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この恋の終わりに向けて

「お互い頑張りましょう」 その言葉に 交わる道はないんだと改めて思い知らされる あぁこのまま会えなくなっても仕方ないなと 思えるようになった頃に誘われて 会いに行った初夏の夜に 会いたい沼からやっと抜け出した そのために続けてきたこの関係 近頃ようやくいつかどうでもいいと思えそうな日が少し見えた気がしていた 嫌いにならなくてよかった あなたが薄れていくことには安堵しながら 悲しくもあった あぁもういいやって思えてしまうのか あんなにも好きだと思ったこの人を いつか終わるこ

    • 好きな人とセフレと元カレ

      強がりだと思われるかもしれませんが、私が好きな人とセックスをするのは嫌いになるためです。 その人とは、付き合ってもいないのにうまく言いくるめられてセックスをしてしまいました。 ただ、セックスをしたから好きになったのではありません。よく知らないながらも、本能が好きだと思ったからセックスをしたのです。私は好きじゃない人ともセックスができる女ですから。 けれど結局付き合えないと言われて、会うのもやめようかと言われてしまい、私としては好きの絶頂で会えなくなるのは耐え難かったので、自ら

      • 私の理屈

        どこが好き?って聞くけど その質問はとても難しくて 点じゃなくて面で好きだからって 今日テレビでタレントが言ってた 私は激しく同意して あなたもこのテレビを見ていればいいと思った 欠けている部分も含めて好き 私の理屈で言うと どこが好きかなんて言えない方が本物 取り立てて気付くこともないような 会話の答えや話題の振り方や変え方 手指の動き たださらさらと流れていく 違和感なく引っかかりもなく 馴染んで消えていく心地よさ 何もないことが好き 飛び出ないけれどつっかえない空気

        • ワサビ

          ワサビおつけしてよろしいですかって聞かれたとき 苦手だよね 別添えでって言えることが こんなに嬉しいと思わなかった あなたのことをよく知っているみたいだ 2ヶ月前のあの日 見栄なのかあなたはワサビを断らなかったし 私もそれを知らなかった 心は決して交わらないけど 近づいていると思いたいの

        この恋の終わりに向けて

          私の好きは言葉にならなくて

          肩を抱き寄せられる瞬間がいちばん幸せ たとえばそこから始まるのが 愛のないセックスだったとしても なんでもないときに思い出して 好きだなぁって感じる あなたは言葉にできないものが苦手だと言うけれど 言語化なんて私にはいらないの

          私の好きは言葉にならなくて

          真夏の夜と女性警官と

          前々から流されるだろうと予想はしていた。 いや、流されるというのも都合のいい言い方で、本当は私がそれを望んでけしかけて、流れを起こしているのかもしれない。 次に二人で会えば何もせずには帰れないだろうと思っていたから、特に後悔はしていないし、驚きもしていない。 これが、不倫というやつか。初めてではないのに何故かそんな感想がしっくりくる。絵にかいたような過去の交際相手との不倫。王道すぎて少し笑える。一から始める手間がなくて、手近で後腐れがなくて。これ以上みじめになりたくないなんて

          真夏の夜と女性警官と

          独身女の心の凪と既婚女の平和な家庭

          まずはじめに言っておく。私は独身である。適齢期をとうに過ぎたいい歳をした独身女である。 そしてもうすぐ私は不倫をするかもしれない。私から積極的にどうこうする気はないけれど、もし誘われたとしたら毅然と断れずそうなるかもしれない類の不倫を。 2つ選択肢があれば選ばれない方で、大勢の中にいれば何の印象にも残らないタイプ。何でも許してくれると思われて舐められる人間。一瞬は好かれてもすぐに飽きられる。絶対手放したくないものの対極。誰かの一番になることが、こんなにも難しいんだとこの10年

          独身女の心の凪と既婚女の平和な家庭

          私が悲しい理由

          マッチングアプリで知り合って付き合ってすぐに別れた 人はそんな人ただの他人だよと言う 感情を抱くならば怒りで けどそこにさえも至らないと言う それでも私が悲しいのは 私が選んだ人だったから 話を聞いてもくれないのかとか 勝手に解釈して勝手に終わらせるのかとか こんなに思い入れがなかったなら覚悟なんて言うなよとか 何をいろいろ考えたのか教えてほしいとか 決断が早すぎるとか 本当にたくさん話したいことも話すべきこともあったのに 何も伝えられず分からずに終わったこと たかがアプリだ

