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なんだりかんだり

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期待しない→依存しない

私は自分以外の誰かを信用はしていない。まったくしていない。というのは、子どもの頃から大人が大人を裏切るさまを見続けてきたからだ。それに加えて自分自身うっかり他人を信用したばかりにうんざりするような出来事に遭遇してしまった経験があるからだ。

期待すれば、信用すれば苦しい思いをするだけだ。そんな思いに囚われて時間を無駄にはしたくはない。なにせいつ死ぬか分からんのだから。

期待しなければ、信用しなけ

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棟方志功記念館

私は小学生のころ、春休み、夏休みと冬休みはほぼほぼ県立図書館にいた。というのも、母が働いているあいだ図書館で好きなだけ本を読んで良いと言われたからだ。母の職場は図書館に近い、わけではなく、母の職場から図書館まではバス停3つ分+子どもの足で15分ほどかかる。そこをチャリで行っていたのだ。若かったとしか言えないが図書館で見聞したもののおかげで、私はお話を書けていると言って良いだろう。その通い倒したもと

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最後の支度

母が転院する先で必要なものをツメツメしている。病院でよく見かける入院アイテムを入れる大きめのビニールバッグ(某100円ショップで購入可能)3つ分になりそうだ。

①2022年年の瀬、大腸がん疑い
②2023年一月、大腸がん確定(末期に近い中期)
以降の治療方針として、抗がん剤投与でがん細胞を縮小し、外科手術で取り除くことになった。
③2023年三月、抗がん剤投与の最中持病が悪化。抗がん剤治療中断。

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前職は「専業主婦」

今日、職場で聞かれた。「前職はなんでしたか?」
私は「専業主婦です」と答えた。嘘は言っていない。

正確に言えば、高校を卒業→国家三種合格からの某省庁入り。地方の出先機関で馬車馬のように働き、夫氏の転勤に伴い退職。→専業主婦→某団体の臨時職員→某スーパーの品出し(アルバイト)→専業主婦→某団体の契約社員(有期)→専業主婦。我ながら浮き沈みの激しいキャリアだなとは思うが、前職は専業主婦で間違いない。

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余波

自著「金の糸と黒の糸」の表紙絵を描いてくださったコマさんの本が重版した。しかも三刷目という。その影響を受けたらしく「金の糸と黒の糸」がロマンスカテゴリートップ10から数日動かない。

実は昨年後半から電子書籍の売り上げは低迷していた。一番新しい作品でも2年前のものだから仕方がないなあと言いつつ、毎日SNSで宣伝はしていたが、近頃ではトップ100にも入らなくなっていた。

それが

3月20日にトッ

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終末期

母が緩和ケアを受けて一ヶ月が経った。主治医から連絡が来た。要約すると、病状は落ち着いているが医療行為が必須のため、今までいた施設で在宅医療・介護を受けるのは厳しいので転院のほうがいい、とのこと。ああ、そろそろかと感じた。二月のはじめに入院した際の説明の感触としては余命1ー2ヶ月だったので、本当の終末期を迎えたということになる。

ショックかと聞かれたらそりゃショックだ。だが、昨年の5月に当時の主治

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終末期、続き

昨日は主治医から連絡、今日はケースワーカーさんから電話が来た。
主治医からは病状、ケースワーカーさんからは転院のお話を聞いた。候補となる病院をいくつか聞いて、交通の便がいいところに頼んだが、どうなることやら。

続いて施設やケアワーカーさんに電話して施設退去の日にちやら、日用品の引き取りについて相談した。次に連絡したのは、母と連絡を取り合っていた親類だが、まあ、複雑な気持ちになったものだった。

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私なら、こう書く

私は小説家になりたいという気持ちはまったくなかった。
実際、文章を書くといえば実態調査結果や決裁書類ばかりだったし、小説は読むものであって書くものではなかった。ところが今男と女のあれやこれやを書いている。本当に、人生って面白いなと思う。

読書は好きだ。窓際のトットちゃんから始まった遍歴はいまだに続いている。保管していた本のなかで一番多いのはクリスティ。そう、アガサ・クリスティのミステリーだ。情報

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うれしい言葉

投稿サイトでお話を公開してからいろいろなメッセージを読者さんからいただいた。その中でひときわ嬉しいと思ったのは、自著を読んでくれた方が前向きな気持ちになったという類いのものだった。

「明けの明星は優しく見つめている」(未電書化)
これは法律事務所で働くアラサー女子と検事から弁護士になった男性とのラブストーリー。秋田市に住んでいた頃利用していたマックスバリューの惣菜売り場で「降りてきた」話だった。

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家に帰ればなんとかなる

タイトルにした言葉は、実は私の心の支えというか、そういうもの。家の外でなにか、こう、いやーなことがあっても、家に帰って夫氏と他愛ない会話をしたら気持ちが楽になるというか。

昔、尊敬していた上司から「関わりのある世界をいくつか持っていた方がいい」と言われたことがありました。例えば、私の場合は「家」「ゴルフ」「カキカキ(執筆)」「仕事」が関わりのある世界なんですが、このうちのどれか一つで停滞したとし

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我が愛猫

我が愛猫

あいつが我が家に来たのは、もう30年近く前のこと。母の姉が飼っていた猫だったのだが、伯母が手を焼いてしまい、我が家に引き取られた。
伯母が言うには「付き合いがある肉屋が飼っていた猫の子ども」だという。可愛い順にもらわれていって、最後に残ったのを伯母はもらったらしい。

我が家に来た当時のことは今も覚えてる。ろくに手入れされていなかったせいで全身に毛玉ができており、かたくなってしまった塊をジョキジョ

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ケアレスミス

米を買った。30㎏。夫婦二人暮らしにしては多いが、一ヶ月半おきに米10㎏を買ってチャリで運ぶ手間を省くために買った。

配達当日、アクシデントが発生した。
「クレジットカード・デビットカード決済」とシールが貼られた荷物が届いた。宅配のにーちゃんが言うには現金での支払いはできないとのこと。

私はニコニコ現金主義だ。クレカは夫氏が持っているので必要なときは使っている。だが今回は必要なときとはいいにく

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感情の言語化

2016年3月にお話を書き始めて、もうすぐ8年になる。この間いろいろなことがあり、今は個人で細々とお話を書き続けている。大人の女性向けの恋愛小説を中心に執筆しているが、たまに、ごくまれに恋愛とはかけ離れた話を書くこともある。その一つを、実は3年放置している。

放置というか手をつけていない理由は、東日本大震災が起因している人間ドラマだからだ。あの頃の自分と夫氏の微妙な関係を軸にして書いたものであり

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東京ブギウギ

「おかえりモネ」で朝ドラにハマり、土曜の夜に一週間分夫婦で見るようになった。今更ながら朝ドラすごい。もっと早くに気がつけば良かったと後悔している。

今期放送の「ブギウギ」、印象的なシーンで始まった1話目と今週放送された91話目がリンクし話題となっている。小説の構成で、序章で現在、一章から過去→現在に至るまでという構成が珍しくないし、ドラマでも使われる手法だが、このドラマに関してはこの構成で良かっ

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