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Annaの日記 「お子持ち様」特権乱用①

40過ぎまで独身だった私は、これでもかってくらいこの「お子持ち様」の被害を受けてきた人間だ。ネットで物議になっているこの「お子持ち様」問題


  痛いほどつぶやいた人の気持ちがわかる

 今や私が「お子持ち様」予備軍になってしまったが、やはり、痛みを長年味わっているため、こうは呼ばれたくないと感じつつ、育児休暇を取っている時点でもう「お子持ち様」の仲間入りをしている事に間違いはない。
 マイナス1の状態で、産前産後を入れると1年以上も残された同僚は苦労をする。

 その上、やれ産休前の花束だ、生まれた出産祝いだと意志関係なく徴収され、残業代が祝いのお金に消えていく。



 私は20代の時に、育児休暇から戻ってきた「元祖お子持ち様」の印象が強烈にあり、まじで会社の邪魔とまで思った事がある。

 ヒガミもあっただろう。当たり前のように結婚出来て、当たり前のように子供を産んで・・・しかし私は彼女の一言を今でも覚えている。


 「子供とずっと一緒にいるのが苦痛で、社会に取り残されそうになるのが嫌だったからレジ打ちでもいいから働きたかった。」


     仕事なめんなよ!!


  なら、この会社の正社員にしがみついてないでレジ打ちしてろよと本気で思った。
  当時はまだ育児休暇は制度はあれど、はやり両立が難しく、産休=退職をとる人が多い時代だった。例外なく辞めると思っていたが、なんと彼女は育児休暇を1年取って戻ってきた。

 20代の私でも、なかなか体力のいる部署だった。一部上場にいたが当時は見込残業代がついただけで、ほぼ無賃でもみな遅くまで働いていた。そんな部署で1歳の子供を抱えながら出来るような職場環境ではなかった。
 その上、彼女はあまり仕事が出来るタイプの人間では決してなかった。

 誰も彼女に期待はしていないが、腫物をさわるように定時には帰すよう仕事を調整して、余計仕事が増えているような状況だった。

 本人が一番わかってたはずだ。この職場環境で両立なんて不可能なことを。その前に自分の能力を。

 しかし、そういう人間に限って、根性が座っているというか、空気が読めないというか、特権乱用で「お子持ち様」を堂々と発揮していった。

 「子供が・・・」「子供が・・・」
 大体、8時56分に会社の電話がなると相手が誰が皆がわかるようになっていた。

 しかし、こういう人間に限って、「迷惑をかけたくいなから」と自分でやりとげようと内容を共有せず、進捗がわからず急に休むから周りが振り回される。翌日すみませんと言いながら、「お子供様ですから」と言わんばかりの状況だった。こういう人間に限って嘘が上手と思っているのは本人だけでバレバレの嘘も平気でつくようになる。
 無駄にいきこんで、育児休暇の仕事復帰で、服装や文具が次々と新しくなる事を揶揄するように彼女に話かけると嬉しそうに昨日買いに行ったといった。とうとう頭にきた同僚が「昨日子供が熱で休んだって言っていたよね」と全員に聞こえるくらい
大きな声でキレた。

 すると、会社を休まなくなった。逆効果だった。今まで半分お子供様の言い訳が嘘とバレた穴埋めをしようと無理した為、本当に体調も精神も壊してしまった。それをまた会社に訴えるから上司も危うい立場になり、正直全員が不幸になった。


いない方がよっぽどストレスがたまらず仕事がはかどった。

   誰かがつぶやいた、仕事量が1.3倍になる。まさにその通り・・・


 この思いから20年弱社会にもまれ、今や私も「お子持ち様」になった。
社会は変わり、男性まで育児休暇をとる時代。女性の社会復帰はもう当たり前で、結婚どころか出産で辞める人なんてほとんどいなくなった。


 しかし、今私は真剣に悩んでいる。また半年以上育児休暇があり、
戻る場所も約束されているが、果たしてそれが正解なのか本気で悩んでいる。

                  ~続く~



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