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おすすめの邦訳アメコミ(DC)

はじめに

MARVELやDCなど、アメコミ原作の映画やドラマは面白い。
それらの作品を楽しんでいると、映画やドラマではこんな展開だけど、原作ではどんな感じなんだろう?と思う瞬間がやってくるだろう。

 
それすなわち、アメコミの読み時。


 しかしながら、英語まみれの原書を読むのは敷居が高いという方がいるかもしれない。

ご安心を。

アメコミはヴィレッジブックスShopro Booksなどといった日本の出版社によって邦訳されているので、原書を脳内で翻訳しながら読み進めるなどといった苦労なく作品を楽しめる。

邦訳アメコミはどこで買える?

原書アメコミは専門店でしか買うことが出来ないが、邦訳アメコミは駅の本屋に売っていることが多い。

※住宅街の多いような地域の本屋さんでは取り扱っていない、またはすぐに売り切れてしまっている場合が高い。

中古の邦訳アメコミの場合はまんだらけや古本屋等の買取専門店などで売っていることがある。

古本屋などでも、絶版になった掘り出し物が売ってたりすることもある!

一番手っ取り早いのはAmazonで購入すること。原書も邦訳も。

おすすめの邦訳アメコミ

実写作品に出ているキャラのコミックでの活躍を読んでみたい方や、これから実写化されるキャラのコミックでどんな個性を持ったキャラクターかを予習しておきたいという方、アメコミに手を出してみたいという方に向けたおすすめの邦訳アメコミをアルファベット順+時系列順にご紹介していきます。

「アクアマン:NEW 52」関連作品

オススメ度:★★★★★

アクアマンについては映画でジェイソン・モモアが演じたこと、そして単独映画がヒットしたこともあって知っている方や好きだという方も多いだろう。

映画のアクアマンはジェイソン・モモアの持ち合わせている人懐っこさが十二分に反映されているが原作のアクアマンは多くの人に評価されているが、高潔で王らしさを感じさせる。

そして、魚と話せるという過去のコミックの描写から人気コメディドラマにおいて、アクアマンはダサいというセリフがあるくらい不人気キャラだったアクアマンを人気キャラにのし上げた。

本作は、アクアマンが不人気キャラで馬鹿にされる対象であったことは本作の中で市民の目線として反映されている。

そんな状況下であってもアクアマンやメラは名声を求めず、水と陸の二つの世界を守り続けるその姿や、彼らを馬鹿にすることなく世間での笑い者としてではなくヒーローとして正当に評価する市民もいることから、彼らは決して孤独でないことに胸を打たれること間違いなしの傑作。

なお、途中にジャスティス・リーグのタイトルがありますが、当シリーズのアクアマンの第2.5巻と言っても過言ではない作品で、アクアマンをメインとしたエピソードとなっており、第三巻の王の遺産へ直結しているのでシリーズに含むことにした。

「バットマン:キリング・ジョーク」

オススメ度:★★★★☆

ジョーカーといえば抑えておくべき一冊。

後継のコミックに留まらず、ゲーム作品、そして実写作品などあらゆる作品がキリング・ジョークの影響を受けていることは明白。

また、ジム・ゴードンの娘であるバーバラ・ゴードン/バットガールの人生に大きな影響を与える出来事が起こったことも特徴的で、バットガール関連タイトルで本作の事件が彼女にとって大きな出来事として引用されているのを邦訳のアメコミの中でも多く見かけ、本作品の続編のようなストーリーの「バットマン:スリージョーカーズ」でもキリング・ジョークの出来事が十分に反映されている。必読。

「バットマン:笑う男」

オススメ度:★★★★☆

バットマンとジョーカーの出会いを描いた重要な
本作は先に、前述のキリング・ジョークなどのジョーカー関連の名作に比べるとやや地味な作品ではあるものの、バットマン:喪われた絆の前日譚やバットマン:ゼロイヤーの後日談として読んでみたりと人それぞれの楽しみ方ができる作品。

実は本作はバットマンとジョーカーの出会いだけでなく、バットマンが現れる前のゴッサム・シティを活動の拠点としていた魔法の指輪を使ってヴィランと戦う初代グリーン・ランタンのアラン・スコットバットマンがチームを組む短編も収録されています。

