AyaN

元全国紙記者・編集者、元ポータルニュースサイト編集長。キャリア前半で取材、執筆、編集、…

AyaN

元全国紙記者・編集者、元ポータルニュースサイト編集長。キャリア前半で取材、執筆、編集、校閲など紙メディアの制作技術を学ぶ。後にネイティブアプリ企画・運用、ポータルニュースサイト編成や編集人材育成、ウェブ解析、運用レポート作成などに従事し、現在はフリー。

マガジン

  • 要約チャレンジ

    平日1本ずつお題の文章を要約してもらうチャレンジです。とても文章のお上手なマーケターさんが「高校の時、国語の授業で新聞コラムを要約する課題があった」とXで明かしてくれたことで始めました。生成AIには書けない個性的な文章力を養うため、語句を磨き、文章を削っていく過程をお楽しみください。

最近の記事

職場でお菓子をくれるのはだれか

米国でGoogleやTwitter(当時)、またスタートアップ企業のオフィスを訪れた際、お菓子やバナナ、コーヒーなどの飲み物などを提供するコーナーが必ずあるのが印象的でした。社員は好きな時に軽食コーナーへ行って、同僚と談笑しながら食べたり飲んだりします。何気ない会話から着想して新しいサービスが生まれることもあるので、会社が無償で提供していると説明を受けました。 ある文化では当たり前とされていても、別の文化ではそうではないことは多々あります。休暇で行った旅先のおみやげのお菓子

¥0〜
割引あり
    • だれでも読める漢字を使おう

      漢字は全部でいくつあるかご存じですか? 正解はだれも分かりません。なぜなら、漢字は新たに作られ続けているからです。日本漢字学会の初代会長だった阿辻哲次氏によると、5万字はゆうに超えるとのこと。 かつて販売されていたソフト「今昔文字鏡」には16万字が収録されていたそうです。 そんな数は覚えられるものではありません。日常生活で使う文字はせいぜい3000字程度。日本ではそのうち特に頻度の高い2000字前後を「常用漢字」として政府が定めています(最新版は2010年告示。2136

      ¥0〜
      割引あり
      • 「字数に制限なし」の悪影響

        紙媒体に書くことから文筆業のキャリアを始めました。締め切りは1日に1回(夕刊に出すことがあれば2回)。逆算して7〜8時間前には「出稿予定」として今日何を書くのか、分量はどれくらいかを簡単なメモにしてデスク(編集者)に申告します。 分量は字数単位ではなく、行数単位でした。1段(1行)10〜13字程度です。例えば1面トップの記事だと60〜80行程度。紙面制作の担当者は出稿される記事の一覧で「記事Aは80行、記事Bは40行と写真1枚」などの分量を確認し、どこにどの記事を配置するか

        ¥0〜
        割引あり
        • だれもがクリックしてしまう話題

          私の仕事の一つはニュース配信や編成です。記者が書いた記事を読んで見出し(タイトル)をつけ、ユーザーの目に触れるところに置く仕事です。わかりやすい事例を挙げれば、Yahoo!ニュースのようなポータルサイトにニュースを選んで載せている感じです(ヤフトピのスタッフではありません)。 どの記事をどんなユーザーがクリックしたのかもつぶさに分かる時代です。同じような内容のニュースであっても時期によって読まれたり読まれなかったりするのですが、CTR(クリック率)の高い見出しに大まかな傾向

          ¥0〜
          割引あり

        職場でお菓子をくれるのはだれか

        ¥0〜

        マガジン

        • 要約チャレンジ
          12本
          ¥100

        記事

          「長過ぎる文」の目安と直し方

          先日セミナーに登壇しました。プレスリリースサービスの活用方法やPR方針の立て方などがテーマです。司会のくぼやんさんから「要約チャレンジは何に役立つのでしょうか」とご質問いただいたので、プレスリリースとの関係をご説明しますね。 プレスリリースにはタイトルとサブタイトル、リードをつけるのが一般的です。タイトル(主見出し)とサブタイトル(脇見出し)は文書の名前、何を書いてある文章か一言で伝えるもの。一方のリード(lead、導入文)は文章の要点をまとめたものです。つまり要約ですね。

