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雪古森の春プロデュース後記(後編)

前編で収まらずに後編までまたがってしまった備忘録。
つらつらと書き連ねて行きますがどうぞお付き合いいただけましたら幸いです。後編はキャストさんの事などを中心に書いていこうと思っております。

キャスティングについて

私は舞台女優と声優業が生業で、普段はプレイヤーとして篩にかけられてジャッジメントされる立場です。選ばれてなんぼです。どうやったらオーディションに受かるのかお仕事がいただけるのか、昔から今に至るまでずっと考えてやってきました。昔はね、芸歴書の名前を兎に角大きく書くとか、印象付ける為にちょっと変わった特技を書いてみたり、何とか選ばれたい一心で色々工夫に工夫を重ねておりました。しかしそれらの工夫のほとんどは今考えると方向性が完全に間違っており、穴があったら入りたいような恥ずかしい頓珍漢なアピールをしたりもしました。まあ当然落ちますね。あー思い出すと叫びたくなります。

選ばれていた立場から選ぶ立場へ。
キャスティングしてみて思ったのは、俳優が基本的にやることは芝居の腕を磨く事だけなのだなあと改めて思います。普通にお芝居出来て機嫌よく性格が良くて「役にマッチングしていれば」選ばれるんですね。相性とタイミング、あとは周りとのバランスです。
座組や企画によっては集客力があれば全部不問という話もチラホラ聞きますが、それはそういう目検なのだというだけの事です。

キャスティングは本当に苦労しました。
断られる度に自分の人徳のなさと演劇における信用度の低さと向き合って行かないといけない(ただ単にタイミングが合わなかった方もいましたが)。これが本当にしんどくて。自分一人の人脈ではどうにもならずに色々な方に協力していただきました。おかげで結果的にはこれ以上にないくらいのベストキャスティングになりました。本当にこればかりはご縁だなあと思っています。全員とても素敵な俳優女優陣でした。
それではキャストさんのご紹介を!五十音順で行きます。

キャスト紹介

青木五百厘(いおり)さん/六花(りっか・雪童子)役
今回初めましての五百厘ちゃん。
私がここ近年舞台から遠ざかっていたので、子供役だけど妖怪だからちょっと影もある芝居が出来て動ける女優さんがなかなか思い当たらなくて、宮本京佳さんに相談した所「良い女優さんがいるよ!」とご紹介いただきました。可愛いくておねえちゃんキャラだけども、妖怪モードに入るとぐっと陰の部分が出て不気味な感じに切り替わる所が背筋がざわざわする感じでねぇ。衣裳や小道具をお貸ししてくださったり、衣裳製作のサポートや細々した雑務も沢山手伝ってくださって本当に助けてもらいました。

本来ならば殺陣ががっつり出来る女優さんなのですが、
今回は見せ場がなかったので次は戦う役で!

青木隼さん/あわ坊(1本ダタラ)役
いつもニコニコしてて癒し系の隼くん。初共演はジャングルベル・シアターさんの『天満月のネコ』。その後も『ヒュウガのココロ』『DOGのBLUES』でご一緒しました。浅野さんの作品も理解していらっしゃるし、安心して役をお任せ出来るので是非と思って声を掛けさせていただきました。
あわ坊とうわん坊は台本上は二人ともマッチョな設定だったのですが、大柄な設定に変更してやっていただきました。1本足でずっとぴょんぴょんと飛んでいる役なので膝や足の負担を心配していたのですが、物ともせずに稽古中から全力でやってくれました。お婆におねだりするシーンのネタの稽古をずっとやっていて最終的に車になっていたのにはびっくり。いつも共演するたびに思うのですが芝居を全力で楽しんでやっているのが素晴らしいなあと思っております。素敵なあわ坊でした。