個人的にはそちらの方が面白かったと思うくらいの名作エピソードなだけでなく、邦訳でアランの活躍をしっかり読むことができる。

「バットマン:レッドフード」
関連作品

オススメ度:★★★☆☆

バットマンの相棒のロビンにはさまざまなバージョンがおり、4〜5人(ディック、ジェイソン、ティム、ダミアン、ステファニーなど)のバージョンが存在しているが、当シリーズのメインキャラクターとなるのは2代目ロビンとなるジェイソン・トッドで、彼はドラマのタイタンズに2代目ロビンとして登場していることから国内でも少し知られ始めているかもしれない。

第一作となるデス・イン・ザ・ファミリーでは、なんとジェイソンは死亡。彼の死後、傷心気味のバットマンは三代目ロビンであるティム・ドレイクと出会うという二つのエピソードが収録された一冊。

一作目の続編となるアンダー・ザ・レッドフードでは、かつてジョーカーになった男がジョーカーになる前に名乗っていたものと同じ名前を名乗る謎の人物、レッドフード(バットマン:ゼロイヤーを参照)が現れ、バットマンは正体不明のレッドフードと戦っていく中でバットマンはかつての相棒だったジェイソンと深く関わりのある人物であることを知ることになり、三作目であるロスト・デイズでは正体不明のヴィラン、レッドフードのオリジンが描かれている。

バットマンの歴史において欠かすことのできないキャラクターで必読の数冊・・・!

「バットマン:ゼロイヤー二部作」

オススメ度:★★★★★

2011年のフラッシュポイントを経て誕生した新シリーズのエピソード。

ゼロイヤーシリーズは本来、NEW 52!のバットマンの#21~#33の中で連載された途中のエピソードで、初から読んでも、途中から読んでも全く問題ないようなストーリー展開となっている。

本作はブルース・ウェインがいかにしてバットマンになったのか?というバットマン誕生秘話に加え、あらゆる要素が散りばめられており、スコット・スナイダーが脚本を担当するバットマンシリーズを楽しむ上で欠かせない必読の作品。

「バットマン:梟の法廷」三部作

オススメ度:★★★★☆

バットマンが管理するゴッサムシティに、実は何世代も前から暗躍していた秘密結社が存在していたという衝撃のストーリーから始まる本作。

謎の秘密結社、梟の法廷という新たな敵との戦いを描いた本作は、バットマンだけでなくバットファミリーのほぼ全員が登場するというバットマンの世界観を知るバットマン入門にもピッタリな作品となっている。

スコット・スナイダーのバットマンシリーズのアーティストを最初から最後まで担当したグレッグ・カプロのエッジが効きながらも見やすいアートは必見。

「バットマン/
ミュータント・タートルズ」シリーズ

オススメ度:★★★★★

IDWパブリッシャーズにおいて出版されているコミックシリーズのミュータント・タートルズとDCのバットマンのクロスオーバー作品。

バットマンの世界のゴッサム・シティにタートルズがやってくる第一作。

タートルズの世界のニューヨークにバットマンがやってくる第二作。

タートルズとバットマンの世界が融合してしまう第三作
と、単なるクロスオーバーに留まらない面白さを持っている傑作シリーズとなっており、バットマンとタートルズ、片方あるいは両方を知らない方でも楽しめるようになっており、私もこのシリーズを通してタートルズのキャラクターたちを知ることができ、好きになることが出来た思い出の作品でもある、オススメで大好きな作品です。バットマンとタートルズ、両方が気になる方はぜひ

「バットマン:マッド・ラブ」

オススメ度:★★★★★

ハーレイ・クインは国内においても大人気キャラクター。

そんなハーレイを知らない人のために軽く紹介しておくと、ハーレイ・クインは元精神科医でアーカム・アサイラムという精神病院でジョーカーに出会い、不幸にも恋に落ちてしまい、それ以降彼の付き人として活躍していたキャラクターで、初登場はなんとアニメ作品

この一冊は、ハーレイがどういう経緯でジョーカーに惚れ込んでいき、ハーレイ・クインへと変貌を遂げていったのか、そしてそんなハーレイをジョーカーはどう思っているのかということが非常に丁寧に分かりやすく描かれており、小難しい表現もなくおすすめの一冊となっています。