          ¥0〜
          割引あり

          「長過ぎる文」の目安と直し方

          ¥0〜

          読み手に手間を強いる言葉

          新聞社で働いていた時、社外の編集者や編集プロダクションのライターと一緒に仕事をしたことがありました。ウェブの編集界隈では非常に有名な方たちです。すでに新聞はオワコン的な位置付けだったので、初めて仕事をする際には「どんなすごい文章を書くのだろう?」と緊張した覚えがあります。 しかし実際に原稿を受け取ってみると、どうにも長たらしく感じてしまいました。「その」などの指示語が頻繁に登場するのです。なくても文脈上明らかなところに登場したり、何を指しているか不明だったりすることが多々あ

          ¥0〜
          割引あり

          読み手に手間を強いる言葉

          ¥0〜

          「あなたは悲しい」とは言わない理由

          「あなたは悲しい」と言われたらどう感じますか? 「あなたは悲しんでいる」「あなたは悲しそうだ」ならば「そう、私は悲しい」または「いや、悲しくはない」などと答えるでしょう。しかし「あなたは悲しい」と言われたらちょっとムッとするのではないでしょうか。「悲しい人間だね、あなたは」と言われたのとほぼ同義だからです。 日本語のこの現象を「#感情形容詞の人称制限」といいます。感情や思考など内心の状態を表す言葉を言い切りの形(「悲しい」「愉快だ」など)で使えるのは一人称(話し手・書き手

          ¥0〜
          割引あり

          「あなたは悲しい」とは言わない理由

          ¥0〜

          最小限の説明で読み手を引き込む

          編集の仕事をしていると、よく「俳句みたい」と感想をいただくことがあります。不要な言葉を削り倒して残った語句を推敲するからでしょうか。 夏井いつきさんがおっしゃったかどうかは調べていませんが、上手な文章は削る必要がありません。むしろもう少し説明してと注文したりします。 なぜ削るかというと、不必要な説明があふれているからです。一例を挙げると製品やサービスのキャッチコピーやウェブサイトで、こんな感じに始まる文章をよく見かけます。 このページの目的はインターネットの歴史を紹介す

          ¥0〜
          割引あり

          最小限の説明で読み手を引き込む

          ¥0〜

          論理展開を補いつつ読む

          今は昔。女性記者がまだ珍しかった時代には「怖い」と言われることがありました。殴りかかってきそうだとかいう意味ではなく、「理屈っぽい」「可愛げがない」とほぼ同義です。あゝ無情。 例えば記者会見では、会見する側(為政者とか問題を起こした人とか)の言っていることがおかしければ突っ込むのが記者の仕事です。そうでないと記事が書けませんし、原稿を読んだデスク(編集者)から「これどうなってるの? おかしいと思わなかったの?」などと突っ込まれ、半分泣きながら電話をかけたり現地に再度赴いたり

          ¥0〜
          割引あり

          論理展開を補いつつ読む

          ¥0〜

          より多くの人に楽しく読んでもらう

          長く勤めていたマスメディアでは、読み手・受け手は数万人、時には数十万人にも上りました。 メディアルームには大型ディスプレイが設置され、リアルタイムのページビュー数(PV)を表示していました。お昼のピークには1分あたり数万、ヤフトピに採用されると数十万PVにも達します。 それだけ多くの人が読んでいるので、バックグラウンドもさまざま。性別、年齢、居住地はもちろんのこと教育や労働環境などそれぞれまるで違います。それでも多くの人に記事を読んでもらうために設けられているのが用字・用

