初めてメンターになるあなた(私)へ
こんにちは、ポテンシャライトの寳田(ほうた)です🙋♀️
4月からの新生活を始められた方も多いのではないでしょうか?
「メンターをすることになったのですが、初めてのメンターって何から始めたら良いのでしょう?」
「受け入れ側のオンボーディング体制って何から始めれば良いのでしょうか?」
この類の相談は先月特に多かった気がします。実は私もポテンシャライトに入社して1年ほど経過した頃初めてメンターとして入社オンボーディングに関わらせていただきました。基本的に代表の山根・取締役の小原と私3名でメンターを行っていたのですが組織が拡大する中でメンターができる方を増やす必要性が出てきました。
入社オンボーディング施策はあるのに、受け入れ側(メンター側)のオンボーディングは整理されていないな、とふと感じたのでこれを機に整理してみることにしました。
今回はポテンシャライトが作成した受け入れ側のオンボーディングについて紹介していきます!
※ちなみに入社オンボーディング施策106選はこちら
1. オンボーディングとは
突然ですが、「オンボーディング」という言葉を聞いたことはありますか?
飛行機や船に乗る際に、チケットに“boarding”という記載を目にしたことはありませんか?機内、乗船という意味を持つon-boardから派生して生まれた造語であり、直訳すると "飛行機や船に乗り込んでいる" という意味です。
ある地点からある地点まで乗組員を運ぶ、という意味合いに、初めて物事に関わる人が、一定の理解を得て習慣的な利用が行えるようになるまでの期間を援助する、といった由来からきています。
入社オンボーディングとは・・・採用したメンバーの「受け入れ~定着・戦力化」を早期に行なうための施策のこと
今回は受け入れオンボーディングについて触れていこうと思います。
2. メンターになる前に。
事前に把握しておいた方が良いこと
最近候補者体験(Candidate Experience)や従業員体験(Employee Experience)を向上させるという流れが浸透し始め、この重要性を認識し色々と取り組んでいる企業様が多い気がします。
そしてポテンシャライトでは先日、Human Experienceという概念について発信させていただきました。
Human Experience とは
「選考」と「入社」双方の体験のこと
- 「選考」における体験 :CX(Candidate Experience)
- 「入社後」における体験:EX(Employee Experience)
を内包したもの
上記概念を捉えた上で、メンター時に事前に把握しておいた方が良い内容は3つあるかと思います。
① 社内制度・規則の把握
② 育成ポリシーや価値観の把握
③ 研修内容の把握
2-1. 社内の制度や規則
認識しているようで、認識していない社内の制度や規則はありませんか?メンターになると社内のルールや制度について聞かれることもあります。
弊社でもいろんなルールや制度があるのですが基本的に押さえておいた方が良さそうなものを事前に把握しておくことが重要です。
あくまで当社ではこの辺りがよく聞かれるため、メンターになる前のタイミングでこの辺りは一読するようにしています。特に自社ならではのルールや制度がある場合についてはなぜ自社にはそのようなルールや制度があるのかという「背景」まで伝えられると良いでしょう。
2-2. 育成のポリシーや価値観
みなさん「ポリシー」って持っていますか?
・私のポリシーとしては●●
・チームのポリシーとしては▲▲
・うちの会社のポリシーって■■
ポテンシャライトでは「人事」「組織」に関するポリシーなので【ポリシー=価値観】と定義しております。
この手の価値観はマネジメントを「する側」は持ち合わせているでしょうし、得意なマネジメント手法があるのではと思います。逆にマネジメント「される」側も好きなマネジメントがありそうな気がします。
できれば事前に
・自分はどんな価値観を持ち合わせているのか
・どのようなマネジメントをするのか
などとお伝えしておいた方がマネジメント「される」側からするとやりやすいですね。また、マネジメントは「人(マネージャー)」に手法を依存させるのではなく「会社全体」で手法を統一させた方が良いです。というのも仮にAというマネージャーからBというマネージャーに変わったとして、マネージメント手法が180度変わったら、部下も戸惑ってしまいますね。
「当社はこういった価値観でマネジメントをしているよ」という説明を可能であれば入社前にすることでギャップは少なくなるかと思います。