「バットマン:ホワイトナイト」

オススメ度:★★★★★

バットマンの最大の宿敵のジョーカーがもしゴッサムを救うヒーローに生まれ変わったら、ゴッサムシティはどうなってしまうだろうか。

本作はその答えの一つを提示したもの。ジョーカーはジャック・ネイピアという元々の人格を取り戻し、ダークナイトことバットマンにはできない方法でゴッサムを救うホワイトナイトとして街を変えていくジョーカー。

自身よりも合理的な方法で街を正していくジョーカーを受け入れられないバットマンは行動が過激になっていくが、その背景には彼の執事であり父親のような存在であるアルフレッドに体調不良が関係しており・・・。

また、本作は単体作品として楽しめるようになっており、これまで紹介してきた正史世界とは切り離された別世界の作品となっているため、バットマンの基本設定を抑えていれば問題なく楽しめる。

「バットガール:バーンサイド」

オススメ度:★★★★☆

刑事でありながらバットマンの協力者のバットガールにして、ゴッサム市警の良心たるジム・ゴードンの娘であるバーバラ

彼女はキリング・ジョーク事件でジョーカーの襲撃を受け、活動休止を余儀なくされるが、彼女のヒーローとしての闘志が消えることはなく、バットマンたちを影でサポートするハッカー兼情報屋のオラクルとなり、バットマンたちの戦いを陰でサポートする生活を送るようになる。

しかしある日、とある手術を受けたことで前線への復帰が可能となり、リハビリを経てバットガールへ復帰。

そんなバーバラはバットマンやナイトウィングのいない地域のバーンサイドへ引っ越し、全く新しいバットガールとしての活躍を描いた作品が本作。

本作は仕事に、恋愛に、友情に苦戦するバーバラが描かれ、バットマンでは異なる彼女の魅力を楽しむことができるだけでなく、バットガールに関する知識をつけることもできる非常に素晴らしい一冊となっている。

タイタンズのシーズン3にバーバラ/オラクルが登場するということで、予習の為に本作を手に取ってみるのは非常におすすめ。

「バットウーマン:エレジー」

オススメ度:★★★★★

ケイト・ケイン/バットウーマンといえば、実写ドラマシリーズの「アローバース」の仲間入りを果たしたことで少しずつ知られてきているが、バットウーマンはバットマンに比べると知名度は低く、そのオリジンも全く知られていません。

この作品はケイトがどんな人物で、どんなオリジンを持っているのかを知りたい人にピッタリの作品が本作です。

ケイトはレズビアンであり、女性との恋愛が描かれていますが、それだけでなく同性愛者であるからこその屈辱を感じるような瞬間も描かれている。

さらには、ドラマ版においてもケイトがレズビアンであるという設定に変更はなく、ドラマ版の予習としても楽しめるほか、自分の中にある無意識の差別意識を改めるきっかけにもなるかもしれない一作

「DCキャラクターズ:オリジン」

オススメ度:★★★☆☆

本作はジャスティスリーグのメンバーたちのオリジンを簡潔にまとめたエピソードが収録されているほか、グリーンアロースーパーガール等、実写化されているヒーローのオリジンも収録されているお得な一冊です。
現在、レジェンド・オブ・トゥモローのレギュラーキャラとして活躍しているコンスタンティンのオリジンが収録されているのはかなり貴重です。
これを読めばどういう過程でパワーを手に入れたのか、ヒーローになることを決意したのか、などがこれ一つでなんとなく分かるので知識の補完の手助けになる一冊だと思いますが、あくまでも短編集ですので、ガッツリとオリジンを読みたいという方には少しおすすめできないかもしれません。

「DCユニバース:リバース」

オススメ度:★★★★☆

地上最速の男、フラッシュといえばバリー・アレンを思い浮かべるかもしれないが、ウォリー・ウェストというもう一人の地上最速の男がいることはドラマをご覧になっている方もご存知だろう。

しかし、ウォリー・ウェストについて詳しく知っている人は少ない。ドラマと原作では「ウォリー・ウェスト」という名前と、「バリー・アレンよりも速い」こと以外は全く共通していないからである。

それは単なる原作無視ではなく、コミック版のウォリー・ウェストはある日を堺に白人の青年からドラマ版と同じく黒人の少年へと変化したのだ。

何故、そんなことが起きたのだろうか?

