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本日の自宅酒場

【毎日習慣】師走まとめ

 12月が終わりを迎える。
 35年というそれなりに積み重ねてきた人生のなかで、12月の思い出は子どものときの「サンタからのプレゼント」や「母のクリスマスメニュー」よりも「クリスマス商戦」に乗っかった労働のほうが強くなった。新入社員で入った居酒屋業界は忘年会シーズンは毎日のように激動だったし、辞めて働き始めたコスプレ会社ではハロクリの驚異的な売上に驚かされた。そして、丸の内のイタリアンでは仲通りのイルミネーションを眺めながらのクリスマスディナーという贅沢を、ホールサービスとして迎える緊張から逃げ出して、自分の店を作った。

 平日の料理当番担当として、はたしてどんな料理を作ろうか。
 秋ドラマで楽しんでいた「きのう、何食べた?」で、体重の増加に悩むケンジのために、食費を増やしてでも魚料理を増やしたシロさんを真似して、週に1度は魚料理にすることにした。クリームシチューを肉ではなくてホタテにしてみたり、肉がメインの鍋ばかりじゃなく、ぶりしゃぶにしてみたり。
 古性のちさんが「バランスのとれた食事も睡眠も 明日また君と生きるための祈り」という言葉を書いていた。
 いっしょに食卓を囲む母に、いったい何を作ろうか。

 居酒屋に就職したのはお客様からの「今日、君に会えてよかった。明日を生きる活力になったよ」という言葉がきっかけだったけど、派遣バイトだったのに正規アルバイトになったのは、「料理長の作ったまかないが食べたい」という食への興味だった。それから、多くの飲食店を経験したけれど、どこもまかないは本当に美味しかった。
 美味しいものを運んでいる自信は、仕事へのやりがいだったし、シェフの料理をよりお客様に印象づけるために、聴覚・視覚・嗅覚・味覚を支配して「美味しい」という言葉を引き出すために全神経を注いだ。磨き続けた接客はお客様から「完璧」と評価していただいたこともある。そうして、食に関わってきたから、食費には制限があるけれど最大限のパフォーマンスがしたいという欲は強い。
 コロナがあって「おうち時間」を強制された。テーブル上を飾るランチョンマットや、シルバー用の箸置きであるレストを購入して、家にいながら「まるで外食みたい」なテーブルセットができるようにちょっとずつ物を増やした。おばあちゃん家から譲ってもらった食器もある。ベルーナで通販しているワインもあるし、自家製サングリアも9年ぶりに作った。毎日の食事だけれど、わたしにとっては集大成で、毎日が成果発表会だ。
 あまりに、凝り過ぎていると思う。

 でも、「美味しいご飯を食べるぞ」という気持ちが原動力だし、夕食の時間が待ち遠しいという気持ちが毎日の楽しみだ。
 コロナの流行は苦しかったけれど、料理を覚えるきっかけになった。今月は、半熟卵入りのハンバーグがいちばんのお気に入り。
 年の瀬は、今年も兵庫県に帰省する。贅沢三昧の食道楽に舌鼓を打ち鳴らす予定だ。実に楽しみだ。今年の食事当番は明日で終わり。さて、冷蔵庫を空っぽにして、冷蔵庫の掃除をしましょうか。
 12月が終わりを迎える。


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