「新☆桃太郎と裏腹太郎の物語」で、チームビルディングの本質を伝える
矢内綾乃@リケ女社長です。
28歳から行動を開始して、人材育成、飲食店・小売店の店舗立ち上げ、スポーツ社団法人の立ち上げ、エンジニア紹介派遣、という仕事をしています。
やってみて思うことは、どのビジネスでも共通するのは『人』が大事だということです。
どんなにアイデアや上手く行きそうな仕組みがあっても、それを扱える人材がいなければ、アイデアはアイデアのままで終わり、立ち上がることはないのです。
逆を言うと、人間関係・リーダーシップのスペシャリストになれば、何を扱っても上手くいく自分になれるのだとも言えます。
昨今は、「SLAM DUNK」や「ONE PIECE」をモチーフに、チームビルディングのあり様を伝えるビジネス書が出たりしています。
今日は、日本を代表する昔話、桃太郎を題材に、チームビルディングにおいて大事なことが伝わる様に、『新☆桃太郎と裏腹太郎』の物語を書きました!
はじまり はじまり
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新☆桃太郎の物語
昔々あるところに、桃太郎という、それはそれは じぃさんばぁさん孝行で、喧嘩の強い子供がいました。
大きくなったある日、人々を苦しめる鬼を退治するのだと宣言して、村を出発しました。
桃太郎の持っていたものは、『人々のために鬼をやっつけるというビジョン』と『想いやりの心』だけでした。
しばらく行くと、犬猿きじに会いました。
たいそうお腹を空かせていそうだった3匹に、ばぁさんから貰ったきびだんごを分けてあげました。
お腹を空かせた経験のある桃太郎は、とても見過ごすことはできなかったのです。
すると、犬猿きじは「僕たち、人間にこんなに理解してもらったのは初めてだ!」と大喜びしました。何かできることはないか桃太郎にたずねてきたので、「おいらはこれから鬼ヶ島に鬼退治に行くんだ!じぃさまとばぁさまと村のみんなが安心して過ごせるようにな!応援しててくろ!」とビジョンを話しました。
桃太郎の優しさと勇気にたいそう心を打たれた犬猿きじは、命をかけて桃太郎と一緒に戦うことにしました。
鬼ヶ島に着くと、まずは 犬 が「わんわんわん!」鬼は不意を突かれてびっくり。
すかさず きじ が空から「キエーッ」と攻撃します。
そして 猿 が「キーッ」と引っ掻きました。
とどめは桃太郎の渾身の一撃で、鬼をやっつけました。
桃太郎のビジョンと人間力に集まった桃太郎チームは、それぞれの長所を活かして最後の合戦で勝ち、目的を達成して、笑顔で村に帰りました。
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裏腹太郎の物語
桃太郎の桃違いの兄弟に、「裏腹太郎」という子供がいました。
裏腹太郎は嫉妬深くて、怠け者。いつもいつも桃太郎の家の様子を引き合いに出しては、育ての親のじぃさんとばぁさんをいびりました。
そのくせ、身体を鍛えることもなく、手伝いもせず、毎日怠けていたため、じぃさんとばぁさんは過労と心労で早くにこの世を去ってしまいました。
食いぶちがなくなった裏腹太郎は、鬼ヶ島には鬼の集めた財宝があるという噂を聞きつけて、鬼退治に行くことにしました。
悪知恵以外は何も鍛えてこなかった裏腹太郎は、鬼を倒せそうな仲間を集めて、鬼をやっつける計画を立てました。
何も持ってない自分に、どうやったら強い仲間が付いてくるだろうと考えた裏腹太郎は、借金をして高級外車を買い、イタリア製の特注のスーツを着、メ○カリで見つけた、あめのむらくものつるぎのパチモノを腰にさしました。
いざ出発です。
しばらくいくと、犬猿きじがいました。
早速、歩道に外車を横付けし、「鬼退治をすれば財宝は山分けだ!」と一緒に行くことのメリットを話し、外車で楽々鬼ヶ島にいけることも伝えました。
犬猿きじは、戸惑いましたが、とてもお腹が空いていたので、一緒に行くことにしました。
鬼ヶ島に着くと、いっこうに向かって行く気配のない裏腹太郎を不審に思った 犬猿きじは、
「おい!裏腹太郎!お前が最初に闘うんだったら、僕たちもやるよ!」
と叫びました。
裏腹太郎は腕に自信がないので、目を白黒させて挙動不審になっていました。
イライラした犬猿きじは、一応闘おうとして、鬼に向かって見ましたが、鬼の最初の一撃で腰を抜かしそうになってしまい、一目散に逃げ出しました。
手段で集めた裏腹太郎のチームは崩壊しました。
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村にて、新☆桃太郎と裏腹太郎再会する
裏腹太郎は命からがらにげかえり、トボトボと村に帰ってきました。
住んでいた家の前で、地面を叩きながら悔しがりました。
少し離れた桃太郎の家からは、笑い声が聞こえてきました。
外車で追い抜いたはずの桃太郎は、裏腹太郎の後に鬼ヶ島に行き、鬼に勝って、財宝と共に村に帰ってきたのです。
裏腹太郎の頭の中は、混乱してやみません。
桃太郎に掴みかかって、叫びました。
「俺の戦術は完璧だった!
最高にかっこいい見た目にしたし、凄い武器も持っていたし、快適な手段を提供したんだ!
これ以上、どうしたら良かったんだ!!!
いつもいつもお前だけ、周りが動いてくれて、ラッキーを拾いやがって!!ムカつくんだよ!!!」
桃太郎は、深い眼差しで、まっすぐ裏腹太郎を見て答えました。
「お前の敗因は、自分の自信の無さを、知識や、表面的な格好や手段でとりつくろって、ごまかしたことだ。自分を鍛える時間はいくらでもあったはずだ。
そして、仲間と心で繋がらなかったことだ!
自分を信じることができないお前が、他者を信じることができないのも当然だ。
世の中や出会う人に不公平があるのではない。
万象は、お前の心の鏡なのだ。
僕は、ビジョンを信じ、命を差し出す覚悟で仲間の矢面に立つと決めていたが、みんなも同じ想いだった。
ビジョンで繋がり、命を差し出してでもお互いを助けようとする仲間は、主体的に動くことができる。
『鬼』という個では勝てない相手にも、チームプレイによって勝つことができたのは、そのためさ。」
あとがき
その後、裏腹太郎がどうなったかは誰も知らない。
何も受け取らなければ、同じ人生を繰り返し、
何かを受け取れば、仲間に恵まれる人生になったことだろう。
そして桃太郎はチームビルディングの名将として、たくさんの仲間と、幸せに暮らしたとさ。
めでたし、めでたし。
自発的ーやることが決まっている事に自ら動く
主体的ーやることが決まってないが考えて動く
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