それは今から11年前に遡る。

DCは70年以上もの歴史を積み重ねた結果、設定も積み重なり複雑なものとなっていったため、今から10年ほど前に設定の一新(後述のフラッシュポイント)を行った。

複雑な出来事はなかったことにされ、新規読者獲得のためにさまざまなキャラクターの設定が変更された。

ウォリーもその例であり、彼はバリーと親子のように親しかった白人の青年から、バリーとはそこまで関わりのない黒人の少年へと変化した

他のキャラクターに比べ、別人にまで変化したウォリーはもはやウォリーであるのか謎であった。

しかし、本作にて衝撃の事実が明らかになる。

「フラッシュポイント」を経て生まれ変わった新たな世界には、ウォリー・ウェストが二人いたのである。

それは、フラッシュポイントが起きる前の白人の青年のウォリー。

彼はフラッシュポイントが起きる前の記憶を取り戻し、かつての仲間たちに接触するが、誰も彼のことを覚えていない。

やがて、自身の存在が不安定になったウォリーは消滅の危機を迎えるが、彼が最後に会いにいくのは彼にとって大切なバリー・アレンだった・・・

「DCユニバース:レガシー」

オススメ度:★★★★☆

MARVELのとあるカメラマンの視点からマーベルユニバースの歴史をたどっていく名作マーベルズに似たような作品。

ポール・リンカーンという少年が大人になり、老人となっていくお話で、ポールとDCユニバースが共に歴史を重ねていくのが描かれている傑作。

ジャスティス・ソサエティの登場と引退、ジャスティスリーグの登場とクライシスの襲来、暴力が溢れていた暗黒時代の襲来など、良くも悪くもいろいろな出来事があったDCユニバースの歴史が二冊にまとめられているほか、通常であるなら邦訳はまずされないマイナーなDCヒーローたちを主役とした短編も収録されており、DCの勉強として必読レベルな作品

1940年代から2000年代までのDCユニバースの歴史を知りたいという方にはぜひ読んでほしい作品。

「フラッシュポイント」

オススメ度:★★★★☆

フラッシュについて詳しくない方へ説明しておくと、地上最速の男であるフラッシュ(バリー・アレンやウォリー・ウェスト)高速移動できるだけでなく時間移動をすることも可能で、移動先の時間軸の歴史に介入することで過去を変えることすら可能

フラッシュとして知られているバリー・アレンは何者かに母親を殺害され、父親は無実の罪で刑務所生活を強いられ残されたバリーは両親と送るはずだった幸せな家族としての日々を奪われてしまった

そんなバリーは悪の道に進むことなく、市警の科学捜査官として正しい道を歩み続けている中で、落雷事故によってスピード・フォースとの繋がりを得て、地上最速のヒーローであるフラッシュとしての力を得る。

フラッシュとしての生活の中でバリーはヒーローにならなければ決して繋がりを持つことができなかったであろう親友や、最愛の女性との出会いを手に入れる。

しかし、自身の母親の死の真相を知ってしまう。

それは、彼の宿敵であるリバースフラッシュが彼を苦しめるために母親の命を奪ったというものであった。

彼は居ても立ってもいられず、どこかへ走り去ってしまう。

その後、しばらくしていつもの生活に戻ったバリー。

警察の科学捜査官として働きながら、地上最速のヒーローのフラッシュとして活躍する日が始まる。

ヴィランが街で暴れているニュースを聞いたバリーはいつものようにフラッシュとして街を守るために文字通り奔走しようとしたバリーが遭遇したのは、死んだはずの母親のノラであった。

死んだはずの母親との再会、そして何もかもが変わってしまった正史世界を舞台としたフラッシュポイントの衝撃は読んで体感してほしいため、変化についてはあえて紹介しない。

歴史改変クロスオーバーイベントなのだが、意外にもフラッシュの入門編としてもおすすめの作品で、フラッシュについて知りたい方もぜひお手に取ってみてはいかがだろうか。

本作の続編的作品となるバットマン/フラッシュ:ザ・ボタン

フラッシュポイントを経て生まれ変わった新たな正史世界で本作での出来事を思い出したリバースフラッシュがバットマンを襲撃したこと、そして正体不明の謎の存在によってソーンが殺害されたことを受けて、フラッシュとバットマンは事件の真相を探るために時空間を移動し、フラッシュポイント時間軸へ向かうことになる。

