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【ステイ・ホーム日記7】4月26日

コロナ禍の中で。今・ここで、わたしがどんな風に生活して、どんなことを感じていたかを書き記す日々。4月最後の日曜日。今日も気持ちいい天候で穏やかな日曜日の空気が辺りに満ちている。風が少し強く、ビュウビュウ吹き荒れて、木々はゆさゆさ激しく揺れている。明日から天気が崩れる前触れなのだろうか。明日明後日と雨予報なので、前倒してスーパーへ行くことにする。昨夜は22:30にベッドに入って、わりとぐっすりと寝たはずなのに朝、目覚ましのアラームは聞こえなくて8時ころ気がついた。お腹のあたりに倦怠感があって今まで眠っていたはずなのに、ぐったり疲れていて起き上がれない。こんな目覚めの悪い日々がもう何日も続いている。そのままベッドの中で読みかけの本を最後まで読み切った。お昼過ぎに家を出て下北へ向かうと昨日より人出は少なく、立ち寄ろうと思っていたお肉屋さんは休みだった。成城石井でワインオープナー、鮭の瓶詰め、よつばヨーグルト、ホワイトローズティー、クリームチーズを買い、100円ショップで日用品を買った。散歩ついでにいつも行く喫茶店の様子も見に行った。お店はオープンしていて、今も営業を続けているみたいだった。店の壁に貼り出された紙には、9:30〜18:00までの短縮営業に切り替えていて、みなさんお気をつけてお過ごしくださいと店主の字で書かれていた。気晴らしに毎週お茶しに行っていたのに気がつけば1ヶ月くらいお店に行ってない。タバコの煙を吸い込みながら薄暗い店内で本を読んで熱いコーヒーを飲むのがひとりで休日を過ごすわたしの楽しみだった。自粛生活になってツラいことのひとつは、この喫茶店に行けないことだなぁとしみじみ感じる。そのまま中に入ってコーヒーを飲みたかったけれど、思い止まってスーパーへ行った(行くなら平日のひとが少ない時間帯かな…)。メモしていたものをひと通り買って店を後にした。都知事が「スーパーは3日に1回に」「スーパーへは一人で」とアナウンスしたからか、いつもよりお客さんは少なくレジはほとんど並ばなかった。わたしはいつもひとりで買い物をしていて、夫婦やカップルで買い物をしている姿をみるとうらやましいなと思う。実家の父母は決して仲のいい夫婦ではないけれど、いつもそろってスーパーへ行く。帰省するとそこにわたしも加わるのだけど、家族でスーパーに行っても別に楽しいわけじゃない。今夜のメニューはどうしようか…って母は毎晩の献立にややうんざりしている。でも夫婦で食品をあれこれ見て買い物するって、いかにも平凡なしあわせですごくいい。昔、長く付き合っていた恋人とよくスーパーへ買い物へ行ったけどそんなことには気づかなかった。だから一緒にスーパーへ行く夫婦は(多少不仲でも)大丈夫だと思う。この時間も永遠に続くわけじゃない。いつか二人でスーパーに行く最後がやってくるんだ……と思って、日々のスーパーをおざなりにしないで欲しいな。早くわたしも夫婦でスーパーへ行きたい。アフターコロナの世界ではそうしたい。スーパーを出た後は、近くのカレー屋へ寄ってテイクアウトをした。そのお店には友だちと一度食事をしに行ったことがあってスパイスの効いた本格的なカレーがとても美味しかった。わたしはホタルイカのカレーを注文した。店主のおじさん曰く、朝のオオゼキ(さっき寄ったスーパー)はものすごいひとで混雑していたようだった。家に帰ってからは買ったものをすべてアルコール入りのシートで拭いて冷蔵庫へしまい、買ったばかりのオープナーを使ってワインを開けた。数日前に家にあったオープナーで開けようとしたら、ワインのビンのフチにオープナーの凹凸がどうしても引っかからなくて、物理的に開けることができなくて悪戦苦闘した(こういうとき誰にも助けてもらえなくてひとり暮らしの無力さにほとほと嫌になる)。わたしが使い慣れないのが原因かと思ったけれど、オープナーの構造自体に問題があるのではと思って買い直したらあっさりコルクが抜けて一件落着!(やっぱりオープナーのせいだ)。窓を開けて風が入ってくるのを感じながらホタルイカのカレーにワインがよく合って美味しかった。こんなに風が気持ちよくて天気がいいと途端にひとりでいることが異様に寂しくなってきた。正直、自粛生活が始まって家にひとりでいるのはそんなに寂しくない。むしろ(会いたくないひとに会わなくていいし)自分の世界にこもって静かに考えごとができる環境は心地よくて、楽しく過ごしている方だと思う。でもそれは家にいることが推奨されていて、ほかのひとも同じようにずっと家にこもる生活をしているから。だから心の平穏が保たれている。でも(外出制限がなくて)今日のように天気が気持ちよくてみんな(みんなって誰?)が楽しそうに出かけている様子を見たらひとりで休日を過ごしている虚しさに潰されそうになる。寂しくて仕方がなくなる。わたしも恋人とどこかへ出かけて季節を体いっぱい感じたかったなと思って泣きたくなる。寂しさにフタをして生きている。もちろんコロナで家で家族と過ごさなきゃいけなくなって、家族といても感じる寂さもあると思う。それはそれで地獄だ。都会でも田舎でもひとりで生きていたら多かれ少なかれ、きっと似たような寂しさを誰もが抱えているよね。わたしと同じような気持ちを持つあなたへこの文章が届いていますように。今はひとりでいることが肯定されるとき。その後の世界の方をわたしは恐れている。でも前向きに自分の願いをアフターコロナの世界では叶えたい。わたしはパートナーが欲しいと願っている。別に自分の寂しさを埋めるためじゃない。日常の小さないろんなことを共有して、アフターコロナの世界でともにサバイブするひとりのひとが欲しいだけ。

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