ポテンシャライトではマネジメントに限らず、ポリシー(価値観)を言語化しています。
ポテンシャライトではご入社いただくメンバーへ「入社のしおり」を事前にお渡ししているのですが、その中に会社のポリシー・自身の価値観・自身のポリシーの内容を内包するようにしています。(会社のポリシーと自身のポリシーの内容が全然違うものになることはあまりありません)
参考までに
入社のしおりは こちら👇
2-3. 研修内容の把握
入社オンボーディングのnoteで以前記載させていただきましたが、入社オンボーディングを目的別で整理すると9つの要素に分けられることがわかりました。
認知・・・新メンバーに知っておいてもらいたい情報(口頭ではなく文字情報で共有可能)
※例:業界用語、社内ルール、ツールの使用方法など
準備・・・入社に際して社内で必要な準備
※例:アカウント発行やPC・備品などの事前準備、発注など
手続き・・・契約書などの事務的な手続き
※例:社会保険、秘密保持契約など
サポート・・・心理的安全性を確保するためのサポート
※例:質問の共有の場の設置(Slack)、メンター設置など
コミュニケーション・・・CEO・上長・メンバーとのコミュニケーション
※例:歓迎会、ウェルカムランチ、1on1ミーティングなど
研修・・・実際の業務についての研修
※例:入社前研修、研修動画・マニュアルの配布など
成長・・・中長期的な成長を可視化
※例:3ヶ月振り返りミーティング、1日目標設定、1ヶ月目標設定、振り返りプレゼン大会など
感動・・・受け入れ側のウェルカム感を感じて、感動してもらえるような施策
※例:入社歓迎メッセージ、新入社員の机を飾るなど
逆フィードバック・・・自社オンボーディング向上のための新メンバーにフィードバックをもらう
※例:逆フィードバック会、入社後アンケートの実施
「研修」の中で抑えなければならないのは何なのかは事前に把握しておいた方が良いでしょう。ベンチャー企業は大手企業と比較して入社受け入れ態勢が整っておりません。そのため「入社したら主体的に仕事してください」という言葉をかけ、それ以降は放置、ということも発生しています。ベンチャー企業はマンパワーが少なく、研修に時間がかけられない事は理解できますが、これでは優秀な人材が早期戦力化するために必要以上に時間がかかってしまいます。
一方で、戦力化のためだけに「研修」が重要なのではありません。多種多様な情報提供、心理的安全性を保つことで、入社後に早期活躍できるかどうかは変わってくるので、提供をする、という意味合いでの「研修」が必要だと考えています。ちなみに当社では直接研修を実施するものと動画視聴型の研修を分けて実施しています。
直接山根もしくはメンバーから行っている研修👇
動画視聴型研修👇
3. 受け入れフェーズ別に実施することをまとめてみた
上記入社オンボーディングには9つの目的別でやることがあるよというお話をさせていただきました。内定承諾(=入社決定)をいただいてから入社当日までの期間、入社してから数ヶ月の期間メンターとして実施した方が良いことを整理してみましょう。
※今回は大枠を説明させていただきますが、より入社オンボーディングの詳細を詰めたい場合はこちらのnoteをご参照くださいませ。
3-1. 入社決定〜入社1週間前
このタイミングでは主に「準備」と「サポート」体制を構築しましょう。
準備 :アカウント発行や備品・PCの準備
サポート:質問の共有の場の設置(Slack)や入社のしおりを入社メンバーへ展開
そのほか見落としがちなのが
・入社メンバーとのキックオフ面談の実施
・既存の社員への周知
です。
入社決定してから当日までの空白の期間。メンターと入社メンバー間で何もコミュニケーション機会がなかった場合、何かしら不安を感じることもあるのではないでしょうか?
また社内においても入社決定したメンバーがいつ入社するのかを知らずに入社してくるというのはあまり良くないなと。かつ入社前日に「●●さん、明日入社です!」と周知があるのも既存メンバーも準備がままならないまま入社をお待ちするというのもCX(Candidate Experience)観点から見てもあまり良くないですよね。
なるべく入社1週間前くらいまでに準備やサポート体制を構築しておくと良さそうです!
3-2. 入社1週間〜入社1日前まで
入社1週間前〜入社1日前。入社してくださるぞ、というイメージが徐々に鮮明になってくるかと思います。このタイミングでは「研修」体制や「手続き」系を進めてしまいましょう!