ニコニコと雪合戦を見守っているお父さんみたいなあわ坊
迷いの森の恐いバージョン

後藤田文蔵さん/杉岡弘役
この役のキャスティングが一番難航しました。結構な数の役者さんからお断りされまして、スタッフ打ち合わせをしていた時に浅野さんと照明さんに「誰かご紹介していただけませんか?」とお願いした所、二人同時にお名前が挙がってきたので是非とご紹介してもらいました。あの声とあのパワーを最初の本読みの時に目の当たりにして絶対にいけるという確信を持てました。なかなかいない稀有なタイプの役者さんです。稽古中にハマツさんが「後藤田さんがすごく綺麗で汚れていない目をしている!!」と言っていたのですが本当にその通りで澄んだ綺麗な目をしていらっしゃっる。本番中もキラキラしているんですよー。杉岡役はただ賑やかせばいい訳ではなくてラストのお婆とのシーンを真面目にきっちり演じられる事が必要で、そこも含めて全力で取り組んでくださいました。裸にもなっていただき本当に感謝です。今となっては後藤田さん以外考えられないほど個性的な、最高な杉岡弘でした。

満面の笑み。声のボリュームが凄い。そして良い声。
うぐいす中

スヅキハヤツさん/柏木翔太役
昨年初めましての団体、エムロックさんに客演させていただいたのですが、そこで共演したご縁で今回お誘いさせていただきました。芝居への向き合い方がいいなあと思ったのと、翔太のカッコつけるカッコ悪さからの、ラストの寧々とのシーンで見せるカッコよさを無理なく演じてくださるのではないかなあと思ってお願いしました。
また相手役の私が色々な作業でなかなか稽古の時間が取れなかったりしてご迷惑をおかけしました。自主練にも付き合ってくださって感謝です。カッコいい翔ちゃんでした。
初演の時は普通のカップルだったのですが、今回はハヤツくんご自身がシンガーソングライターでもあるので、浅野さんにお願いしてミュージシャン設定にしてもらいました。春を見せる場面もネタの部分にも歌を入れてくれて、色々と考えてくれて。日替わりだったので今日は何だろうと袖で毎日楽しみにしていました。
ご自身の団体の公演の時は舞台の主題歌を作って歌っていらっしゃいます。
各音楽配信サービスで聴けますので是非!

このシーンの翔ちゃんは惚れますね
ゴリラの歌が私は一番お気に入りでした

沢海陽子さん/お婆(白粉婆)役
劇団と声優業界の大先輩です。AUNではもうかれこれ20年近く一緒にやっていまして、絶大な信頼を寄せている芝居への熱量が半端ない大好きな尊敬している先輩。
お婆は初演に作・演出の浅野さんが演じていた役で最初は男性で行く案も考えたのですが、作りこんだりせずにリアルに演じてお婆をやれる女優さんだったらどうなるのかを見たいなあと思ってオファーさせていただきました。
お断りされるかもなあと覚悟を決めてご連絡した所、快諾してくださって本当に嬉しかった。
AUNの有志ユニットの公演がコロナで延期になり、直前までそちらの演出をしながらこちらの稽古を平行してくださって大変だったのに、大分早い段階で台本を外して(台詞を覚えてきて台本を持たないで稽古する事)立ち稽古に参加されていました。他のキャストさん達も次の稽古から台本を外し始めたので先輩が背中を見せるってこういう事なのだなと改めて思いました。
後輩の立ち上げた小さな座組なのにガチで芝居に取り組んでくださって本当に感謝です。劇場に入ってから毎日毎日芝居が積みあがって進化していくのを目の当たりにしてお願いしてよかったなあと心から思っておりました。ラストシーンは圧巻でした。怖いけれどチャーミングなお婆をありがとうございました!

恐怖に引き込まれていく冒頭の長台詞。
お婆の思いがぐっとくるシーン

西村太一さん/榊木亮輔役
この方と知り合っていなかったら今回の上演は無かったです。
劇場を押さえてこの演目をやると決めて真っ先にオファーしました。
太一さんとは2006年に「シン。」という作品で初めて共演して、その後にお誘いいただいて観にいったのがこの「雪古森の春」でした。
ジャンベルさん以外にも他団体さん含めて数多くの作品で共演しており、絶大な信頼を寄せている数少ない同級生の俳優さん。
元々ジャングルベル・シアターさんの劇団員で浅野さんの現場をよく解っているし、なによりもきっかけを作ってくれた恩人なので是非一緒にやりたかった。
前回と同じ役をお願いしたのですが、初演よりも肩の力が抜けて年数を重ねた分の経験値が芝居に滲み出ていて、いい歳の重ね方だな~羨ましいなあ~と思っておりました。鶯次郎のしづマさんとのコンビネーションも抜群で幼馴染の空気感が素晴らしかった。初演の雪女の松宮さんが好きだったバッチリメガネのネタを入れたりと粋な事をしたりも。
仕込みとバラシもがっつり入ってくれてありがとうございました。

