【短編】新調された絨毯

部屋の真ん中に絨毯Bがある。
Bの周りは暗くてよく見えない。

Aが入ってくる。
AはBが見慣れたものではないことに気がつく。

A「ん？なんか違う…！」

A「なんか違くない！？」

A「え、新しくなってる！」

A「え～いいじゃん！」

Aは腰をおろして、Bをまじまじと見る。

A「我が家に新しい絨毯がやってきた」

A「白くて、ふわふわで」

A「毛が生えてる」

A、Bに手を伸ばす。

B「…」

A「おっとごめんごめん」

B「…」

A「歩いても平気？」

B「…」

Aはゆっくりと足を上げ、Bに踏み入れる。

A「このタイプの絨毯って初めてだな」

B「…」

A「なんか珍しい気がする」

Aはリズム良くBを踏んでいる。
そのうち円を描くように歩き始める。

A「ふわふわしてるね」

B「…」

A、Bを踏みしめるように歩く。

A「どん、どん、どん」

B「…」

A「スキップ、スキップ、スキップ」

B「…」

A、飛び跳ねる。

A「ジャンプ！」

B「…」

A「てやぁ！！」

A、ふと我に返る。

A「…。ちょっと水飲も。」

A、部屋を出る。

B「…」

今度はCが入ってくる。
CはBが慣れたものではないことに気がつく。

（おわり）