          ¥0〜
          割引あり

          より多くの人に楽しく読んでもらう

          ¥0〜

          主語がだれか考えながら読む

          中国語をDuolingoで学び始めて1年になります。日本語との共通点や相違点を見出しては感心しています。日常会話では違うのかもしれませんが、結構ちゃんと主語が登場しますね。 日本語では主語を頻繁に省きます。文脈で明らかにするからです。「私は昨日公園で友達と会った」だと小学生の作文ぽくなってしまうのは、それだけ不自然でこなれていない感じを与えるから。ただし省きすぎると誰が誰だか分からなくなってしまうので、主語が変わる時はきちんと明示して書くことをお勧めします。 読む立場の時

          ¥0〜
          割引あり

          主語がだれか考えながら読む

          ¥0〜

          読み手の好奇心を後押しする

          Yahoo!ニュースを読むことはありますか? 日本で一番読まれているウェブサイトの一つであり、月間PVは推定100億以上。私も時々編集に関わることがあります。 多数の記事がある中、いかにクリックさせて本文を読んでもらうかは編集者の腕の見せどころです。ニュースサイトである以上、釣りタイトルは御法度。本文にある語句の中から高CTR(Click Through Rate、クリック率)を狙える見出し(タイトル)を知恵を絞って考えます。 詳しくはYahoo!ニュース編集部がブログ(

          ¥0〜
          割引あり

          読み手の好奇心を後押しする

          ¥0〜

          PREP法だけが良い書き方じゃない

          「ブログの書き方を習いました。PREP法です」と聞いて、なんだそれ。と思ったのは3年前。かなり普及していましたが、その頃は知りませんでした。 Point (要点): 要点や結論を伝える。 Reason (理由): 結論に至った理由を説明。 Example (具体例): 理由を補強するための事例やデータを提示。 Point(要点):再び要点や結論を伝える。 似た書き方にSDS法(Summary-Details-Summary)もあります。SEOではユーザーの検索意図に

          ¥0〜
          割引あり

          PREP法だけが良い書き方じゃない

          ¥0〜

          比喩で気をつけるべき点

          #要約チャレンジ 5回目です。 企業向けにプレスリリースやニュースレターを書いたりするのが私の主な仕事です。お仕事でものを書く機会があるので上達したい方を対象に、ライティング講座もたまーに開催しています。 藤原さんはSNSマネージャー養成講座、ブランドマネージャーなどの講師を務めるなどマーケティング分野でご活躍されています。ライターになるご予定はないと思いますので(?)、レポートのフィードバックを書く際などに要約スキルをご活用ください。 要約チャレンジ4/30今回は読売

          ¥100

          比喩で気をつけるべき点

          ¥100

          すべては読み手次第

          #要約チャレンジ 5回目です。 4/25のお題は難しかったのか、どなたもいらっしゃらなかったので自分で書いてみました。タイトルの付け方も少し触れています。 要約チャレンジ4/26今回のお題です。ランサーズのCOO、曽根秀晶さんへのインタビューを選んでみました。 https://reskill.nikkei.com/article/DGXZQOLM077T00X00C23A8000000/?page=3 全3ページにわたる記事ですが、3ページ目だけで大丈夫です。約120

          ¥0〜
          割引あり

          すべては読み手次第

          ¥0〜

          他人の思考をたどる

          #要約チャレンジ 4回目です。 「これをしたら要約以外の何かになってしまうからしない」という決まりはいくつかあります。 事実と意見を混ぜない。 自分の意見や感想を述べない。 元の文に書いていない内容は書かない。 簡単なようでいて意外と難しいのはなぜか。元の文を書いた人の思考をたどらなくてはいけないからです。 例えば2回目のお題にしたこちら。 鈴木健二さんがテレビで活躍していたのは1960〜80年代です。紅白歌合戦の司会も務めたそうなのですが、平成生まれは知らない

          ¥0〜
          割引あり

          他人の思考をたどる

          ¥0〜