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コーヒーが飲めるから、わたしは大人なの

コーヒーが飲めなかった。

そう、飲めなかった。

過去形。


今は、飲める。

だって、わたしは大人だから。



好き嫌いが果てしなく多いわたしは、麦茶以外の茶色い飲み物が嫌いだった。

コーヒーも、紅茶も、ココアも、全部ダメ。

ついでに炭酸飲料も飲めないから、ファミレスのドリンクバーなんかに行くと、烏龍茶かオレンジジュースくらいの選択肢しかなかった。

子供だったから。



でも、なんだかある日、ふとコーヒーが飲めるようになった。

本当になんの前触れもなく、飲めるようになった。(でも砂糖はいっぱい入れないとダメ)

多分、大人になったんだと思う。



コーヒーが飲めるようになってから、気を使わなきゃいけない場面が少なくなって、すごく生きやすくなった気がする。めっちゃ大げさな表現だけど。



コーヒーが飲めない時って、今思えばすごく不便な生活をしていた気がして。


例えばカフェに行った時、コーヒー系以外のソフトドリンクって、びっくりするくらい高い。
「え?なんでブレンドコーヒーは200円台なのに、オレンジジュースは450円もするの??」ってすごく不服だった。でもそれしか飲めるものないから頼むんだけど。学生時代はカフェに行くの億劫だったもんな、お財布が寒くて。


あと、仕事の合間とかに先輩にカフェに連れて行ってもらった時。
「何がいい?」って聞かれて、「アイスコーヒーで」って言えればいいんだけど、それが無理だったから。メニュー見て、どれだったら自分が飲めるドリンクなのかをすごく考えるわけですよ。その時点でもう時間のロス。先輩を待たせてるわけ。しかもアイスコーヒー以外は高いわけ。
先輩って「コーヒー1杯ぐらいおごるよ」って言ってくれるんだけど、"わたしが飲めるのはコーヒー2杯分くらいのお値段するんですよね…"ってすごく申し訳ない気持ちになって、とてもとても気を使った。


でも、コーヒーが飲めるようになってから、そんな変な気を使うことがなくなって、すごく楽になった。



食後のデザートについてくるコーヒーも飲めるから、最後まで楽しみながら食事もできるし。

わざわざ"コーヒー飲めないんで別のドリンクありますか"って聞く手間もいらないし。


今までよりも気軽にカフェに行けるようにもなった。わたしとカフェ心理的距離、圧倒的に近くなった気がするもん。うれしい。世界広がった感じ。



敷居が高くて全然行ったことなかったスタバにも入れるようになったし、旅先でも気軽にコーヒー飲めちゃうもんね。(写真はスタバじゃなくてすなばだよ)



***



コーヒー飲めない時代のわたしを知っている人と一緒にカフェに行った時、当たり前のように「ブレンドで」って注文するわたしを見て、驚かれたことがあった。

「コーヒー飲めるようになったん!?」

って。

(そう。そうやねん。わたし、大人になったからな。コーヒーも飲めるんやで。すごいやろ。成長したやろ。)

って心の中で思いながら、

「コーヒーぐらい飲めるわ〜」

って言いたいんだけど。


"コーヒーが飲めるわたし"ってのが嬉しくて、結局は心の中で思ってることが全部口から出てくるんだよね。


「せやねん!コーヒー飲めるようになってん!大人やからな!成長したからな!!」



***



とまぁ、そんなことをアポ帰りに立ち寄ったカフェでウインナーコーヒーを飲みながら考えていた今日の午後。


そういえばこのおいしいウインナーコーヒーはなんでウインナーコーヒーって言うんだろう?どこにウインナー要素があるんだろう?
っていう疑問がふと頭に生まれたから調べてみた。


このコーヒーの上にホイップクリームを乗せるスタイルは、オーストリアのウィーン発祥の飲み方らしい。「ウィーン風の」コーヒーってことで、ウインナーコーヒーなんだって、Wikipedia先生が言ってた。


ウインナーって、ソーセージのことだと思ってたよ。

「ウインナーコーヒーってさ、全然ソーセージ要素なくない?」

とかいうくだらない会話を友だちに繰り広げる前にググって良かった。



いやー、このわたしがウィーン風のコーヒーなんていうオシャレなもの飲んでるなんてね。


わたしも大人になったわ。



ま、紅茶はまだ飲めないんだけど。





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