映画感想#24 「コーヒーをめぐる冒険」(2012年)
原題 Oh Boy
監督・脚本 ヤン・オーレ・ゲルスター
出演 トム・シリング、マルク・ホーゼマン、フリーデリッケ・ケンプター、ユストゥス・フォン・ドーナニー、フレデリック・ラウ 他
2012年 ドイツ 85分
コーヒー&自分探し中の主人公にほっこり
モノクロ映像にジャズが重なり、雰囲気は抜群。
監督ヤン・オーレ・ゲルスターは、意図的にヌーヴェルヴァーグの雰囲気を取り込んでいるようです。
ストーリーは、大学を中退したニコという青年が、とある1日にひたすらコーヒーを飲むことができず、不運に巻き込まれていくというお話。
ことごとくコーヒーが飲めないところに、くすっと笑えるユーモアがあります。
「周りと自分との間に違和感を感じるんだ」と、自分探し中のニコ。
上手くいかなくて、でも生きていかなきゃならなくて。でも何もしたくない、できない。でも何かしないと生きていけない。
…あれ、もしかしてこれって、誰もが一度は通る道なのかも?
絶えず努力し、前に進み続けることが評価される世の中ですが、ニコのように一度立ち止まって考えてみる時間も、きっと大切なんだと思います。
自分の生き方をゆるりと模索するニコに、少し勇気をもらえました。
☆観賞日 2014年3月17日
投稿に際しての余談①【ベルリンの思い出】
この映画の舞台はドイツ・ベルリン。
実はこの映画、ストーリーよりもベルリンの街並みを堪能できることが醍醐味かもしれません。
かなり前になりますが、2013年の夏に1ヶ月だけドイツに留学しました。ベルリンから見ると南西に位置するライプツィヒという都市でしたが、休日にはベルリンへも2度、プチ旅行をしました。この映画にも出てくるテレビ塔の周辺を散歩したり、Sバーンに乗ったり。
実際に行ったことのある場所を映像で見るのは楽しいですし、色々な思い出も蘇ってくるものです。
一番の思い出は、博物館のクロークで現金を盗まれたこと。
博物館島にある新博物館(Neues Museum)にて、財布を入れたままクロークに荷物を預けたのですが、戻ってきたらちょうど100ユーロ札がなくなっていました。スタッフに盗られたみたい。かなり移動してしまってから気がついたので、やむなく泣き寝入り・・・。まあ、注意が足りなかった自分が悪いんですけどね。
それ以降は、現金は肌身離さず持つようにしています。
投稿に際しての余談②【原題は「Oh Boy」】
このタイトルの理由について、監督はこのように語っています。
これをそのまま直訳すると「あぁ、少年」となり、これまた謎のタイトルになってしまいます。それか、そのままカタカナで「オー、ボーイ」?
う〜ん、邦題「コーヒーをめぐる冒険」というのは、合っているようで合っていないような…。「コーヒーをめぐる1日」というのはどうでしょう?
・・・難しいな、邦題。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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