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ポジティブ心理学でウェルビーイングな日々を・9「幸せの正体=『喜び』と『意義』の同時体験」

前回、「幸せを先延ばしにしないで、今ここを味わおう」という話をしたよね。

でも、ふと不安にならない?

目の前の幸せばかり追っていたら、
将来的な成功を逃しちゃう、
目標を達成することができないんじゃないの??って。

その疑問に、鮮やかに答えてくれるのが、
タル・ベン・シャハー博士。

心理学博士のタル・ベン・シャハー氏は、
ハーバード大学の超人気講師で、
彼が教える「ポジティブ・サイコロジー」の講義には学生が殺到し、
ある年には受講学生数がハーバード大学で第1位になったんだって。

ちなみに私は、日本の大学や企業の若手研修でも、
もっとポジティブ心理学が取り上げられるようになるといいな、と思っているんだ。

シャハー博士の「結論」を、先に紹介しちゃうね。


『持続する大きな幸せは、
一つの劇的な出来事によってではなく、
幸せな体験を一つ一つ積み重ねていくことで、
少しずつ、徐々に築かれるものなのです。

私たちは、愛する人と触れ合いながら、
新しい何かを学びながら、
仕事をしながら、
それらのなかに「意義」と「喜び」を見出しているとき、
幸せに生きています。

そして、そうやって「意義」と「喜び」に満ちた体験を積み重ねていくことで、
徐々に、しかし確実に、永遠の至福へと近づいていきます。

これが、すべてです』


この博士の「結論」について、
ひとつひとつ丁寧に説明していくね。


まず、「幸せって、何なんだろう?」ということを
シャハー博士がどう説明しているか。

ハンバーガーで例えると・・・


●ジャンクフード・バーガー
食べた瞬間は刺激的でとても美味しく感じるけど
食べ終わってもどこか虚しくて、体に悪いハンバーガー

●ベジタリアン・バーガー
とても健康的だけど、ちっとも美味しくないバーガー


ジャンクフード・バーガー的な幸せを、
博士は「快楽型」の幸せと呼んでいるよ。

ベジタリアン・バーガー的な幸せを、
博士は「出世競争型」の幸せと呼んでいるよ。


「快楽型」人間は、現在の利益にばかり飛びついて、
未来の不利益に繋がってしまうことを、
次々に行ってしまう傾向があって、
努力という言葉が大嫌い。

でも、実は、人間は努力なしでは決して幸せを感じることができないと、博士はいうの。
ピーク・パフォーマンスやピーク・エクスペリエンス研究の権威、
ミハイ・チクセントミハイ氏も、

「私たちにとって、最高の瞬間は、
私たちの心または肉体が、
価値ある何かを達成しようとして、
背伸びをしているときに発生する」

と言っているように、
目標も努力も排除された快楽主義的な生き方は、
人間を決して幸せにはしないらしいわ。


「出世競争型」人間は、
「痛みなくして得るものなし」とばかりに、
現在の幸せを犠牲にし続け、
未来のためにひた走る。

彼らは、「ある目的地」に到着しさえすれば幸せになれる、と
思い込んでいるんだけど、
目の前のことを楽しんだり、味わったりする能力がないから、
実は、どの地点に立ったとしても、
「まだ、ここじゃない」という思いに囚われ、
いつまでたっても幸せを感じることができないと、博士はいってるの。


そしてね、シャハー博士ははっきり断言している。

多くの場合、
「現在の利益」を得ながら、
同時に、
「未来の利益」を見込むことはできる、と。

そして、それが幸せの正体だと。

つまり、


『「喜び」と「意義」の同時体験』


こそが、幸せの定義なんだと。

「喜び」が現在の利益で、
「意義」が未来の利益ね。

「意義」と「喜び」の双方をもたらしてくれる体験は、
それ自体が幸せな体験であるとともに、
私たちの内面の深いところにある持続的な幸福感を、
押し上げてもくれる。

幸せは、私たちの内側に蓄積されていく。


シャハー博士は、この幸せの定義を
色々な角度から説明してくれているので、
次回以降も、少しずつ説明していくね。

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※このコラムは主にポジティブ心理学に基づき、
幸せでいるためのエビデンスに基づく方法を紹介しています。
※ポジティブ心理学の分野では「Well-being」を高める方法が数多く研究されています。

※このコラムの参考文献 :「HAPPIER」タル・ベン・シャハー著


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