今年の春、私を思い出す旅をした。後編
どこにいても、誰といても、私の「好き」や「大切にしたいこと」は変わらない。
それは子供の頃に好きだったもので、忘れてしまっていたことかもしれないし、大人になってから沢山の出会いの中で、見つけたものかもしれない。
すでに昔から分かっていたはずなのに、子供時代の私はその環境から自分の心を守るのに必死で、大切なものを曝け出して傷つけられないように、胸の中にしまいこんでいた。
大人になってもその癖は抜けなくて、相手の表情の変化に気づいてしまうのが怖いし、その場の雰囲気が変化するのを感じやすいから集団行動は苦手で、自分を卑下して嫌われないように取り繕ってしまう時もある。自分のことばかりなことに嫌気が差して、上手に生きられないことが悔しいと思う時だってある。
でも、だからこそ、できることもあるんだと思いたい。
全てが必要な経験で、それがあったからこそ今の私と出会えてるんだと思っているし、それがあったから、今周りにいてくれる人たちと出会えて、少しでも違っていたら、今はないのだと思ってる。
人生で後悔したことは3つしかない。
なぜなら自分でそう決めたから。3つとも大切な存在だったけど、失った命は二度と戻ることは無い。だからこそ私は生きなくちゃいけないし、目の前にある、小さな幸せがこぼれ落ちてしまわないように。そんな生き方をしなくちゃいけない。
好きなものを堂々と好きだと言って、大切な人たちに素直に好きだと伝えて、目一杯抱き締めたい。
大切な人たちの良いところを見つけて、誰よりも伝えたい。
しっかり毎日食べて、寝て、動いて、この世にひとつしかない体を大事に扱いたい。
今日は天気が良くて気持ちいいなとか、あの花や空が綺麗だなとか、当たり前に過ぎてしまう日々の小さな変化に感動したい。
誰かと比べて生まれた正解不正解で、全てを否定したくない。
誰かの手を引っ張ったり、前へと強く進み続けることは、私にはできないかもしれない。でもそんな私だからこそ、できることがあるはず。ㅤ
正しさで選ぶのではなくて、自分が信じて離さないできたものを大事にしたい。どんな人も持っている弱い部分に寄り添える人でありたい。
毎日の小さな幸せに感謝できるように。
忙しない日々に心が欠けてしまわないように。
今日まで残してきた足跡を愛せるように。
終
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