%ということで、英国人の医者を驚かせたようです。 そして、この手術の原型となる技術は紀元前の時代から既にアーユルヴェーダの聖者が有していたわけですから、すごいですね!

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