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Annaの日記 世界一適当な子育て論④

 もう9か月、たった9か月。あっという間だったが、同じ子?と思うくらい我が子は成長した。


 子育てに限らず、人生の色々な場面で思うのが、適当な人間のほうが色々な事がうまくかわせてうまくいくと感じている。

 神経質、完璧主義、マニュアル命・・・出来ない自分からしたら羨ましい反面もあるが、生きづらくないかなと時々そんな人をみると感じる事がある。

 完璧主義と自分でよく自慢げにいう人がいるが、私から言わせれば完全にオナニーの世界だ。
 あくまで相手の為ではなく、自分の気がすまないから完璧にしてしまうのである。

 しかし、この完璧主義というのは育児の世界でやろうとすると頭打ちになる。
 まず我が子と言えど違う生き物。自分の事ではないからそうそう思うようにはいかない。
 しかも相手は「人間」と呼べないくらいの動物相手だからなおさらだ。



 生まれる前に育児書を何冊もかって、準備運動している人は多いと思う。
 頭いっぱいにシュミレーションしているが、フルカラーで3歳くらいまでの事がたった200ページに収められている。


 そんな簡単にいくわけねーだろ!!


 中途半端な情報だけを頭にいれて、実際の育児に取り掛かるからパニックを起こすのである。
 10人赤ちゃんがいれば10通りの性格がある。男女でも全然違う。
生まれた季節、生まれた体重、育てる側の環境、人それぞれ全然違うのに、そんなんを
たった200ページに収められて、少しでも教科書とちがったら
「うちのこは普通じゃないのかも!!」と焦ってしまうのだ。


 そして、大半の育児書にはこの令和の時代にもまだ

「母性神話」だの「母乳絶対説」
  という考えを押し付けようとしている。

 女性の半数以上が育児休暇で1年で復帰するのが当たり前になっているご時世に「3歳までは母親と一緒にいないと不幸になる」だの
「母乳で育てないと愛情が薄い子になる」などと昭和通り越して大正時代の話ですか?と言いたくなるような事を堂々と書いている。

 おっぱいが出ないお母さんは母親失格なんですか?
 赤ちゃんを食わす為に、半年で保育園に入れたら将来子供は犯罪を犯すんですか?

 こんな簡単な事を、真剣に悩むお母さんは本当に多い。


 私は1年で仕事をするつもりでいるし、おっぱいは出ていたが、酒タバコを再開したかったので早い段階でミルクに切り替えた。

  しかし、そのことで罪悪感を感じた事はないし、愛情がないわけでもない。
 子供が私になつかない事もないし、親子関係は良好そのものだ。
 病気もなく元気そのもの。よく笑う子供に成長している。

  母性神話という、すべての自分を犠牲にしてでも子育てに注力したら
 母親がうつ病になって、根底から崩れてしまう。


 私も最初はそうだった。
仕事もしていない状況で子育てしかないのだから
家の事、子供の事は自分が全部するという意気込みで自分を後回しにしたせいで自分の首をしめて追い込まれた。

 やっと悪露(出産後の出血)が産後2か月くらいで終わったと思ったら、毎日腹痛がおこり、
また出血し始めて病院に行った。原因は不明。
 何と言葉に表せばいいのかわからないストレスが溜まっていたのは確かだった。

 その病院で、子連れOKのママヨガ教室を見つけた。
 初めて「自分時間」を持てた時の、たった1時間リフレッシュできた喜びは今でも覚えている。(半分は子供が泣いて邪魔されたけど)

 その時の先生が「お母さんの心身が豊ではないと、子供に影響するのは確か。イライラ疲れた状態で子育てするのが一番よくない。笑ってない母親は子供も笑わない。余裕のない母親は子供も余裕がない。
 ヨガでもなんでも子供ばっかりじゃなくて自分の時間をまずもつ事が大事。子供はそんなに簡単に死なないから」と言ってくれて曇っていた私の心が明るくなった。


 私は12月の寒い時に子供を産んで、この病院にいくまでスーパーと家族の用事以外ほぼ家を出ない引きこもり生活だったため、本当に色々なストレスが溜まっていた。

 病気きっかけだったが、大きな転機になった。

 幼稚園に入るまで、私は自分という人間をすべて犠牲にしてでも「赤様」に奉仕するものだという呪縛が解けた瞬間だった。
 適当育児に拍車がかかった。でもそれが正解だったと今でも自信をもって言える。


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