バッチリメガネはこちらです

ハマツタカシさん/杜若丈夫役
ハマツさんは知人と共演している舞台を以前から何度か拝見していて魅力的ないい俳優さんだなあという認識はありました。
キャスティング中にたまたま偶然ご挨拶させていただく機会があり、是非杜若役をお願いしたいと思って、浅野さんにお願いして繋いでもらって出演していただく事になりました。見ず知らずの人間のオファーを良く受けて下さったなあ。浅野さんへの信頼でお引き受け下さったと思います。気難しい方だったらどうしようかしらとドキドキしていたのですが気さくなとっても温和な方でした。
ハマツさんはとにかく芝居と台詞が的確で、そこです!というストライクゾーンに間違いない球を投げてくる。そして面白い。杜若さんはサイコパスな役柄なのですが、サラッと普通にしているけれど言っていることがサイコパスという芝居は簡単なようで難易度が高いのです。サラッと普通にやってますよという「芝居」をしたりとかやりがちな失敗例です。台詞と芝居を的確に相手に渡していくと浮き上がってくる異常性という芝居の構図に身を委ねているのが素晴らしかった。
杜若さんは今回予想外にお客様からの人気が高かったのですが、それはハマツさんが魅力的なキャラクターに演じて下さったおかげだと思います。俳優の力で役がすっごく良い役に見えたりする事があるのですが、それを出来る俳優さんはなかなかいないのです。

盗聴器が大活躍

程嶋しづマさん/柘植鶯次郎役
今作の主役をお願いしました。しづマさんは「天満月のネコ」で初めてご一緒して以来、ジャンベルさんの色々な作品で共演させていただきました。とても尊敬していて信頼している腕のある俳優さんです。
今回しづマさんも話が決まって直ぐのタイミングでオファーをさせていただいた所、出演を快諾してくださいました。鶯次郎の素朴な感じや一生懸命に雪女の為に羽織を染める事に奔走する姿を素敵に演じて下さるだろうと思ってこの役をお願いしました。鶯次郎がキャラクター的に嫌われるとお客様が共感して芝居に入り込んでいく事が出来なくなるので、みんなに愛される鶯次郎を出来る方にやっていただきたかった。
圧倒的な台詞量と出番の多さでしたが、凄まじいパワーとでも綿密に考えた繊細で丁寧な芝居で舞台の真ん中を担ってくださいました。鶯次郎の役割や芝居の部分をきっちりやって下さったから雪女のラストシーンが活きてきていたのだと思います。
前回のお寺の怪談の時もそうだったのですがいつも大変なポジションをお願いして、予想を上回る芝居をして下さるので私は本当に頭が上がりません。
素敵な鶯次郎をありがとうございました!

しづマさんはマイムがとても上手い。
そこまで入れるか!という細かい動作をそっと入れていたりします。

松下勇さん/うわん坊(1本ダタラ)
松下くんも「天満月のネコ」で初めて共演させていただいてからのご縁で、今回は「ヒュウガのココロ」以来、久しぶりにご一緒させていただきました。
昨年松下くんの所属の劇団えのぐさんの舞台を拝見した時に、俳優として凄くスキルアップされていて素敵なお芝居をしていたので是非!と思ってオファーをさせていただきました。スラリとしていて身長が高いのであわ坊の隼くんとバランスが取れるなあという所と、可愛いだけじゃなくて妖怪の得体の知れない感じ怖さを出していただけるのではないかと思ってうわん坊をお願いしました。ポーンと飛んだ時の移動距離が長く、あっという間に舞台の端から端に移動していたのがとても妖怪らしくて。リズム感が抜群で相手の芝居を受け取っての切り返しがとっても的確で上手いので芝居がブレる事が全くないのが素晴らしい。どんなボールもキャッチ出来るタイプの俳優さんです。体力的には本当にご苦労お掛けしたかと思います。あと稽古の時に代役でずっと入って下さったのも本当に感謝です。ご縁があれば次はシリアスな役を拝見したいなあ。

