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なんかスキ

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よくわからないけど、スキだと直観的に感じた記事を集めてみた。  何がスキなのかは、集めているうちに気が付くかもしれない大笑。
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左右がわからないのよ -道案内の天才、現る- (自由奔放な母、タモヨその4) #039

これまでに何度か、自由奔放なわが母、タモヨについて書いた。 タモヨはたまに、左右がわからなくなることがある。 小学校高学年か中学生くらいの頃、タモヨの運転する車の助手席に座った私は、よく道案内をさせられていた。 当時カーナビはついていたのだが、タモヨは運転に集中するあまり余裕がなく、その指示を聞いていない。そこで、私に次はどっちに曲がるかと聞くのだった。 「次はどっちなの!?」 「左」 「左って、…どっち?」 この人は一体何を言っているのだ。「左」以外に、なんと言え

いつか見た風景 45

「健全な無関心推奨週間」  いつもより散歩の足を伸ばしてよかった。さっきトイレを済ませておいてよかった。保湿クリームを顔や手に忘れず塗っておいてよかった。年寄り臭い格好じゃなくてよかった。黒でコーディネートしていてよかった。ベンチの隅っこに座っていてよかった。最初にジロジロ見ないでよかった。さてさて、最初の一言目は何と言って声をかけようか?                 スコッチィ・タカオ・ヒマナンデス  ぼんやりしている心にこそ恋の魔力が忍び込むって言ったのはシェイ

いつか見た風景 43

「虫の知らせが届くまで」  2500年も前から中国ではそう言われていたらしいよ。生まれつき人間の体の中には3匹の虫がいるってね。頭に一匹、お腹に一匹、それから下半身にも一匹ってさ。虫たちが何をしてるかって? それが驚いたことに人間が悪い事をしていないか監視しているんだよ。虫たちは庚申の日の夜に人間が寝ている間に体から抜け出して天帝に報告するんだってさ。あ、天帝ってのはこの世の創造主みたいな神様って感じかな。つまり昔流に言えば先生に告げ口する学級委員みたいな奴がさ、私の体の中

2年間毎日絵を描いた話

こんにちは。絵が上手くなりたくて2年間毎日絵を描いた者です。 備忘のために記録に残しておこうと思いました。 描いた人: 好きなキャラのために祈りながら描くのが趣味のオタク。 好きなキャラの絵やマンガを見よう見まねで描いてきたが、1枚描くのに何週間も何か月もかかる上に「ちがう、推しはこうじゃない」になるのが辛すぎて最近絵を描くのが苦しい。絵を描くのが好きになりたい。 画力の変化 やったこと模写 と ジェスチャードローイング  をやりました。 期間は、毎日描いていない時期

いつか見た風景 10

「忘却の作法」  忘れたくないものたちには、それぞれに理由がある。それぞれには背景があり、プロセスがある。何よりそのものたちが持っている固有の匂いが存在する。だからそのものたちを忘れないために書くこの記録には、タイトルが必要だ。                     スコッチィ・タカオ・ヒマナンデス  今思い浮かぶ私のお気に入りのタイトルはと言えば、アンソールの「酢漬けのニシンを奪い合う骸骨たち」、ダリの「記憶の固執」、フリーダ・カーロの「死を考える」、シャガールの「

いつか見た風景 4

「夜の監視人」  トイレから出ると、ちょうど私の息子を名乗る怪しい男が帰宅した。    最初は警戒したが、案外気が利くいい奴だ。夕飯はどうやら毎日奴が当番のようで、何か買って来てくれたり、週に何回かは台所で料理も作る。奴は時々マシンガンみたいに話すから、何を言ってるのか全く分からないこともあるけど、後から必ず「別に怒ってる訳じゃないからさ」って気まずそうに言って来るんだよ。きっと何かやましいことでもあるんじゃないかな。そうそう、夜はリビングのソファに陣取って、寝るんだか寝な

新・編集部員加入!?〜編集部の雑談〜

北山:ひと月が経つのは早いね。今月も編集会議の時間です。よろしくお願いします。 さて、前回の会議から、フォロワーは何人増えましたか? 宮崎:約80人増加で、現在は315人。 四ツ谷:前回のひと月では150人伸びたから、増加数は半減だね。 宮崎:記事はたくさん出しているはずなのに……。圧倒的に伸びるものがなかったのが問題だと思う。やっぱり前回分では「路上インタビュー」の記事がそれなりに伸びたのが良かった。 北山:今月はゲストライターの牛窓くんが素晴らしいルポを書いてく

怪しげなホストのスカウトについていったらペンネームができた話 #3(完結編)

(前回) 「お兄さん、めっちゃかっこいいですね」 胡散臭いスカウトマン(通称シド)におだてられ、僕は歌舞伎町の奥の奥にある雑居ビルの中に招き入れられた。 そこで待ち構えていたのは、夜の蝶たちがゆらゆらと飛び交う、眩くも汗臭い世界だった……。

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怪しげなホストのスカウトについていったらペンネームができた話 #1

「お兄さん、めっちゃかっこいいですね」 紀伊国屋を冷やかしに行くため新宿駅東口を歩いていると、地上に出てすぐのところで、見知らぬ男性に声をかけられた。 ――なんだ? 俺に言っているのか? だとしたら馬鹿にしているのか? 自慢ではないが、これまでの人生で「かっこいい」だなんて言われたことは一度もない。 いや、地元のお弁当屋さんのおばちゃんには何度か言われたことがあったかもしれないが、こちとら自他ともに認めるモブキャラである。 聞きなれない言葉に、思わず立ち止まると、ロッ

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【制作日誌】マンガが描けそうと思ったときの話

こんにちは、安良です。 今日は、去年から進めているマンガの制作日誌を記そうと思います。 私はイラストや落書きを趣味で描いてきたので、マンガは初心者です。 だから今回は技術的な話ではなくて、まずは初歩的な「きっかけ」から始めます。素人の備忘録ですから、ご笑覧いただければ幸いです。 それでは、さっそくスタート! 💭💭💭 ✨マンガが描けそうだなと思ったきっかけ去年からお絵描きサイトで、あれこれとオリジナル・キャラクターを描いてきました。いろんなタイプを自由に描くのは面白かった