「フラッシュ:NEW 52」シリーズ

オススメ度:★★★★☆

本作では映画やドラマと一味違う、コミックのフラッシュの魅力をフランシス・マナプルの非常に綺麗なアートを楽しみながら感じることができる。

複雑な要素が少なく、分かりやすい設定であることも特徴的で、ドラマでフラッシュに興味を持った方に非常におすすめのシリーズとなっているだけでなく、ドラマが近年のコミックから影響を受けている部分が大きいため、実写作品でフラッシュを好きになった人が親しみやすい作品といえる。

「フォーエバー・イービル」

オススメ度:★★★★☆

ヒーローの魅力が詰まったコミックはたくさんあれど、ヴィランの魅力が詰まったコミックといえば本作の右に出るものはいない。

映画やドラマでも活躍するDCヴィランたちをカッコよく描いていて、読み終えたころにはヴィランたちをさらに好きになること間違いなし。

とある事件により行方不明になったジャスティス・リーグの代わりに現れたのは善悪が逆転した並行世界アース3からやってきたアース3版ジャスティス・リーグことクライム・シンジケート

彼らはジャスティス・リーグのいない間にDCユニバースへの侵略を開始するも、勝手な侵略行為を認めない男たちがいた。

それは、レックス・ルーサーをはじめとするDCユニバースのヴィランたち

レックスをはじめとするヴィランと当然のように生還していたバットマンは一時的な協力関係となり、クライム・シンジケートとの戦争を開始する。

ライターは「アクアマン」や「フラッシュポイント」のジェフ・ジョンズ。ジェフを信じるべし。

「グリーン・アロー:イヤー・ワン」

オススメ度:★★★☆☆

本作は実写作品のARROW/アローを観て、原作のグリーンアローの活躍に興味を持った方におすすめの一冊。

本作はドラマ版グリーンアローのオリジンに大きな影響を与えており、孤島でのサバイバル生活の中で矢術を磨いたオリバーはグリーンアローとなるドラマ版の基本設定はこの作品からそのまま引用されたものとなっている。

ライターであるアンディ・ディグルという名前にARROWファンなら感じることがあるだろう。

それもそのはず、ARROWにはジョン・ディグルというキャラクターがいたり、ジョンの弟としてアンディ・ディグルというキャラクターまで登場する。

これは言い逃れできない。

「グリーンランタン:シークレット・オリジン」

オススメ度:★★★★★

グリーン・ランタンというヒーローはどんな能力でどのような使命を持っているかについてであるなら、映画版グリーン・ランタンでも事足りるだろう。

しかし、あの映画はグリーン・ランタンに選ばれることとなったパイロットのハル・ジョーダンの過去や彼自身の魅力などの情報は不足している

ハルについてもっと知りたくなった方のための作品が本作。

ハル・ジョーダンはどんな人物で、家族はどんな人たちで、ハルはなぜグリーン・ランタンに選ばれ、ハルは他のグリーン・ランタンと比べてどこが特別なのか、これ一冊で良くわかる。

まさにグリーン・ランタン入門

「ハーレイ・クイン」シリーズ

オススメ度:★★★★☆

ハーレイは、典型的なDV彼氏であるジョーカーに愛想を尽かし、ブルックリンのコニー・アイランドに引っ越すことになる。

バーズ・オブ・プレイで描かれたハーレイのキャラ造形に大きな影響を与えていると感じさせる本作のハーレイのぶっ飛んだキャラクターは愛さざるを得ない。

しかし、ジョーカー大好き悪カワヒロインのハーレイが好きなミーハーには向いていない。笑

個人的に好きなエピソードは5年後のジョーカーと再会する話、ハーレイがブルース・ウェインとデートする話など。

バットマン系列とは思えないバカ映画風のノリが非常に楽しい。

「ハーリーン」

オススメ度:★★★★★

マッド・ラブから影響を受けながら、マッド・ラブを現代的に再構築したハーレイ・クインのオリジン・ストーリー。

ハーリーン・クインゼルがジョーカーに出会い、強く惹かれてしまい、狂気の世界に足を踏み入れてしまう様がかなり丁寧かつダークに描かれた本作は今後、語り継がれる傑作であるべきである。

