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火花  著者:又吉直樹



最近、私と同じ年齢の人が書いた小説ブームです。町田そのこさんに続いて又吉さん。

【火花】は芥川賞受賞作品だけあって、素晴らしい作品だと思いました。何が素晴らしいかって、この本は又吉さんしか書けない文章だからです。文書力やストーリー云々の話ではなくて、又吉さんが生きてきた中で得た感情でしか書けない内容だったからです。確か映画にもなりましたよね。

芸人さんって頭がいい人が多いなと個人的に思います。
分かってて分かってないふりをする。
分かってるのに敢えて失敗する。
人間力、観察力が高い。
そして真面目すぎるくらい生きることに真面目で素直。

芸人全員が同じ考え方では無いと思うけど、根底に「他者を喜ばせたい、笑わせたい」という想いがなければできない職業だと思います。

この本は違う世代だとイメージしにくい部分もあるかもしれません。今は劇場の入場者数や観客席の反応ではなく、YouTubeの再生回数が人気の指標かもしれませんし、先輩後輩の会話や飲み会も無くなっている時代になりつつあります。

同世代の私は、「人間らしく生きる必死さが伝わっていいな」と思いました。

自分が生きた証を残すなら、お金がいいのか、生き様を見せるのがいいのか、文章に残すのがいいのか、色んな事を考えて終わる作品でした。



余談ですが、私はシェアハウスを作るために「本を書いてみて」と言われてて、試しになぜシェアハウスを作りたいのかという文章を書いて編集者に見せたら、こてんぱんにダメ出しされました。

その理由が「あなたにしか聞けないことがあるのに、ここにはひとつも書かれていない💢 面白くない」という事でした。(これは構想を練り直してます…。)

自分の実体験から出てくる文章というのは、人を惹きつける魅力があるというのを、又吉さんの本を読んで学びました。 

又吉さん素敵だわ〜。
次回作も楽しみです!

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