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航海日記その15〜月を愛でる文化〜


イギリスに短期留学していた時のことを航海日記と称して記録に残しています。

前回はこちら。


日本でもそうだったのですが、空を見上げるのが好きで、イギリスでもよく眺めていました。


それは夜空も同じだったのですが、ある夜、夕食を作った後にふと庭に出て空を見上げると綺麗で真ん丸な月が見えました。


あまりに綺麗だったのでこれはイギリスだからなのかと気になって調べてみると、その日はなんと中秋の名月だったようです。

この時、どこの国から見ても満月は美しいんだと知りました。

留学中はホームステイをしていた私。

感動したので夜ご飯を食べていたホストマザーに「今日の月は満月なんだって。すごく綺麗だよ!」と伝えたのですが「へぇ~そうなのね」と反応がいまいち。
冷たい目線とかではありませんが、「月くらいで何をそんなに騒いでいるのだろう」と言いたげな目線を察知しました。

しょんぼりしながらも、この反応はホストマザーがあまり月に興味がない人だったのかもと思い、もう一人家に遊びに来ていた彼女の友だちにも伝えてみると、

「そうなんだ~後で見てみるね!」

・・・うーん。
感覚的にこれは後で見ないやつだなというのが分かりました。

感動が分かち合えなくて残念ではありましたが、こちらには月を愛でる文化があまり無いのかもと思いました。

日本(少なくとも私の周り)では、月を愛でている人が多い気がします。

家族や友人に「今日は月が綺麗だよ」というと「私も見てみよう」と言ってくれたり、十五夜にはお団子を買う人もいたり。

常に月の巡りを気にしているわけではありませんが、綺麗な満月が見れた日には得した気分になるのはきっと私だけではないはずです。


調べたところ、やはり中国や韓国などのアジア圏の国は月を愛でる文化があるようです。中秋の名月は中国の中秋節から来たものなんですね。

しかし、一方でヨーロッパでは満月を見ることで姿を変えてしまう狼男の言い伝えからも分かるように、月を見ることにあまり良い印象はないようです。


なるほど。
やはり世界は広い。自分たちの文化が当たり前と思ってはいけないと留学中に何度も教えられました。
今回の件もその一つ。

今年のイギリスでの中秋の名月は、月を愛でる文化について考えた夜でした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。






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