ハーリーンは精神科医であった過去があることはマッド・ラブの項目でも書きましたが、悪夢にうなされてしまい眠れない理由や、自分がジョーカーに惹かれ始めていることや狂気の世界に足を踏み入れつつあることを自分で冷静に分析しているため、彼女の知的な一面を楽しむことができるはず

とにかく読んでほしい一冊ではあるのですが、話の面白さだけでなくアートが非常に美しく、一枚一枚が芸術作品といっても過言ではないくらい

アートブックとしての価値もある本作は必読。

「ジャスティスリーグ:誕生」

オススメ度:★★★★★

アベンジャーズよりも先にDCがヒーローチームを世に送り出したことはマニアの間では有名な話だが、ジャスティスリーグはそもそも知られていない。

ジャスティス・リーグはバットマンや、スーパーマンたちが所属するチームの名称で、本作ではその二人に加えてワンダーウーマン、グリーンランタン、フラッシュなど、様々なヒーローが所属しているチームである。

本作はバットマンやスーパーマンたちが初めて出会うところからチーム結成までを描いており、初心者も非常に読みやすい作品になっている。

「シャザム!:魔法の守護者」

オススメ度:★★★★★

魔法の力で変身する魔法少女ものみたいなヒーローが存在していることはご存知だろうか。

その名はシャザム。

その正体は・・・10代の若者!?

本作は実写映画版の原案的要素が非常に強く、この作品からいろんな要素を取りいれ、要素を膨らませを加えたりすることであの映画が完成したのだと思わせてくれる作品

ジェフ・ジョンズのライターとしての手腕の強さを感じさせてくれる傑作となっている。

実は本作は「ジャスティス・リーグ」誌るクロスオーバーイベントのトリニティ・ウォーにシャザムが参戦するまでのお話となっているが、そちらは気になる方だけ読めばいい作品で、シャザムについて知りたい方はこの作品だけで楽しさを完結できるようになっていますので、あまり気にしなくても大丈夫です。

「ロビン:イヤーワン」

オススメ度:★★★★☆

初代ロビンであるディック・グレイソンの活躍を描いた邦訳アメコミは決して多くはない。

本作は正史世界におけるロビン時代のディックをガッツリ楽しめる唯一の作品かもしれない。

本作は活動開始から間もないディック・グレイソン/初代ロビンを主人公とした物語が展開され、読み進めていく中でディックのロビンはどのような活躍をしてきたのか、そしてバットマンにとってロビンがいかに大切な存在なのかを感じさせる。

理解しがたいが、国内にはロビンいらない派が存在している。

バットマンにとって欠かせない要素であるはずのロビンをいらないと思っている人にもこの作品を読んでみてほしい。

ロビンのことを好きだと思ってもらえるかもしれない。

そして、バットマンに対してこういった批判がある。

小さな子どもを戦いに巻き込むのはいかがなものか、と。

映画作品でロビンがあまり出ていないのはそういう理由もあるのかもしれませんが、ロビンはバットマンにとって希望であり、完全な闇に堕ちないためのブレーキであるため、本来は必要不可欠なはず

ドラマ作品のタイタンズにおいても2代目ロビンが登場していることからバットマンにとってロビンが必要であることは明白。

「スーパーマン:REBIRTH」シリーズ

オススメ度:★★★★☆

本作は2016年から始まったDC REBIRTHシリーズの作品群の一つで、戦いの中で自分の命を犠牲にしたスーパーマンの後を継いだもう一人のクラーク・ケント/スーパーマンとその家族の物語

説明が難しいが、DCユニバースというファイルの中身は最初から作り直された状態で上書き保存され、保存される前のファイルの中身は失われてしまったように思われていたが、実はDCユニバース:バックアップとして別ファイルにコピーされていたのだ。

そんな中、現行で使用しているファイルのスーパーマンのデータが消えてしまったため、バックアップファイルから古いバージョンのスーパーマンのファイルをそのまま持ってきたという状態、それが本作。

