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進行性難病・車椅子・高齢で妊娠!

進行性難病筋ジストロフィーを抱える私ですが、アラフォーにしてなんと妊娠がわかりました。
進行性難病、車いす、高齢とハイリスク極まりないですが、お腹に来てくれた赤ちゃんに感謝しかありません。
少し体調も落ち着いて来たので今までの私のこと、妊娠の事綴っていきたいと思います。

気付いたらアラフォーだった

私の場合、病気が分かったのが20歳のとき。進行性で治療法のない病気と判明し、障害も進む体で「生きていくこと」に自分なりの解を求め、

病気があったから私の人生こうなんだ・・・
病気があるからやりたいことができてない・・・

そんな気持ちとの折り合いがついて、
病気とともに生きていくことに慣れた頃
10年以上あっという間に過ぎていました。

それからは自分の人生の生きがいを見つけ邁進。

歌を歌いながら自分の思いを伝える講演コンサートスタイルを確立していき、多くの人との出会いから人生がどんどん豊かになっていきました。
歩けなくなり、車いすになりと病気が進行していく中でも、生きててよかったと思う気持ちが湧いてきました。

また障害の有無を問わず様々なチャレンジをさせてくれる会社の仕事にもますますのめり込んでいき、寝る時間も惜しんで活動し、仕事し、遊びという日々が何年も続いていました。

反面、結婚して妊娠して出産してという一般的な?女性の歩む道とはかけ離れ、気づいたらアラフォーだったのでした。

コロナ禍で気づいた私が自分の人生で残したい事


仕事に活動に遊びにずっとノンストップで走ってきた自分を立ち止まらせてくれたのはコロナでした。

コロナ禍、時間が出来、自分が本当はどう生きていきたいか考えたとき、子どもがいたら素敵だなぁと思いはじめるようになりました。
自分の命はいつか終わるけど、次の世代に何か残せたらいいなと。

進行性の難病がわたしにはあり、遺伝する確率の事や、これからもっと病気が進行していく事、出産にも子育てにもリスクがあり普通の人より大変な事、さまざまな事を考えて不安にもなりますが、旦那さんと話し合い、様々な事を考えてもこの夢を叶えていこうと決意しました。

そしてお腹に来てくれた大切な命。
この小さな命に心から感謝をしています。

妊娠発覚時の気持ちは?


自分が本当に妊娠できるのか?など不安もあったので、妊娠検査薬陽性反応が出たときは正直驚きました。
また、それからもどんどん体が母体として変化していくのに、心が追いついておらず不安なことも、自分の障害や難病と合わせてあるので感情の浮き沈みが激しくありますが、なんとか乗り越えて行きたいなと思っています。

妊娠して変えた生活スタイル


例えば今まで多少転んでも歩くことを優先したかったので、家の中や外でよく歩く練習をしてましたが、本当によく転ぶので、今は車椅子に乗ったり、椅子に乗ったりの移動をして転ばないように心がけています。
また、今まで凄い体勢で体をねじって椅子から立ったり、ドスン!と凄い勢いで椅子に座ったりしていたのですが、それらも体に負担をかけないようにやめました。
今までは体に負担をかけていた分、誰かの介助がいらずやりたい時にやりたいことができていたのですが、ちょっと我慢をして安全を取ろうと思います。
病気の進行と、赤ちゃんのことと、自分のやりたいことと、ストレスを溜めないことと・・・色々なバランスをとって、穏やかに過ごしていきたいと思っています。

妊婦生活と病気の進行

妊娠してからの病気の進行をリアルに振り返ると
妊娠して変えた生活スタイルに書いた通り、お腹や体をいたわる生活をして、
リスクを少しでも減らそうとして夫や周りの人に介助をお願いしているので
体をあまり使わなくなった事による筋肉の衰えを感じています。

6月上旬から2ヶ月以上眠い、だるい、お腹がはるなどの理由で横になって寝ている時間が多かったからか、8月後半の妊婦検診で病院の多目的トイレに入って用を足すのが一苦労だった、というかもはや一人では危ないレベルに体の機能が落ちていたのは正直ショックでした。

妊娠で体重が増えたせいもあると思うけれど、確実に筋力が落ちているのを感じます。

妊娠による病気の進行は、赤ちゃんが生まれてからのことや、今後自分が生きていくことを考えると絶対に阻止したい。 

赤ちゃんが生まれるのに、どんどん成長していろいろなことができるようになっていく赤ちゃんの逆行で自分がどんどん動けなくなっていってどうする・・・
阻止するためにも筋トレをしていこうと思います。

それでも産みたいですか?

妊娠と時期を同じくして病気の悪化もありました。
心拍数が異常に高く、ドキドキドキと不整脈も感じる‥
またなぜかたまたま自宅で測った酸素飽和度がとても低かったのです。

筋ジストロフィーは全身の筋肉がなくなっていく病気で、呼吸器系や心臓の筋肉が侵されると危ない。

私の病気の型はそこへの影響が少ない傾向と言われてきたがまさかこのタイミングでそこへの影響が出始めているのか・・と、とても不安になり病院を受診。

妊娠を知った医師から出た言葉は、「心臓や肺の機能が危ない状態になったらどうしたい?」と。
それでも産みたいかということでした。

まだ妊娠したばかりでいろいろな気持ちの整理はついていないけど、せっかくお腹にきてくれた命に外の世界を見せてあげたいという気持ちはとても強い。
お腹の中の子は両親を選んで生まれてくるという言葉があるけれど、難病や障害のあるわざわざ大変な私を選んできてくれたのだから、お腹の中の命には感謝しかない。
だから私は産みたいと思いました。

母になる自覚がなかなか持てない、戸惑う体の変化

現在安定期に入りお腹も少しずつ大きくなってきています。
それにも関わらずいまだに母になるという実感と自覚が持てないでいるのも事実。

「お母さんになるんだから。。。もっとしっかりしなきゃ」みたいなセリフをよく言われるがまだまだピンとこないのが現実です。

終わりの見えないつわりに苦しんでいるせいなのかな‥

そんな私の意思とは関係なく、体はどんどん変化していって
母体の体の変化と赤ちゃんの成長は、
普段体を意識せず、頭ばかり使って生きている日々に、ヒトであることと人間ってすごいなぁということを思わせてくれます。

今はお腹が胃の辺りまで膨らんで前屈姿勢ができない、普通の服や下着がキツくて着られないところまできています。

そんな私を横目に夫はとても献身的であり、父としての自覚に目覚めていて

本当にすごい。

「大丈夫、ゆっくり親に一緒になっていこうよ」
お腹をさすりながら話しかけながらそう言ってくれる夫にはいつも頭が上がらない。

嬉しい気持ちと体への不安と、これからと。
いろんな気持ちを抱えながら私は今妊娠生活を送っています。

無事に出産できたらいいなぁ。

今後も少しずつだけど色々と妊娠について書き留めていきたいと思います。

頑張れ赤ちゃん!頑張れ自分〜!




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