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あや
2020年11月5日 09:49
いつ読んだって同じはずなんだけど、「なんでもっと早く読まなかったんだ!」って思う本がある。書棚でずいぶんと熟成させた『注文の多い料理小説集』がそうだ。7人の作家が食をテーマに書いた短編小説のアンソロジー。久々の電車移動で、何か文庫本を……あっ、これでいっか。とバッグに忍ばせた。片道でさくっと1編読み終えた時の、スマホに残したメモをそのまま引用すると、こうだ。まってまって、めっちゃ面白いやん
2020年11月19日 08:44
思えば思うほど、私のためにあるんじゃないかという1冊に出会った。今年はまだひと月と少し残っているけれど、間違いなく2020年のマイベストは皆川博子の『開かせていただき光栄です』で決まりだ。舞台は、暗鬱な18世紀ロンドン。煙突から吐き出される煙で空はどす黒く、建物は煤だらけ。ロンドンから海に流れるテムズ川は茶褐色に濁り、悪臭のもと――。1世紀ほどずれているけど、シャーロック・ホームズや切り裂きジ