最初から作り直されたDCユニバースの中に突如放り込まれた20年以上の歴史を持ったベテランのスーパーマンがいるという歪な状態の期間のコミックとなる。

そしてそのスーパーマンは敏腕記者であり恋人だったロイス・レインと結婚して、ジョナサン・サミュエル・ケントという子どもが生まれ、家庭を持つヒーローとなっていた。

本作の見所はまさにそれ。

父親のスーパーパワーを受け継いだ息子のジョナサン(ジョン)をクラークが支え、力の使い方と使うべきタイミング、生まれ持ったパワーとの向き合い方を自分の経験を交えながら教えていくその様を観て、スーパーマンは良い父親だと強く感じた。

Twitterでよく話題になっている(デマが良く拡散されているため、主に悪い意味で)「バイのスーパーマン」はクラーク・ケントの息子であるジョン・ケントが大人になった姿で、彼がどんな幼少期を過ごしていたのかがよくわかる作品。必読。

「スーパーサンズ」シリーズ

オススメ度:★★★★★

スーパーマンの息子であり、新たなスーパーボーイとして華々しくデビューしたジョン・ケント。

バットマンの実の息子であり、現在のロビンであるダミアン・ウェイン。

二人は親同士の意向でチームを組まされてしまうがそれぞれの父親同様、正反対のように見える二人の相性は意外と良いもの。

サン・オブ・スーパーマンからそのまま続く展開となっており、ジョン君とダミアンが仲良くなっていく様を楽しめる素晴らしい作品。

ピーター・トマシの優しいストーリーとホルヘ・ヒメネスの日本のアニメ作品に影響を受けているかわいらしいアートで描かれる物語は親しみやすく、楽しめること間違いなし。

「ウォッチメン」

オススメ度:★★★★☆

現代もなお、名作コミックとして語り継がれるだけでなく、国内において映画も名作として時折話題になるほど人々の心を鷲掴みにした名作であるウォッチメン。

その世界観は従来のDCユニバースよりもダークで現実的。

スーパーマンのような希望がいない世界に生まれてしまったヒーローたちの苦悩や挫折、過去を捨て去った現在が次々と描かれていく。

その中でも特に注目すべきは、唯一スーパーパワーを持っているヒーローとして活躍しているドクター・マンハッタン

元々彼はごく普通の人間であったものの、不幸な事故を機に超人となり、あらゆる時間を同時に過ごすことが可能となり、人間らしさを失って神のような存在になっていった。

やがて彼は世界に自分の居場所を見い出せなくなり、別の世界への干渉を開始することになる。

ウォッチメンはアンチ・ヒーローコミックとして一部のオタクに人気を集めているが、個人的にはむしろコミックファンだからこそ楽しめる作品だと感じる。

ウォッチメンの続編として世に送り出されたドゥームズ・デイ・クロックは正統派ヒーローコミックの要素とウォッチメンの要素のマッシュアップ作品となっており、そのどちらも好きな人だけが楽しめる最高の作品となっている。

安価でないにも関わらず、多くの人に読まれた問題作となった。

「ワンダーウーマン:イヤーワン」

オススメ度:★★★★★

実写映画でもおなじみのワンダーウーマンの原作コミック。

セミッシラに現れたスティーブとの出会いをきっかけに、アメリカ、つまりは男たちの住む世界に興味を持ったダイアナはセミッシラと別れを告げ、アメリカでワンダーウーマンという女性の象徴となっていく様が描かれていく本作。

さらに、ワンダーウーマン1984でも登場していたチーターことバーバラ・ミネルバがダイアナと元々友人だったという設定も描かれており、ジャスティス・リーグのコミックで登場するヴィランとしてのチーターではなく、ダイアナの友人としてのバーバラを楽しめるのはこの作品くらいだろう。

ワンダーウーマンについて知りたい方は必読。

終わりに

今回はアメコミをこれから読みたい人に向けておすすめの邦訳アメコミとなっていましたが、いかがでしたか?
おすすめのアメコミとなると、どうしても自分の好きな作品を読んでほしい気持ちから初心者には敷居の高い作品をおすすめしてしまうことがありますが、今回はそうならないように気を付けて、読んだことのある100以上の邦訳アメコミから初心者でも楽しめるアメコミを選び抜いたのですが、参考になりましたでしょうか?

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それでは、また近いうちに。

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