このシーンがお気に入りでした。

宮本京佳さん/雪女(ゆきめ)役
「雪古森の春」を上演したいと思った時に、「雪女は京佳さんしかいない」とずーっと考えておりました。ヒロインが登場した時にお客様の誰もが「雪女だな」という認識と納得が出来るビジュアルと、あの役をやれる女優としての能力をお持ちの方は京佳さんしか思い浮かばなかったのです。
元々「悟らずの空」で共演をしてからずっと、パン部という部活動をしたり温泉に行ったりとプライベートで仲良くしてもらっていたのですが、仲良しだからキャスティングするという事を私はしない主義でして。兎に角、役にマッチングするかどうかが最重要。だから絶対に京佳さんにやって欲しかった。極端な話、もしも京佳さんが4月のスケジュールがNGだったら時期を動かすくらいのつもりでおりました。
とても責任感が強い方なのは承知しているので、全力で役に取り組んで下さるのであろう事は全く心配していなかったし、心血注いで雪女を演じて下さって期待を上回る芝居をして下さいました。本当に心から感謝です。
ヒロインでやる事が沢山なのに雑務や作業も引き受けて下さって、私の事も気遣ってくださってね。一生足を向けて眠れません。

宮本朋実さん/雪華(せっか)役(雪童子)
みやともちゃんはコロナで緊急事態宣言が出るぎりぎりの2019年3月に上演した「五月の夢」で初めてご一緒させていただきました。その時はダブルキャストで別チームだったので稽古をずっと拝見させていただいたのですが、チャーミングで可愛いのに面白いネタなどにも果敢にチャレンジしていくパーンとした勢いと、出てくると舞台が明るくなるとっても華のある女優さん。雪童子は子供らしい明るさを持ちながら、ラストに「咲きたいよう」といって何百年もの長い間持ち続けた想いを吐露しながら消えていく所をやって頂く芝居を出来る女優さんでと思っており、是非とお願いしてご出演いただきました。
妹キャラのちょっと生意気なおしゃまでとっても愛らしい雪華でした。雪合戦のシーンが大好きでいつもニコニコしながら見てました。可愛かったなあ。
稽古中は五百厘ちゃんと二人で協力して色々ネタも考えて下さったり、芝居のプランも沢山持ってきてくれました。スタッフ作業も手伝って下さってご協力感謝です。

日替わりゲストさま

今回「黒子」という役がありまして、物語の中で大変大変重要な役でして。
芝居の腕がないと出来なくて、でも台詞はなく出番も少ない。
この出演の量で一人の役者さんにお願いするとなると、稽古する場面は少ないのに通し稽古など稽古に居て頂かないとならない拘束時間が長く、ネタバレもあるので宣伝しづらいだろうに別の仕事は入れられないという状況になるので厳しいだろうなあと思い、思い切って日替わりゲストでやって頂くという方向にいたしました。
ただし誰でも良いという訳ではなく、腕がある俳優さんでないと成立しない役で出来ない人がやるとラストにすべてをぶち壊す可能性があるので、これまたキャスティングは結構悩みましたし難航しました。
本当にびっくりする位の素敵なゲストさん達が出演して下さって!嬉しかったなあ。お引き受け下さったゲストの皆様には心より御礼申し上げます。
皆さんそれぞれ個性のある手練れな方ばかりで物語をきちんと締めくくってくださいました。

