プリンセスになりたいだなんて、誰が言ったの
おとぎ話の主人公。
いつか王子様が現れて、わたしを幸せの世界に連れて行ってくれるの。
そうして待っているプリンセス。
運命の人と出会って、恋に落ちて、ハッピーエンドを迎えるプリンセス。
可愛くて、綺麗で、素敵で。
でも、そんなプリンセスに憧れたことは、わたしは一度も無かった。
"ディズニーが好き"って言うと、よく聞かれる。
「どのプリンセスが好きなの?」
ちがう。そうじゃない。プリンセスに憧れたことなんて、なぜか一度も無いの。
ピンク色が好きだし、可愛いものも好き。でも、女の子らしくプリンセスを好きになったことなんてなかった。
どちらかと言えば、トイストーリーに出てくるカウガールのジェシーに憧れたりした。
おしとやかで、可憐なプリンセスよりも、元気いっぱいおてんばなカウガールの方が、わたしは好きだった。
どうしてかな?って考えてみた。
多分わたしは、自分から逃げ出したかった。
おしとやかで、真面目なあやめちゃん。「かわいいね」「良い子だね」「真面目だね」そう言われる度に、可愛くて真面目な良い子でいなければならないと思っていた。
周りが作り出す"あやめちゃん"像に、忠実でなければならないと思っていた。期待される通りの自分でなければならないと思っていた。
だから、そうじゃない正反対の、おてんばでわがままで、でもキラキラして元気いっぱいのジェシーに、わたしは憧れを抱いた。
可憐なプリンセスじゃなくて、おてんばジェシーに。
わたしは、みんなが思っているほど立派な人間なんかじゃない。みんなが思っているほど真面目でも、可愛くもない。コンプレックスの塊で、引っ込み思案で、大して秀でたものも特にない、ごくごく普通の女の子なの。
わたしなんて…わたしなんて…
心の奥でずっとそう思っていた。
周りからのイメージを裏切らないように、期待通りの"あやめちゃん"で居なければならない思って、その通りの振る舞いをしていた。周りの目を気にして気にして、常に良い子であろうとした。
そんなわたしが本当のわたしなのか、それとも取り繕わないわたしが本当のわたしなのか、それすらもよく分からなかった。
とにかく、そんな自分に、全く自信が持てなかった。
わたしなんかがスカートなんて履いちゃいけない。わたしなんかが、派手なお洋服なんか着ちゃいけない。わたしなんかが……わたしなんかが……
誰からも何も言われていないのに、自信が無いわたしは勝手にそう思い込んで、モノトーンの服しか着なかったし、ズボンしか履けなかった。
ネガティブで。悲観的で。
でも。
そんなわたしを、明るい世界に引っ張り出してくれた人がいた。
何を隠そう、わたしの彼だった。
根拠のない自信と、根っからのポジティブ精神を持った、春風のように爽やかな雰囲気の持ち主。
クラスに1人はいた、クラスの女子の大半が一度は好きになったような男の子。
突然やってきた春風に巻き込まれたかのように、彼と過ごすうちに気がつけば前を向けるようになり、ポジティブになり、自分に自信が持てるようになっていた。とっても、とっても、影響を受けていた。不思議だね。
今でもプリンセスよりおてんばカウガールのジェシーの方が好きだけれど、わたしのことをプリンセスのように扱ってくれる優しい彼の隣にいると、なんだか全てを肯定されたような気になるし、わたし自身もちゃんと自分で自分のことを認めてあげられているなぁって思う。
王子様、なんてそんな小っ恥ずかしいくすぐったくなるような表現はしたくないけれど、やっぱり王子様のような彼は、本当にステキな人だと思ってる。彼に見合うステキなプリンセスになりたいだなんて心の片隅で思う日が来るなんて、ね(笑)
そんなことをぼやっと考えながら、それでもやっぱりおてんばジェシーに憧れるわたしは、無い物ねだりなのかも、しれないけれど。
今日もおつかれさまでした。
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