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剣客商売✧♡

 好きなドラマ「剣客商売」。
 原作も好きですべて持っているし、ドラマで観ても、このシリーズいい。

 藤田まことの名優ぶり、もう、秋山小兵衛にしか見えないその佇まい。
 彼を意識したのは必殺シリーズの中村主水だが、あのとぼけた町役人の役柄が子供の頃からなんとも好きだった。
 「剣客商売」は退職してから、観たドラマだ。

 秋山小兵衛は剣客を商売としているが、すでに息子の大治郎に譲って隠居している身である。
 名前の通り、小兵衛は小柄で強そうに見えないのだが、強い。
 そして、息子の大治郎はその名の通り、体格も立派で剣も強い男なのであるが、父ほど世に長けてはいない朴念仁というようなタイプ。
 女だてらに剣が強い美人剣士三冬が登場したりなかなか面白い物語だ。

 小兵衛は隠居後、下働きをしていたお春と、いい仲になり、20代の若女房を持っている。隠居した後も小金があるのか、不二楼という茶屋でいつも美人のおかみに酌をさせ、料理と酒に舌鼓を打っているし、十手持ちにも信頼され、起きた事件を解決する悠々自適さだ。

 これ、世の中の男たちの憧れの的?っていう男が主人公なのだ。

 うちの旦那も小兵衛を羨んでいる気配がある( ´艸`)

 今のこの退職した自由人になったからこそ、ターゲットにされている?と思うような主人公の境遇だけれども、私は40代で出会って原作を読んで、とても面白かった。沢木耕太郎が一年に一度、初めから終わりまで楽しんで、好きな小説を読むという話で出会って、読んでみようと思った。

 ドラマを観ていても、一つ一つのエピソードのネタが深くて哀しかったり、面白くて愉快なものもある。あまりにも不愉快な原作は省略、改訂されている気がする( ´艸`)。子供時代、毎回、同じ?と思って観ていた水戸黄門とは違う物語。

 しかし、確かに、小兵衛や大治郎は剣の達人で、その安心感は、007やイーサン・ハント並みだ。

 たまに、この神がかり的な強さの敵に小兵衛は本当に勝てるのか?とハラハラした回もあったし、もしや、この師弟関係って、男色?という回もあった。(そのゲイっぽい男が本宮泰風なのには、笑った)そこはさすが、池波正太郎というストーリーテラーの仕事なのではないか。

 好きな作品に出会うと、いつも不思議に思うが、ストーリー云々は忘れても、その主人公たちが日常よくしていること、風景の佇まいなどをよく覚えている。

 このドラマをスキだと言って観ているのも、その主人公の佇まい、小兵衛の粋な計らいや、四季折々の料理の楽しみ方、人当たり、酒の飲み方、奢り方、みたいなものが好感が持てるからなのだ。

 それは、池波正太郎が考え出した粋な大人の男の人生なのだろう✧♡















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