・砂原一輝さん
私の劇団の後輩です。場当たり・ゲネプロ・初日と一人の人にお願いしたくて劇団のメンバーに入ってもらおうと思っていまして、役にマッチするのが砂だったのでお願いしました。稽古でガッチガチに緊張してましたが無事に務め上げてくれました。
・及川崇治さん
ジャングルベル・シアターさんでの客演経験も多数あり、普段は商業系の舞台で殺陣で活躍中のおいちゃん。稽古の動画を事前にお送りした所、稽古初日に一発で普通に演じていてびっくりしました。誰かが稽古要らないんじゃない?(笑)なんて言っていた位です。めちゃめちゃ身体能力が高いし芝居もきっちり出来るので改めて凄いなあと尊敬。
・福地教光さん
すっとした立ち姿と居住まい、芝居は上手くてセンスも抜群な素敵な役者さん。台詞無しの役でお願いして良いものかしら?とドキドキしつつご連絡した所、快諾してくださって本当に嬉しかった!台本もきっちり読み込んでくださって流石でした。いい役者さんて台詞のある無しじゃないんだなあってしみじみ。宣伝も沢山ご協力くださってありがとうございました!
・梅田正浩さん
以前は小劇場や商業系の舞台に出演されていたのですが芝居は辞めて社会人になり、今年会社を辞めて一念発起で大学を受験。無事に合格して入学するために上京されるタイミングで照明さんからご紹介いただき、今回ご出演していただくことになりました。飄々とした様子で稽古にやって来られたのですが久しぶりの舞台出演で大変緊張されていたとの事でした。楽しんでいらっしゃったようで良かった!丁寧に黒子を演じてくださいました。
・梶原航さん
京佳さんのご紹介で今回ご出演いただく事になりました。芝居に真摯で向き合って役を色々と考えて稽古に臨んで下さいました。想いが溢れる芝居をしてくださって胆力がある黒子(鶯次郎)でした。なかなかあの黒い面を付けていると解りにくいのですが梶原さんはまっすぐに想いが伝わってきて。SNSでも沢山宣伝して下さり心より感謝です。

誰よりも大変だったのは日替わりで芝居をしなくてはならなかった京佳さんかと思います。人が変わっても全然ブレないのは本当に流石でした。

ゲネプロ撮影(黒子役:砂原一輝)/撮影:佐々木昌美

作・演出の浅野泰徳さん

出会ったのは「リヒテンゲールからの招待状」の再演なので、もうかれこれ15年位のお付き合いです。私が浅野さんに初めて「雪古森の春」が大好きな作品でいつか上演したいとお話したのはもう随分と前の事になります(ご本人は覚えていないかもしれませんが)。
コロナや諸事情がありまして上演がこのタイミングになりましたが、上演を許可してくださってご尽力いただきこの作品を新しい形で作り上げたのは浅野さんの力です。お客様が共感してくれたり、楽しんで下さる舞台を作り上げるのは作品がないとどうにもならない。この場をお借りして改めて御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
浅野さんは演劇界の中では唯一無二の作家で、妖怪や動物や民俗学をベースにした素晴らしい作品を書ける方は他にはいないと思っております。初演の時に雪女の長台詞に大変感銘を受けました。長台詞を上手に書ける脚本家って実はあまり居ないと私は思っていて。無駄がなくて詩的で気持ちと情景がうわーっと拡がっていくあの雪女の一人語りは浅野さんの才能を凝縮している台詞です。
この先も色々な団体さんや劇場で浅野さんの作品が上演されるといいなあと思います。他にも素晴らしい作品が沢山ありますし過去作のDVDも劇団で販売されていますので気になった方はぜひ。

あとがき

大変長文になりましたがここまでお付き合いくださってありがとうございます!
振り返るとまだまだ沢山エピソードはあるのですがこの辺で締めくくりたいと思います。自分の事に全然触れていないのですが、余力が有ったらそのうち書くつもりです。
改めてしつこい位に書いてますけれど自分一人では何一つできなかった。
支えて下さった全ての方に感謝と御礼申し上げます。
周りに感謝しながら、頼りながら、団体として演劇と共に少しづつ歩みを進めてまいります。
これからも気に掛けて下さったり応援して下さると嬉しいです。

「雪古森の春」これにてお開きです。

また劇場でお目にかかれますように。

ねことユリイカ
長尾歩

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