          私が悲しい理由

          不倫をするということ

          どうやら私は不倫に好都合な女らしい。 いや、今更「どうやら」は白々しいだろうとは思う。「やっぱり」という方がよほどしっくりとくる。けれど、不倫に好都合たる所以は私が自己の最も嫌悪する部分であり、できることならば認めたくないし、永遠に目をそらしていたかった。 私は男の浮気は当然だと思っているし、そこにそれほど大きな意味などないと思っている。本当にたかが浮気である。 もちろん離婚原因のトップが浮気であることは承知しているが、離婚を望んで浮気をする男性が一体どれほどいるという

          不倫をするということ

          戦慄

          車ごと渓谷の底に落ちる夢を見た 血を流して歩く夢を見た 身支度をして電車に乗り目を閉じていた 目的地に近づきふと目を開いたそのとき どうしようもなく震えた 飛行機が墜落する映像のイメージ 計り知れない恐怖や痛みを 想像する毎日がずっと続くなんて酷だ どれだけ苦しんだか どれだけ不安だったか しっかりと見せてあげることが 残された人を救うんだって思った

          ほんとうのきもち

          後悔してるのに同じこと繰り返すのは ただの馬鹿でしょう 正しいことを言いたいわけじゃなくて あと10歳若ければ私も楽しく 遊べただろうけれど 今はなんかもう むなしい こんなことしてても  こんなことしてるから 嫌なところばかりが目につくようになる でも責めてるわけではなくて 気持ちは分からないでもなくて また誘いたい気持ちが疼く だけど いつか容赦なく終わる 遊びの相手にあなたはもったいない もっと大事にすればよかった

          ほんとうのきもち

          世界

          悲しいけれど これが私の世界だ 心弾んだ日々は一瞬で 泣きたくなる毎日が現実だ もう一度会えたら もっと楽しくて もっと泣きたくなる そんな時間を過ごせるはずなのに 本気なんて言葉は どこを切り取っても当てはまらない そんなことネット情報を漁る前に 気付くべきだった 大丈夫 自分をすり減らすだけの遊びはもうやめたの ひとつでもふたつでも何か学んで むなしいだけの過ちなんてない 少しでも糧にする 誰も恨まない 1人でも生きていくために

          雨の日

          もう何度目の失敗 私が決して超えられない壁 「誰かの大切な人に」 分かっていながらいつも一歩手前で許してしまう 生ぬるい部屋の中 今この足元で延々と寝続けるこの人も ただ通り過ぎるだけ この部屋を出た途端にもう他人 そんな結末を知っている どうしてどうして毅然と立ち向かえない どうしてそんな簡単な判断が鈍る もうこの繰り返しはいやだと心底願っても どうして 私にほかに与えられるものがあれば 私にほかに求められるものがあれば いくらでも違う明日はあ

          雨の日

          明日

          明日はクリーニングに出したコートを取りに行かなきゃな でも明日それを覚えていられるかな ねぇ何が悲しいのかよくは分からない でももうこんな独りみたいな 憐みはいらないんだよ 今考えられることはそれだけ 私は誰に負けた? 勝ちたかったのか 勝っていると思っていたかったのか 誰かのいちばんになれるなら ただそれだけでよかったのに

          棺の中のその顔に そっと顔を近づけて 刻まれた皺を乾いた唇を 目に焼き付けた 参列者が帰ったその後に もう温度を持たないその顔に 何度も顔を近づけて 白くなった眉毛を地黒に隠れていたシミを 繰り返し焼き付けた 許されるならば このまま 冷たいままでいいから 目を開けなくていいから ずっといてほしい 灰になんてならずに その姿のままで 生身であるという現実感をもって 感じていたい 忘れたくない 何があっても大丈夫だと思えた 大好きだった優

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          私なんてほんと適当なもんで だいたいのことは無関心 悲しいニュースにはぼんやり かわいそうだななんて思ったりはするけれど そんなの無責任な感情で どうしてあげることもできないし 私なんてほんと薄情なもんで あの子もこの子も嫌い その愛を 好きという言葉を 信じてなんてこなかった もっと大きなもっと確かなものをくださいって 迷惑にすら思ったほど そんな私があなたのことだけは 理由を並べることもなく 条件をあげることもなく 笑っていてほしいと願う