見出し画像

今の状況に満足できない人へ

私のこれまでの人生、これと言ってこれがしたい!というものがなかった。

周りではプロのミュージシャンを目指す子や、美容師として自分の店を出すために毎日遅くまで練習に励む子や、自営業を継ぐために修行する子、いろいろいる中、私も何か夢中になって目指せるものが欲しかった。

とりあえず少しでも興味があるものを趣味にしてみたり気になったら手をつけてみたりしたけど、どれも人生を変えるほどの出会いにはならなかった。

そういうこともあって私は結婚がしたかったのである。若いうちに結婚して綺麗なウェディングドレスを着て盛大な結婚式を挙げて1、2年後には子供を産み…
普通でいい、普通で。

そんな風に思っていたけどその普通は一向にやってくる気配がなく30才をすぎてしまった。

30を過ぎてからは友達と海外旅行に行ったり、仕事帰りに1人で飲みに行ったり、ジムやヨガに通ったりして好きなことをして過ごしたが、毎日満たされることはなく常に退屈だと感じていた。

そして、30を過ぎて独身でいることに対して肩身が狭く、周りからの目をとても気にしていた。
結婚できなくてかわいそう、イタイ、そんなふうに思われてるのではといつもビクビクしていた。

今思うと多分、自分が一番そう思っていたのだと思う。

周りはどんどん結婚して“普通”の幸せを育む中、その普通ができない。相手は普通の人でいいのに、普通の人からも選ばれない自分に絶望していた。

と、結婚前の自分はこう。

結局、国際結婚という形で結婚をして海外に住むことになり自分が想像していた“普通”とはちょっと違う形にはなったけど概ね納得はしている。

ただ、念願の既婚者になった今、過去の自分を振り返ってこう思う。

30過ぎて独身…結構じゃないか。かわいそうなわけがない。最高じゃないか。今日仕事が終わったら飲みに行くかヨガに行くか毎日迷い、結局家で惣菜とビールでダラダラ過ごす…今となっては夢のような生活。

あんな風にふさぎ込まずに堂々としていれば良かったなと。

私の友達には長い妊活の末、諦めて夫婦2人の道を選んだ人がいる。

その人も大きな傷を抱えて生きていて自分を子ナシ子ナシと蔑む。

その人の心は独身時代の私と同じ、普通に結婚して普通に子供が産めなかった痛み。普通になれなかった傷。

独身時代の私から見たらその人は少なくとも一緒に歩むパートナーがいるんだから幸せじゃないか、と羨ましく思い、

今の私から見たら、夫婦2人だけの人生も悪くない。お金にも時間にも余裕があるし、ゆっくりと2人の時間を楽しめるじゃないか。

と、全く惨めになんて思わない。
けど本人は周りから同情され、腫れ物のように扱われてると思っている。

実は本人が一番そう思っているから。

結局何が言いたいかと言うと、どんな状況であれ受け入れて堂々としようじゃないかってこと。

今の私は一歳になる娘の子育てに追われておしゃれよりも機能性を重視したダサい格好に一つ結びの髪の毛にスッピンで外を出歩くようになり、毎日忙しくて自分の時間なんてほとんどない。

でも過去の自分から見たら夢にまで見た家庭を持ち、“自称子ナシ”の友達からは子供ができて幸せ者だと思われる。

私は私であぁー独身時代は楽しかったなぁと懐かしみ、娘が巣立ったあと、夫と2人で過ごす時間を楽しみにしている。

要は、どんな状況も悪くない、ってこと。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?