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遠距離恋愛記念日。

最初からわかっていた。

一緒に過ごせないことも。
そばにいられないことも。
離れ離れになってしまうことも。

全部全部、最初からわかっていた。


でも、本当は、何もわかっていなかった。



***



朝の5時過ぎ。今日は、彼の出発の日。

一緒に育った大阪を離れ、進学のために徳島にひとり行ってしまう彼を見送るために、がんばってうんと早起きした。"いつまでも一緒にいたい可愛い彼女"って思ってもらえるように、いつもより念入りにメイクして、丁寧に髪の毛も整えたりなんかして。


"最後は、笑ってお見送りしよう"


そう、心に誓って、家の扉を開けて外に出た。


いつもと変わらない笑顔の彼がそこにはいた。でも、何を話せばいいのかわからない。

"行かないで。離れたくない。"

何度も出てきそうになる本音を抑えて、

「向こうに行ってもがんばってね」

なんて、強がってみる。

『当たり前やろ』

笑いながら返ってきたその言葉の裏側に、彼も同じ気持ちなのが見え隠れする。

笑ってお見送りするって決めたから、ちゃんと、笑顔で、背中を押してあげるんだって思ってたのに。どうしても溢れてくる涙を止めることはできなかった。



「行ってらっしゃい!!!」


泣きながら無理に作った笑顔で、出発する彼の後ろ姿が見えなくなるまで手を振った。





この時はまだ知らなかった。

遠距離恋愛の辛さも。
会うたびに好きになって切なくなる気持ちも。
好きだからこそ、バイバイする瞬間が、胸が張り裂けそうになるほど苦しいことも。

そして、そんなバイバイを、これから何度も何度も経験するということを。



***



あの涙のお見送りをした日から今日でちょうど8年。

たくさんのバイバイを経験しながら、わたしたちは今でも遠距離恋愛のまま。


細く長く途切れ途切れに早8年。8年前に生まれた子は小学生に、小学生は中学生に、中学生は大学生になったというのに、まだまだ遠恋やってます。


彼はこんなことを言っていたけど、本当にその通り。


でも、ずっと一緒に居られないからこそ、2人で過ごせる時間がこんなに大切で、幸せなものなんだってことを学んだ。

当たり前に連絡が取り合えることも、電話ができることも、顔を見ることができることも、話せることも。それが、どれだけ幸せなことなのかっていうことも、身をもって知った。



この距離も、案外、悪くない。



気がつけばそんな風に思えるくらい、遠距離恋愛もベテランの域に達してしまった(笑)





これからもわたしたちしく、のびのび、遠距離恋愛しようと思う。




今日もおつかれさまでした。




▽わたしには専属カメラマンがいる
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▽バレンタインにはチロルチョコを
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