このタイミングで抑えておきたいのが
・入社メンバーのカレンダーの設定。
入社メンバーは入社してからさまざまな研修などがスタートします。また、入社当日に各種手続きやウェルカムランチなどを実施する場合、あっという間に1日が終わります。
そのため事前に入社後1週間の入社メンバーのカレンダーを設定しておくと良スムーズですし、「このカレンダー通りに一旦進めますよ」と事前に入社メンバーへ伝えておくと入社1週間のイメージはつきやすいかと思います。
当社の場合は主に下記のような研修が行われます。
・認知系の研修:各種ツールの使い方や、Mission/Vision/Value/Culture研修
・業務系の研修:職種/業界研修
そのほか、MTGの同席も随時スタートするため、どのMTGに同席いただくか含めてカレンダーの設定をしておくと余裕を持って進めることができます。
3-3. 入社当日
入社当日。当社では目標設定MTGをメンターと入社メンバーで実施しております。入社してからどんな成長を描いているのか、どんな自分になりたいのかを掴んでおくことで入社メンバーに成長していただくための枠組みを考えやすくなるものです。
目標設定MTG資料例👇
3-4. 入社1週間後~3ヶ月
大体の企業が入社3ヶ月目までがオンボーディング期間なのではないでしょうか?当社でも基本的に入社3ヶ月までをオンボーディング期間として実施しています。
入社してからは主に早期立ち上がりという目標に向けてメンターとメンティーの間で進めていくので当社では細かい内容は整理していないのですが、共通して実施していることのみ整理しています👇
入社1ヶ月ほど経過したタイミングで実施していることは下記2つです。
・研修内容のテスト
・スキルチェックシートのチェック
入社1ヶ月目はメンターのMTGの同席を行いながら研修がメインになります。研修を実施しているのにスキルの振り返りがないと自分が今どの立ち位置にいるのかは分かりずらいですよね。そこで実施しているのがテストです。
研修内容のテスト👇
このほかポテンシャライトでは毎月1回、全社共通でゼロイチテストというものを実施しています。企業様へ常に新しいノウハウを共有すべく月1で今月アウトプットしたゼロイチブログ(note)の内容に関するテストを行っています。
また、HRパートナーとして今どのくらいのスキルを持ち合わせているのか、あと足りないスキルは何なのかを把握するのも重要です。
MTGにおけるスキルチェック👇
業務スキルチェック👇
支援内容経験チェック👇
4. より良いオンボーディングを目指すために・・・
ここまで基本的な受け入れ側のオンボーディングの枠組みや流れは理解していただけたかと思います。ただ、ここまで整理したとしてもオンボーディングを行う過程の中で様々な壁にぶつかってしまいます。当社もメンターを実施しているメンバーから、メンティー側からオンボーディングについてフィードバックをいただく場を設けているのですが様々な課題が上がってきます。課題だらけですが、課題があること=健全だと思っているのでアジャイルで改善し続けていく必要があります。
より良いオンボーディングを目指すためにやっておいた方がよかったな〜と個人的に感じたものを2つほど。
4-1. 「メンターの役割」を明瞭にしておく
ベンチャー企業の場合、というか当社の場合は「とりあえずやってみよう」で走り出すケースが多いため、あまり役割を明瞭にせずオンボーディングを進めながら日々改善を進めてきました。そんな中でメンターとして実施した方が良い内容や、全社として実施した方が良い内容、マネージャーとメンターの違いなど役割が明瞭になってきたのでメンターの役割をこのタイミングで明瞭にしました。
会社の育成・マネジメントポリシーを参考にメンター間で良いマネージャーの定義を思考し、メンターとしてのアクションをベースにチェックリストを作成しました。
4-2. メンター同士のPDCA
メンターが増えてくるとメンター同士で似たような課題にぶつかっていることもあるものです。メンター1人が改善しにいくというよりは全社として解決しに行った方が早いこともありますね。
当社ではメンター向けのオンボーディングBookを作っているのですが
下記2つを実施しスピーディーに課題の改善に動けるようにしています。
・Bookに関する意見はフォームで回収
・そのほかのメンター同士の相談や質問はプライベートチャンネルを設置
初めてのメンターを務める際、この進め方で果たして良いのかどうか思いの外不安になるものです。はじめから完璧である必要はないですし、メンター同士で助け合いながら解決していきたいなという想いでこのような取り組みを実施しております。
5. 最後に
いかがでしたでしょうか。今回は初めてのメンターになる方向けに受け入れ側のオンボーディングについてお伝えしました。まだまだ当社も課題だらけですが、入社オンボーディング・受け入れオンボーディングの改善は入社年次に関わらず、全社で進めることができます。日々フィードバックをしあいながらより良いオンボーディングを創り上げていければと思いますし、今後もオンボーディングを進める過程の中で発見したノウハウ含めてアウトプットしていけたらと思っております◎!
※当社の採用/人事組織系支援にご興味がある方はお気軽にお声掛けください
最近リリースをしたポテンシャライトのノウハウを取り入れたATS Opela(オペラ)にご興味をお持ちの方はこちらよりご連絡ください 👇
今後も採用/人事系のアウトプットを続けていきます。
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