いなくなれ群青

いなくなれ群青


きれいなものは、きれいなままであってほしい、
壊されたくない、壊したくない。

僕は君の隣にいなくてもいい、
ただ君が、君で輝いていてくれたら。
群青色の空に浮かぶ、ピストルスターのように。

僕は君が大嫌いで、その存在が許せない。
大嫌い、さようなら。


七草くんの愛は美しい愛で、
それでいて本人には届かない愛。
傍観者として外側から見ていられるからこそ、認められる愛です。

そんな愛に早く気づいて、その人のこと抱きしめて離したくないなって 私なら思っちゃいます。
好きなら近くで見ててよ。
星なんかじゃなくて、身近で貴方を笑顔にできる、花やプリンになりたいです。


我慢の対義語が諦めだ、と七草くんは言いました。
我慢の対義語が諦めなんだよ、対して彼女は言いました。

私は我慢をしてしまえるのは、優しいのは、ただ素直になれない自分の弱さの裏返しなんじゃないかと思う。

細かい心情や情景が細かく描写されている原作が大好きです。
小説でみた階段が、遺失物係が、階段島が。
スクリーンの奥の、そこにはありました。

願はくはずっとこのままでと、どこを切り取っても尊く儚く美しい瞬間ばかり。
上映が終わったときの感情と余韻が 小説を読み終えたときのもの そのものでした。

細かな心情の描写で成り立つこの作品がここまで映像で表現できるのか、と
あの胸がきゅうううぅっとなるあの感覚に、映画館でも出会えました。
ずっと大好きな作品です。

できるなら、魔女と島の仕組みはわからないまま、この世界観のままで進んでほしいと思うよ。

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