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18.坂口恭平さんの「躁鬱大学」に助けられた話

 自宅から最寄駅までの道のりに、たまに顔を出すレストランがあります。

 そこは障害を持つ方々が運営していて、これがまためちゃくちゃ美味しいんです。お盆で出てくる定食で、小鉢など副菜がたくさん。これは栄養満点。しかも量が多い、ご飯お味噌汁おかわり自由。そして安い!
 この間、ここで初めて出会った人と、一緒にお昼ご飯を食べたことがありました。

 そのうち「なんでここに来たんですか?」という話題になり、そこで初めてわたしは「双極性障害と診断されています」と打ち明けました。
 そしたら「わたしもそーなの!!同じー!」と、まるでそのままハイタッチでもしそうな明るさとテンション。

 わたしより少し上の主婦さんで、もうお子さんも大きくて手がかからないので、余った時間でここに通っているらしいです。とにかくとても明るい人で、よく喋る。そうなんですよね、双極性障害って基本的には明るい人が多いんです。

「わたしは親もそうなの!だから遺伝かもー」
「その服かわいー!どこで買ったの?あたしは適当にユニクロだよー」
「このあいだ、お花屋さんで可愛い花を見つけて、鉢で買ってここに持ってきたんだー」
「またここに来る?また話せるといいねー」

 そんな感じで気がつけば約2時間ほど、ずっと喋っていました。
 とても優しくて明るくて、細くて少しはかなげで、印象に残るタイプの方でした。またお話ししたい。きっとレストランに通えば、会う確率も上がるはず。
 ちなみにわたしが着ている服は、GUですよ。今度一緒に買い物でもしましょう!

 その方に、坂口恭平さんという方を教えてもらいました。

 坂口恭平さんはアーティストの方です。
 そして、坂口さんも同じ双極性障害で「躁鬱大学」という記事を上げていらっしゃいます。読むと面白いよって勧められて、家に帰ってさっそく読んでみました。

 すると!!
 衝撃が走るくらい、わたしと全く同じで、わたしの内面を全て見透かされたような感じ。なんでこんなに同じこと考えているんだろうってびっくりしました。もしかしてあなたはわたしですか?と錯覚するほど(この感覚も、そう思うでしょ?って記事の中に書かれています)。
 夢中になって読み続けました。
 文章も面白いので、興味ある方はぜひ読んでみてください。



「躁鬱病の人が生きていくためには、他の人とはちょっと違う技術が必要なんです」
「ちゃんと技術を覚えて、それをうまく駆使することができれば、躁鬱病という体質を持っている人も、健やかに生きていくことができるのではないかと僕は考えてます」
「不正を正すために怒りを感じ行動する。一見、大事なことのようですが、そう感じたのが僕、つまり躁鬱病の人ならば、注意が必要です。躁鬱病の人の場合は、ほぼ間違いなく躁状態に入っている証拠です。気をつけましょう」
「周囲の人、いやそれだけでなく多くの人から賞賛されたいと思っているということです。褒められるためだけに生きてます」
「性格じゃないんですよ!躁鬱病は病気というよりも、一種の体質です」
「大胆かつ繊細です」
「自ら『私は自己中心的な人間です』と言い切って生きれば、なんだか笑えてきます」

 たった2つの記事を読んだだけで、こんなにも自分に刺さる言葉がたくさんあるんです。そして坂口さんの躁鬱大学の講義は全17回です。これは読み進めるしかないでしょう。
 わたしがnoteを選んだのも、坂口さんの影響が大きいからです。

 教えてくれたあの方に感謝。そしてまた一緒にご飯食べて、残ったらお持ち帰りしましょうね!そういえばお互いまだ名乗ってなかったですね。次に会ったらまずはそこから。