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#新明解国語辞典

『「言海」を読む』を読む

『「言海」を読む』を読む

「言海」を読む

というタイトルの本の読書記録というと、誰もがこんなタイトルを付けたくなるのではなかろうか。

『「言海」を読む』を読む

なので、そうした。

『言海』とは何か。

著者はこういう。だが、それほど知られた辞書だろうか。私などは、つい最近、半世紀も生きてようやくその存在を知った。それは単に私が無知であったからという可能性もあるが、若い方はもとよりそれなりの年齢の方でもご存知ない方は

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『辞書になった男』、そして辞書と私

『辞書になった男』、そして辞書と私


『辞書になった男』188頁以前より気にかけていたこの本を開いたのは日曜日で、その日一日でほぼ半分を読みきってしまった。翌日の通勤電車の中で、会社の昼休みで、やはり読み続けた。

そうしてさしかかった188頁。その中央の段落を切った後の五行の文章。

そのわずか五行の文章を読んだとき、まるで時間が止まったように感じた。時間も空間も凍りついたようで、そこにあるたった数行の文字をただひたすら凝視してい

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向田邦子と辞書と謎解き(6)、そして最終回

向田邦子と辞書と謎解き(6)、そして最終回

読友さんからのコメントをそのまま引用させていただく。

新明解!
しかも第二版!
もう、びっくり仰天である。

ちなみに。
読友さんはこちらにその辞書を写メでアップしてくださっている。

これを見たときどれだけ興奮したろう。
どれだけ眺めていたろう。
嗚呼。
向田邦子さんはこの辞書を見られていたんだ。

そう言えば「明解」は少し引きにくい。
横書きが右から書いてあるからだ。

向田邦子さんは、19

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向田邦子と辞書と謎解き(5) 小休止、ちょっと整理してみる

向田邦子と辞書と謎解き(5) 小休止、ちょっと整理してみる

いったい、どれだけの辞書で「なみだ」をひいたかしれない。だが、もしかすると、鍵は「なみだ」ではなく「なみにく」なのかもしれない。
新明解第四版に「えんきょく」という表現が出てくる。

【向田辞書】(上肉・中肉に対して)値段の安い肉のえんきょく表現。

【明解国語辞典初版】「なみにく」なし。

【三省堂国語辞典第六版】「なみにく」なし。

【新明解国語辞典第四版】〔上肉・中肉などと違って〕「値段の安

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向田邦子と辞書と謎解き(2)

向田邦子と辞書と謎解き(2)

向田邦子氏がこだわった「なみだ」の語釈。
これが書いてある辞書が見当たらない。
そういうようなことを読書メーターでつぶやいた。
その時、助けてくれたのが読友さんだった。

『向田邦子の本棚』

そういう本があるのだそうだ。
そしてそこに書いてある辞書は・・・。

『三省堂 明解国語辞典』

なるほど。
明解国語辞典ならありそうだ。
是非ともひいてみたい。
が、手元に明解国語辞典がない。

というよ

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